注目のキーワード

連載:なぜ御社のSFAは、うまくいかないのか?(2)

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

SFAを導入しても「うまくいかない」3つの理由とは?

前回のコラムではSFAを導入してみたはものの、次の様な“悩み”を抱えている会社が多い、というお話をさせていただきました。

<多くのSFA導入企業の悩み>

悩み1:SFAの導入が、自社の業績アップに貢献していない、あるいはよくわからない。

悩み2:そもそも現場で事実上、使われていない(入力率が上がらない)。あるいは使うことが目的となって
しまっている。

悩み3:SFAが自社の業務にマッチしておらず、カスタマイズしたいのだが費用が高すぎてカスタマイズ
できず、そのままにしている。ベンダーに相談しても「仕事の進め方を変えてください」と一方的
に言われるだけで困っている。

悩み4:現場はかろうじて入力してくれているが、営業マネージャーがSFAを使いこなせていない。つま
り、SFAを活用した営業指導ができていない。

悩み5:毎月の費用が高い。高いことは導入時から気にはなっていたが、費用対効果(成果)がハッキリし
ないことから、最近それが特に気になっている。

では、なぜ、この様な“悩み”が発生してしまうのでしょうか?
こうした“悩み”が発生する原因は大きく次の3つです。

<SFAがうまくいかない3大原因>

原因1:実はSFA導入の目的が不明確である。

原因2:「パッケージ神話」に流された結果、実はSFAが自社の業務にマッチしていない。

原因3:“SFA成功の方程式”を押さえたSFAになっていない。

“SFAがうまくいかない3大原因”について、それぞれ細かく述べていきたいと思います。

SFA導入の本当の目的は「営業PDCA」を回すこと!

原因1:実はSFA導入の目的が不明確である

目的が不明確なまま、とにかくツール(SFA)を導入してしまう、というケースが多いといえます。
まず、SFAを導入する本来的な目的は、

・営業PDCAが回り、自社の営業の生産性を高めていく

と、いうことになります。そして「営業PDCA」を回す場が、『営業会議』ということになります。
つまり繰り返しになりますが、『営業会議』の目的は“報告会”ではなく、「営業PDCA」を回す場でなければならず、SFAはこうした「営業PDCA」を回すためのツールになっていなければならないのです。

そして、この「営業PDCA」を回すための管理(=マネジメント)方法としては主に次の3つがあります。

方法1)行動管理
方法2)商談管理(案件管理)
方法3)先行管理

ここでポイントは、上記の方法1)~3)全てをいきなりSFAに載せるのではなく、自社が管理可能な要素のみをSFAに載せた方が良い、ということです。

まず「行動管理」というのは、
・営業担当者の行動予定表、実績表
・日報
で行うケースが大半です。
いわゆる「売れない営業担当者」というのは、「その日の予定をその日に立てる」という傾向があります。営業力向上の第一歩は、営業担当者にきちんと“1ヶ月前”“1週間前”の行動予定をしっかりと立てることですが、それを管理に落とし込んだものが「営業担当者の行動予定表、実績表」ということになります。

そして営業担当者が「客先で何をやっているのか」「そもそも行くべき先に行っているのか」を上長が把握して、部下にアドバイスを行うための材料が「日報」ということになります。

比較的、営業管理ができていない会社だったとしても、日報や行動予定表による管理など、「行動管理」を行っている会社は多いと思います。

ところが「商談管理(案件管理)」となると、できていない会社が多いといえます。
なぜなら、
a)取り扱っている商品の単価が低くて案件の数が膨大であるので、とてもではないが全て入力できない
b)営業担当者が「そんな時間は無い」「そんなことは営業の仕事じゃない」と、やろうとしない
と、いった壁にあたっているケースが多いからです。

ちなみに「営業PDCA」を本来的に回していこうとすると、この「商談管理(案件管理)」は必須です。

ただし、上記a)の様なことが問題になる理由は、例えば「案件の中でも●万円を超える案件については入力する様にする」といった様な、社内ルールが未整備であることが原因です。
また、上記b)の様なことを営業担当者が発言するというのは、先ほど述べた「社内ルールが未整備」という問題もありますが、それ以上に「営業PDCAを回すことの必要性を動機付けすることができていない」ということに尽きます。

もっというと、「営業PDCA」を回すためには、次の3ステップを踏むことが必要です。

ステップ1:先行管理
ステップ2:差額対策
ステップ3:実行支援

先行管理というのは、3~6ヶ月先までの、目標(営業予算)に対しての受注・売上見通しを立てる、ということです。先行管理を行うことにより、3~6ヶ月先の「目標(営業予算)に対して、見通しがいくらくらい足りないのか?」が明確になります。これが“差額”であり、この足りない“差額”をいかに埋めていくのか、が、「差額対策」ということになります。
「差額対策」としては次の様な方法があります。
・訪問件数を増やす
・上司との同行、メーカーとの同行を増やす
・上司の指導により、訪問先そのものを見直す
・何らかのキャンペーンをうつ
・その他
と、いった具合です。

そして「差額対策」は個人任せにするのではなく、会社として組織的に取組んでいく必要があります。
上記で言えば「上司との同行」「何らかのキャンペーン」等がこれにあたりますが、こうした組織的な差額対策へのサポートのことを「実行支援」といいます。

繰り返しになりますが、営業会議の本来の目的とは「営業PDCAを回すこと」であり、営業PDCAを回す、とは具体的に、
ステップ1:先行管理
ステップ2:差額対策
ステップ3:実行支援
を、回す、ということです。

そして本来的に、「商談管理」ができていなければ「先行管理」はできません。

“あるべき論”よりも、自社の実情に合わせたSFA導入を考えよう!

しかし実務的、実際的には「商談管理(案件管理)」を今まで行っていない会社が、急にそれをSFAで行おうとすると、現場が大きく混乱するケースが多々あります。
まずはSFAで「行動管理」からスタートして、徐々に「商談管理」を行っていくという進め方もあります。

いずれにせよ、SFAを導入する本来の目的は「営業PDCAを回すため」であって、よく言われる「営業の見える化」というのは、営業PDCAを回すための手段に過ぎません。

こうした思想背景が、御社のSFA、あるいはSFA導入に反映されていなければならないのです。

次回に続く~

<動画でわかる!SFA導入の成功事例!>
「Zoho導入で、社員数そのまま売上1.5倍!」
大阪府岸和田市に本社を置く生産財商社、株式会社藤浪様(従業員13名)では、Zoho(ゾーホー)の
導入を通して営業DXに取組み、社員数そのままで売上1.5倍という成果を上げられています。詳しくは
下記から同社社長へのインタビュー動画をご覧ください。
↓↓↓↓↓

 

「なぜZohoのSFAはこんなに使いやすいのか?」
また、同社では従来は紙ベースで行っていた日報管理を、Zoho上に実装して全社員でSFAの運用を
行い、成果につなげています。なぜZohoのSFAは、現場の社員も使いやすいのか?
下記URLから実際の、同社複数の営業担当者へのインタビュー動画をご覧ください。
↓↓↓↓↓

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

関連記事

アクセスランキング

製造業・工場経営.comを運営する船井総合研究所が提供する各種サービス

ものづくり経営研究会オンデマンド
ものづくりグロースクラウド

無料経営相談の
お問い合わせ