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2024年1月の時流とその対策: 今年の干支は「甲・辰(きのえ・たつ)」/2024年は新旧対立の年?

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今年の干支は「甲・辰(きのえ・たつ)」:2024年は新旧対立の年?

新年あけましておめでとうございます。

六十年間の周期でその年を占う「干支(えと)」ですが、今年2024年は「甲・辰(きのえ・たつ)」の年だといいます。「甲」は“春先に芽吹く植物の新芽は、冬の間硬いうろこ状の皮に守られている”“この状態が甲で、やがて新芽が出る”ということから、甲には「はじめ」「はじまり」といった意味があるそうです。

また「辰」年は“荒れ地を本格的に開墾して、作物を育てていくことになる”“辰は震に通じ、進と伸に通じるので、あらゆる物事が盛んになる”年だといいます。

そしてこの2つが組み合わさる「甲・辰」の年は、新旧対立の年になるといいます。
例えば60年前の甲・辰の年は1964年で東京オリンピックの年でした。日本はこの年を境にして高度経済成長の波に乗っていきます。さらにその60年前の年は1904年で、日露戦争が勃発した年です。この戦争を機に日本は列強の仲間入りができる様になり、不平等条約も解消に向かいました。

今年2024年は1月に台湾総統選、3月にロシアでの大統領選挙、11月には米国大統領選挙 他 と、世界中で重要な選挙が行われます。まさに新旧対立の年といえます。

さらに2024年も前年から続く、
・EVシフト
・カーボンニュートラル・脱炭素
・賃金上昇とインフレ
・労働規制(2024年問題)
・国際紛争・戦争・地政学リスク
・その他
といった事象が、さらに進行する年になるのかもしれません。
さらには前述の「新旧対立」というキーワードから、自社を取り巻く様々なことが大きく変化する1年になるのかもしれません。

映画「ナポレオン」にみる、「戦争経済」の実際

そうした中、私事ではありますが、巨匠として名高いリドリー・スコット監督の最新作、映画「ナポレオン」を観にいってきました。なぜ私がこの映画を観にいきたいと思ったかというと、同監督の映画は世相を強く反映することが多いからです。
リドリー・スコット監督は米国政府とつながりが深い人物、とされており、同監督の代表作である「ブラック・ホーク・ダウン」では、紛争地で被害にあった米軍が必要以上に美化されている(=加害者なのに被害者扱いされている)と批判を呼んだことがあります。
また2001年4月に公開された同監督の「ハンニバル」という映画の中では、主人公のFBI捜査官が、自身が追う凶悪犯罪者のハンニバル・レクタ―博士の身元を調べるために、FBIの“世界極悪人データベース”にアクセスするシーンがあります。そのシーンでデータベースの中に現れたレクタ―博士の隣に、世界同時多発テロの首謀者とされているオサマ・ビン・ラディンが登場しているのです。
そしてその5ケ月後の2001年9月11日に、世界同時多発テロが勃発。この事件の発生を予知しているかの様な内容になっているわけです。

さて、そんなリドリー・スコット監督の「ナポレオン」ですが、そのストーリーの詳細をここでは述べませんが、私がそこから感じ取った文脈は、これから「戦争経済」が本格化する可能性が高い、ということです。

例えば日経新聞の報道によれば、三菱重工の防衛・宇宙セグメントの売上は現在約5000億円だそうですが、これが2025年には約1兆円まで売上があがるといいます。また川崎重工業の防衛事業の売上は現在約2400億円ですが、2031年には約7000億円まで増加するといいます。
三菱重工と川崎重工業だけで、これから5年ほどで約1兆円の防衛マーケットが新たに生まれるわけです
他にも防衛産業の会社としてはNEC、三菱電機、ダイキン工業、日本製鋼所、三井E&S(旧三井造船)といった会社が多数ありますから、こうした会社の売上増加分も考えると、これからわずか5年ほどの間に、数兆円もの新たなマーケットが生まれる、ということなのです。

実際、工作機械メーカーの牧野フライス製作所では、大型機の受注が好調なため山梨県に新工場の建設を発表しました。牧野フライス製作所では、コロナ禍前は受注残が600億円以下だったそうですが、現在は大型機を中心に1000億円を超える受注残を抱え、高止まりしているといいます。
特に航空機産業では、大型の横型マシニングセンタを多用します。大物ワークのアルミ削り出しの部品が多いからです。そして航空機産業の半分が軍需用途です。
そして、こうした流れを受けて日本工作機械工業会では、工作機械受注額が2026年には2兆円を超えるという試算を発表しています

EVシフト、カーボンニュートラルに伴う新たな需要に対応するために

さらに前述の工作機械受注の増大の要因として、EVシフトが挙げられます。
EVの特徴として、1つあたりのパーツが大きくなり、また多品種少量生産という観点から従来の専用機ではなく、汎用マシンを活用した複合加工で生産が行われる、という側面もあります。

また、私の関係先の某測定機器メーカーは、自動車の開発に使用する振動試験装置を手掛けています。この振動試験装置の受注が好調で、多くの完成車メーカーに対して納入、あるいは納入を控えています。
この振動試験装置にEVのプロトタイプ(モーターからeアクスルまでの基幹ユニット)を据え付けて、耐久試験も含めた振動試験を行うわけです。完成車の開発は4~5年がかりといわれますが、4~5年後に市場に出される自動車(EV)の開発をまさに今行っているわけで、現在はEVに関わる開発案件というのはほとんど外にでてきていませんが、時間の問題でEVに関わる部品の話も外部にでてくると思われます。

