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片山和也の生産財マーケティングの視点【来るべき不況を乗り越える体質改善策とは】

リーマン・ショックによる世界同時不況が本格化したのは2009年
でした。2008年9月のリーマン・ショック後、11月にはJIM
TOFがありました。その時には「年明けには持ち直すだろう」とい
った見方もありましたが、2009年2月からの未曾有の落ち込みに、
不況の長期化を覚悟したわけです。

今、目先の景気は新興国の生産財需要に支えられて堅調ですが、
北米・・・ドル切り下げリスク
 欧州・・・国家破綻リスク
 中国・・・インフレ・内乱リスク
など、歴史的にみても前例の無いリスクが世界3極で見られるわけで
す。歴史的にいってこうした経済の問題は、常に戦争によって解決が
図られてきました。しかし今や世界は、少なくとも先進国間において
は戦争による解決など考えられません。そうした意味で、歴史的に経
験したことのない大きな変化が、ここ3年で起きると考えておく必要
があります。

そして来年2012年は40年に一度のポリティカルサイクルの年で
す。ポリティカルサイクルというのは、米国・ロシア・中国・フラン
ス・ドイツ・イギリス・台湾・韓国といった世界中の主要国の指導者
が交代する年です。オバマ大統領の就任時もそうでしたが、新政権と
いうのは経済施策を打つものです。そう考えれば少なくとも2012
半ばまでは、今の景気が続くと考えてよいと思います。

問題はその後です。2013年、2014年をどう乗り越えるかが、
これから経営的に大きなテーマでしょう。
リーマン・ショックの際の経験からその対策を考えると、
1)絶対的な一番の商品・分野をつくる
2)ベース体質をつくる
3)新規開拓ビジネスモデルをつくる
の3つになるでしょう。

一番をつくるためには自社の「長所」が何なのかを明確にした上で、
その長所を磨き込み、独自固有の長所にまで高めていくことが必要で
す。その長所は 技術・商品・人材・顧客 あらゆる角度で考えるこ
とが必要です。

ベース体質とは、例えば設備メーカーで言えば、設備そのものは「ス
ポット」の商品です。つまり頻繁に売れるものではありません。です
から「ベース」になるような商品をつくるということです。
例えばメンテナンス・修理・レトロフィット・部品供給 などを挙げ
ることができます。
設備メーカーの人というのは「メンテは割に合わない」「リスクがあ
る」と考えがちです。しかし体質改善というのは、いわば痛みを伴う
ものです。「ウチには無理だ」「この業界は特別だ」と思うことほど、
実はとても大切なことなのです。

そして「一番商品」「ベース商品」をつくった上で、新規開拓ビジネ
スモデルをつくることが求められます。リーマン・ショックの際も新
規開拓の売上比率(取引開始から1年以内の数字)が5パーセントを
超えていた会社は、業績が落ちませんでした。

「ウチには無理だ」「それはリスクがある」「割に合わない」そう思
われることを確かな成功事例を元に克服することこそが、不況を乗り
切るための体質改善なのです。

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