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片山和也の生産財マーケティングの視点【今、伸びている会社の共通点(1)】

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中国特需もあり、また北米の消費も回復基調にあることから、景気も
回復基調にあるように思えます。
そうした中、今、伸びている会社には次の共通点があります。
(1)独自技術を持っている
(2)サイクル商品を持っている
(3)トップが商品(あるいは技術)に詳しい

例えば、景気が回復基調にあるとはいえ、これらは基本的に外需に支
えられているものです。国内の設備投資については各社慎重な状況が
続いています。いわゆる年間で利益を出すために、上期を慎重に見極
め、設備投資を下期に検討する動きが全体的に見られます。

こうした状況で最もダメージを被るのが設備をてがけるセットメーカ
ーであるといえます。特に図面支給に近い形で、これといった独自技
術を持たない会社は、いまだ苦戦を強いられています。

セットメーカーのつくる設備の基本機能は搬送です。搬送プラスアル
ファで、何らかの独自技術をもっている会社は比較的好調であるとい
えます。例えば私の顧問先で、セラミックスの熱処理について深いノ
ウハウのある熱設備メーカーは、ピーク時と変わらない受注を抱えて
います。また自動車ラインのリークテスターで独自技術をもつ某セッ
トメーカー、また直径8mを超えるワークを旋削する能力の大型工作
機械メーカーも業績は好調です。

仮に「独自技術が無い」のであれば、つくらなければなりません。例
えば私の顧問先の某部品加工会社は、機械設計者向けにコストダウン
につなげるための設計のポイントを伝えるソリューションサイトを立
ち上げました。ローコストに機械をつくるためには、加工工程まで考
慮した設計が必要です。例えばシャフトのRが、切削工具のノーズR
と一致していれば、刃物をプログラムで走らせることなくR加工が行
え、コストダウンにつながります。この会社では営業が、客先から図
面をもらうごとに「ここのRは0.3にしていただければ安くなりま
すよ」などとアドバイスを行い、設計の最適化を現場でおこなってい
たわけです。
この会社の持つ設備は、特別なものではありません。ですから一見す
れば独自技術は無いように見えます。しかし実際には、このようなア
ドバイス機能をはじめとする“見えない”独自技術を持っていたので
す。それを「見える化」したのがソリューションサイトなのです。
こうした機械設計者向けのコンテンツが好評を博し、同社にはWeb
サイト経由で、ほぼ毎日資料請求が発生しています。
こうした積極的な姿勢もあってか、同社にはキャパを超える仕事が集
まっています。仕事がさばききれないため、部品加工業のネットワー
クであるNCネットワークに投げたところ、すぐに20社もの下請け
企業から連絡がきたそうです。この20社は、仕事が無いのでしょう。

つまり仕事があるところと無いところと、二極化しているということ
なのです。

独自技術が無ければ新たな仕事をとることはできません。独自技術が
無いと感じるのであれば、つくればよいのです。船井流経営法の中心
概念として「長所伸展」という考え方があります。つまりその会社の
長所を見つけ、そこを伸ばすということです。
そもそも会社というのは存続が難しいもので、毎年20万以上もの会
社が生まれると言われますが、次の年まで存続できる会社は半分も無
いといいます。さらに5年後まで生き残っている会社は20%以下で
あると言われています。つまり創業してから現時点まで存続できてい
る時点で、何らかの独自技術を持っているということです。
問題は、それが外から見えるかどうかということなのです。

ぜひ自社の独自技術を認識・発掘し、それを強化していただきたいと
思います。

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