前述の通り、EVに搭載される部品そのものの案件は現状、外部にほとんど出てきていませんが、このEVを製造するための生産設備(前述の試験装置も含む)や、EVに搭載される電池の生産設備についての需要は、かなり市場にでてきています。
関西の私の関係先の場合、EVに搭載される電池の製造で使用する大型ローラー回りの製缶加工の受注が好調で、今期は過去最高の売上・利益になる見通しです。また信越エリアの私の関係先も、新規開拓を目的とした営業DXを導入した結果、立上げ1年半で7000万円を超える受注を獲得しています。その受注の多くが電池を製造するプロセスで使用する、熱処理炉の筐体の製缶加工です。

営業DXについては、前回の本コラムでも関東製作所様の取組みを、Youtube動画で共有させていただきました。前回のコラムでもお伝えした通り、同社では年間3億円もの新規開拓受注に営業DXが貢献しています。

CXとは何か?ずっと業績不振だったアムトラックの業績が上がった理由

結局、EVシフトもそうですが、従来やったことが無い仕事をやるとなると、新しいサプライヤーを探す必要があるということです。新しいサプライヤーを探す際に、今、バイヤーが最も活用している手段がインターネットです。
そして、ここで強く意識しなければならないことは、従来リアルで行っていたことをデジタルに置き換えるということです。

例えば、新規取引をスタートするとなると、必ずバイヤーはサプライヤーの工場見学を行います。
通常、この工場見学はリアルで実施されますが、それをデジタルで実施できる様に自社でYoutubeチャンネルを立上げ、「バーチャル工場見学」をコンセプトに工場内の設備動画をアップしておくわけです。
我々の新規顧客となり得る大手企業では、バイヤーが出張するにも社内で承認を取る必要があります。その際に、そのバイヤーが「このYoutubeチャンネルに上がっている新たなサプライヤーの工場見学に行きたいので出張してよいですか?」と、社内で話を通しやすくするために、バーチャル工場見学を具現化したYoutubeチャンネルが有効なのです。

これも「営業DX」の一部です。

DXとは、デジタル・トランスフォーメーションの略語ですが、要は「ビジネスプロセスの全て、あるいは一部をデジタル化して、顧客体験(=CX)を高めていく取組み」なわけで、前述の様に、従来はリアルで行っていた工場見学を、デジタルでも行える様にする、といったことも立派な「営業DX」の一環です。

またCXというのはカスタマー・エクスペリエンス(=顧客体験)の略語で、要は顧客の立場にたってビジネスモデルを考える、ということです。
アメリカにアムトラックという鉄道会社がありますが、近年、このアムトラックの業績が上がっているそうです。鉄道会社がCXを良くする、というと、「座席を乗り心地よくする」とか「車内販売を充実させる」など、鉄道内でのサービスに目が行きがちですが、CXの観点で考えると全く違ったことになります。
CXの観点で考えると、お客にとって旅行は鉄道に乗る前からスタートしており、米国の場合は最寄り駅まで車で移動するわけです。そうすると「駅の近くに格安の駐車場を準備しておく」「こうした駐車場を見つけやすくする」「ネットで駐車場の予約ができる様にする」ということになります。

いかがでしょうか。CXの観点にたって考えると、顧客を自社に惹きつけるための施策が、まるでかわったものになることがよくわかります。

繰り返しになりますが、バーチャル工場見学が可能はYoutubeチャンネルも同じことです。
大企業の中のバイヤーにとって、「新しいサプライヤーを発掘する」という行為の強力な後押しになるわけです。その大企業の中の会議の中で、「こういう新しいサプライヤーがあります」「ここは有望なポテンシャルサプライヤーだと考えられます」「いちど工場見学に行きたいのですが」と、稟議そのものを上げやすくなるわけです。しかもYoutubeチャンネルの立上げであれば無料で行えます。
動画もプロの業者に頼むことなく、個人持ちのスマートフォンで動画を撮影して、無料の動画編集ツールで編集すれば、それで充分に事足りるPR動画が完成します。

「脱」自動車(=内燃機関)マーケットと、成長産業からの受注を実現する方法

これは「営業DX」の中のほんの一部の話ですが、「営業DX」とは言い換えれば、私たちがターゲットとする、

・EV関連企業
・電池関連企業
・これから成長が見込まれるカーボンニュートラル 他 の関連企業

など、こうした成長産業のバイヤーのCX(=顧客体験)を高めていく行為に他なりません。

そして今回、前述の関東製作所 代表取締役 渡邉 章 氏を特別ゲスト講師として、先ほど述べたEVマーケットも含む、成長分野開拓を目的とした「部品加工業「脱」自動車マーケット戦略セミナー」を、来る2024年2月19日(月)に、船井総合研究所 五反田オフィス(東京会場)にて開催いたします。
(関東製作所 代表取締役 渡邉 章 氏は動画でのご登壇となります)

前回のコラムでご紹介した動画の通り、従来の自動車マーケット(=内燃機関)ではない成長産業に対しての新規顧客ノウハウはもちろん、前述の「営業DX」の全体像を理解されたい方にお奨めのセミナーです。

冒頭に、2024年は新旧対立の年?と述べましたが、旧来の内燃機関からEVへのシフト、あるいは従来の炭素主体の社会から脱炭素・カーボンニュートラルへの流れが加速する、という文脈で捉えると、それも新旧対立なのかもしれません。

本セミナーの詳細は下記URLからご覧いただけます。
ぜひ皆様にも、ご参加をご検討いただければと思います。

↓↓↓部品加工業「脱」自動車マーケット戦略セミナー の詳細・お申込みはこちらから!

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/108654

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