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片山和也の生産財マーケティングの視点【米国グレートカンパニー視察ツアー(2)】

またグーグルやフェイスブックなど、グレートカンパニー各社が重視
していることは、次の5つのポイントです。

(1)働きがいのある職場をつくることが生産性を向上させ、より良
いアイデアを生み出すと経営トップが強く認識している。
(2)社員本人のスキルよりも、企業文化に馴染めるかそうでないか
を重視している。価値観が同じ人間を採用することを重視している。
(3)100年に一度の不況期であっても、ピンチはチャンスと「プ
ラス発想」で捉えている。
(4)お客様へのおもてなし、ホスピタリティを重視している。
(5)良質な食べ物を備える(=生存欲求)、経営トップが社員を褒
め・認める(=安全・承認欲求)といった、人間の根元的欲求を満た
すことを重視している。

特に興味深いのは(5)です。今回視察した企業のうち、大半の社員
食堂が無料になっており、また味も良いと社員に好評です。グーグル
は社内を案内してくれた社員が、しきりに社員食堂の食事がおいしい
と繰り返していました。ネットアップ社の場合は、社員食堂にピザ用
の石焼釜を設置してあるなど、レストラン以上の装備を持っていて無
料の食事を提供していました。

これは言い換えれば、「給料が高い・安い」という議論にならないよ
うなマネジメントを行なっているということです。お金と違って食べ
物は、1人が食べられる量に限界があります。どれだけ食べても30
00円を超えることはないでしょう。高収益な会社にとってはローコ
ストオペレーションといえるかもしれません。

また日本でも会社を再建した経営者の話を聞いていると、まず社員食
堂をきれいにして、食事の味を良くすることから始めるケースが多い
のです。またトイレをきれにする、というのもよく聞く話です。こう
した食住に関わることは人間にとって根源的な話ですから、働きがい
のある職場をつくる上でポイントになるということなのでしょう。

靴のオンライン通販で売上2000億円のザッポスも同様です。同社
はアマゾンに2000億円という破格の金額で買収された高収益会社
ですが、社員への給料は決して高くありません。
同社に7ヶ月勤めて、そこで全米のコールセンター平均年収と同じ給
料になります。そこから定期昇給はなく、スキルに応じて昇給する仕
組みになっています。

ただし同社は健康保険・失業保険など保険関係はフルに会社が負担し
ています。アメリカの場合、こうした保険をすべてかけると月に1人
あたり1200ドルを超えます。アメリカの場合は保険の負担をしな
い会社も多いわけですが、人間の根源的欲求を満たすという意味で、
保険は満額負担しているのです。

また同社では半年に一度、「社員幸せ度調査」というアンケート調査
を行なっています。社員は「自分にとって何が本当に幸せなのか」と
いうことを常に考えるような仕組みになっています。同社の案内をし
てくれた社員の方は「家族でクリスマスを祝えるのが幸せだ」「お客
さまに喜んでいただくことが幸せだ」と言っていましたが、いずれに
せよ「給料が高い・安い」というところが焦点にならないマネジメン
トなのです。
半ば宗教的なマネジメントではありますが、こうしたマネジメント手
法は「PEAK(ピーク)」と言われ、アメリカでは関連書籍も多く
出版されているようです。

アメリカの大企業といえば、社員はヘッドハンティングで採用して、
成果主義で高い給料をインセンティブにするという、ウォール街の投
資銀行的イメージが一般的には強いといえます。
しかし今回の視察先企業をみると、もっと人間にとって根源的な視点
でマネジメントが行なわれているのです。

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