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片山和也の生産財マーケティングの視点【重要成功要因】

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あらゆるビジネスには重要成功要因と言われるものがあります。重要

成功要因はKFS(キー・ファクター・オブ・ビジネス)とも言われ

ますが、自社のビジネスにおいて何がKFSなのかを認識することが

非常に重要になります。

例えば自動車販売におけるKFSは「試乗」をさせるということです。

試乗をしたお客の20~40%の人が、その車の購入に至ります。ハ

ーレーダビッドソンが日本でシェアを伸ばした要因も、「バイクを倒

しても保険でカバーしますから試乗をしてください」という販促にあ

ります。いきなり高価な車を売ろうとしても、それは簡単に売れるも

のではありません。しかし「試乗」に持ち込むのであれば、具体的な

アクションに落とし込むことが可能です。

同様のKFSとして「デモ機貸し出し」があります。この手法で成長

した代表例がセンサーメーカーのキーエンスです。やはりお客の心理

として、新しいものを購入するのに失敗したくありません。デモ機を

借りることができれば事前に検証が可能ですし、良ければそのまま購

入することもできます。

車の場合と同じで、いきなりセンサーを売ろうとしてもハードルが高

いですが、「デモ機を貸しますよ」というアプローチであれば具体的

なアクションとして落とし込むことができるでしょう。

このように自社のKFSが何なのかを見つけることができれば、具体

的な行動目標として、あらゆる社員にテーマ設定が可能になります。

製造現場でいえば「5S」がそうですし、小売業の現場であれば「明

るい挨拶」ということになります。

先日、NHKの番組で小売業の再建を専門としているコンサルタント

が特集されていました。彼のコンサルティング手法は、クライアント

先店舗の覆面調査を実施して、お客への「挨拶」ができているかどう

かを調べます。そして最も「挨拶」が実施できていない店舗に対して

指導を行うという手法なのです。

パートやアルバイトを中心とする小売業の現場スタッフに対して、売

上目標を設定しても物理的・スキル的に落とし込むのが難しいでしょ

う。しかし「明るくお客さまに挨拶をしてください」ということなら、

落とし込むことが可能です。

現場リーダーの役割は、このように現場のラインに落とし込むことが

でき、かつ実効性の高いKFSを徹底させていくことでしょう。

あらゆる企業に共通する、戦略的KFSとしては「新商品の投入」が

挙げられます。例えばエクセレントカンパニーの代表格である3M社

の場合、常に売上高の25%が過去5ヵ年に発売した新商品の売上高

となるような目標を持っています。測定機メーカートップのミツトヨ

の場合は、過去3ヵ年に発売した新商品の売上比率が30%以上とい

う目標です。

自社のKFSが何なのかを把握し、現場が即行動に落としこめるよう

な具体的目標を掲げることこそが、今トップに求められる最重要の課

題であると言えるでしょう。

 

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