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片山和也の生産財マーケティングの視点【“きちんとした会社”が求められる】

最近、コンサルティングの現場で感じることは“きちんとした会社”
が市場から求められている、ということです。

例えば私の関係先の某セットメーカーは、設備を売るだけでなく設備
メンテナンスも受けることで、設備が売れない不況期はメンテナンス
だけで利益が出せる体質になっています。先般、ある大手企業から複
数台の設備メンテナンスを受注し、10名のメンテナンス要員を派遣
しましたが、その大手企業から評価された最大のポイントは「みんな
同じ制服をきている」ということでした。

今まで、その大手企業では地元業者をメンテナンスに使っていたので
すが、設備が停止する連休中にまとめて設備メンテナンスを行なうと
きには、出入りの業者が仲間の業者を引き連れてくるわけです。仲間
の業者ですから制服もバラバラ、ひどい作業員になるとくわえタバコ
で作業をしている、作業報告書の文章もおかしい、など“きちんとし
ていない”わけです。
今まではそれでOKだったのかもしれませんが、今の時代には特に大
手企業ではいい加減なことは敬遠されるということです。

消費財の業界では既にこうした動きは起きています。例えば自転車店
チェーンで業績を伸ばしている「あさひ」という会社があります。町
の自転車屋が衰退しているのに対し、同社が伸びている背景には自転
車の修理をするにも「きちんとしたところにお願いしたい」という消
費者の心理があると思います。
例外はあるのかもしれませんが、個人商店の接客対応はレベルの低い
店が大半です。特に二代目個人商店はひどいものです。
大手チェーン店は価格優位だけで優位に立っているのではなく、組織
的オペレーションを前提とした教育がきちんとしているから優位に立
っているわけです。イオンも管理が行き届く範囲の事業規模の時には
業績好調でした。ところが事業規模が拡大するうちに、オペレーショ
ンが行き届かない店舗が多数でてきました。つまり店長のレベルが低
いわけです。売り場にホコリがたまっている、通路にダンボールが置
かれている、欠品がある、安くみせかけて実は高い、など。そうした
結果、地域密着型の地元チェーン店に客を奪われるという現象が全国
で起きています。

要は価格勝負ではないのです。

先日、私の顧問先のあるベテラン経営者が地元の青年会議所で講演を
したのだそうです。すると「景気が悪いからダメだ」「人件費の安い
海外に出ないと勝負できない」といったネガティブな意見が多かった
と嘆いていました。そのベテラン経営者は「景気が悪いとか世の中が
悪いとか言ったとこでしょうがないでしょう。彼らはわかっていませ
んね」と言われていました。

今は超円高で不況と言われますが、儲かっている会社は儲かっていま
す。そのベテラン経営者の会社も今月は過去最高の受注を記録しまし
た。もちろん、その会社もきちんとしています。こうした経営者・リ
ーダーの意識の問題、そして小さなことの積み重ねが激動期の企業の
二極化につながるのではないでしょうか。

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