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競争力ランキング1位のスイスは工業国!製造業に力を入れるべき理由を解説!

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製造業が強い国は競争力が高い

あまり知られていないことですが、国際的に高い競争力を維持している国というのは、実はGDPに占める製造業の割合が高いのです。
GDPに占める製造業の割合に関するデータを以下に示します。

  • 日本     20%
  • 米国     12%
  • 中国     40%
  • 韓国     28%
  • ドイツ    25%
  • スイス    27%
  • シンガポール 21%
  • イギリス   18%
  • フランス   14%

スイス、ドイツ、中国の3カ国について解説すると、スイスは世界競争力ランキング1位ですが、実は製造立国であることが上記からよくわかります。
またドイツは欧州で唯一の勝ち組であり、先進国の中ではGDPに占める製造業の割合が突出しています。
GDPの順位が世界2位であり、経済成長率が著しい中国も製造業の割合が非常に高いです。
つまり製造業が強い国は競争力が高いことがよくわかります。

学校での一般的な知識として、経済の発展とともに農業(第1次産業)から工業(第2次産業)、そしてサービス業(第3次産業)にシフトする、と言われますが実際には工業(製造業)が大切なのです。

しかし実際の我が国の足元を見ると、製造業はどんどん新興国にシフトし、国内の産業は空洞化しています。
円安で多少業績は回復してきたもののソニーはまだ苦戦中、シャープも安定的な業績とは言い難い状況です。

さらに部品加工業に代表される零細・中小の下請け企業に目を移すと、現在は「忙しいけど儲からない」という状態に陥っています。
確かに円安により大手企業の生産は増加しています。
その結果、下請け企業にも仕事は回ってきていますが、リーマン・ショックをきっかけに受注単価が下がり、さらに小ロット・短納期要求が追い討ちをかけ、「忙しいけど儲からない」という状況に陥っているのです。

では、なぜそういった状況に陥っているのでしょうか?
それは全ての先進国が直面してきた産業構造の変革にあります。
つまり産業が成熟し、経済が発展してくるとモノづくりの主流が自動車・家電といった「消費財」から、医療機器・エネルギー・航空機に代表される様な「生産財」にシフトしていかなければ、ならないのです。
事実、かつて家電メーカーであったオランダのフィリップスやアメリカのGEも、ここ20~10年かけて事業分野を消費財から生産財にシフトしていきました。
また自動車生産についてもドイツ国内では高級車の生産しかしていませんし、アメリカ東部に至ってはほぼ生産もされていません。

様々な課題を抱える日本のモノづくりですが、最初に述べた通り国の競争力を高めていく上で強い製造業が不可欠です。
今、製造業にとって必要なことは時流に対応し、時流に沿った付加価値を提供していくことなのです。

 

製造業はホームページこそ最強の営業マン

前回のレポートでも述べましたが、スイスやドイツなど高い競争力を有する国は製造業が強いという事実があります。
そしてこれらの国々は町工場の様な零細・中小製造業であっても強い営業力があります。
例えば従業員10名くらいの町工場であったとしても、100社近くの取引先を持っており、特定顧客への依存度は高くても15%を超えないケースが一般的です。
理由としてドイツやスイスには「マイスター制度」があり、町工場の親方は国家試験であるマイスターを持っています。
このマイスター(技能者)は登録制で、大企業のエンジニア(技術者)や、大学のサイエンティスト(科学者)と有機的につながっています。
このつながりの中で彼らは口コミで情報を獲得し、仕事を獲得しているのです。
ところが日本の場合は従業員が100名近くの中堅工場であっても、親会社1社への依存度が90%を超えているのもザラです。
営業力も弱く、営業担当者すら置かれていないケースが多々あります。
今までは大手メーカーを中心とした“ケイレツ”に守られ、右肩上がりの成長率の中での経済下ではそれでも問題ありませんでした。
しかし今は親会社も協力会社を守る余裕が無くなり、ケイレツが崩れる中、町工場といえども自力で新規顧客を獲得する力が必要になっているのです。

そうした中、町工場が取り組むべき営業力強化の第一歩は「仕事が取れる」サイトやホームページを立ち上げることです。
特に製造業の場合は他のあらゆる業種と比較してもサイト・ホームページ作成が有効です。
なぜなら仕事を出す側の大手メーカーにとって、新たな業者を探す第一の手段がインターネットだからなのです。
例えば「タングステン」という非常に硬い材料があります。
もし仕事を出す側が、このタングステンを加工できる業者を探そうとするならば、普通は検索エンジンで「タングステン 加工」と検索するでしょう。
この「タングステン 加工」というキーワードで、グーグルでは月間400件以上検索されています。
キーワードごとの月間検索数は、グーグル等が提供するツールで誰でも無料で調べることができます。
こうしたツールを活用して、自社の持つ技術に、世の中でどれくらいニーズがあるのかを調べることが第一歩です。
そして営業マンを雇う1ヶ月分の人件費くらいのコストをかければ、ニーズに沿った情報や製品を掲載し、毎月数十件の引合いを獲得できるサイト・ホームページを作成することができます。
2019年に発生したコロナウイルスによる影響による商談の場の移り変わりや、様々なDX活動における業務のデジタルツールの利用も相まって、今ではもう営業活動における主要の場がインターネット上になっています。
そのため、町工場において、サイト・ホームページこそ最強の営業マンと言えるでしょう。

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「価値観」の合う顧客と付き合うことが収益性を上げる

今、多くの製造業が「忙しいけど儲からない」という状態にあります。
その理由の大半が単価の下落によるものです。
では、いかにして自社の単価アップを図り、利益率を向上させていったら良いのでしょうか?
その答えは「価値観」の合うお客とお付き合いすることです。

世の中には様々な価値観のお客がいます。
例えば「安ければ何でもよい」と、他社が作成した図面をバラ撒き、とにかく安い見積りをしてきた先に仕事を出す会社があります。
あるいは「価格よりも品質・信頼関係を重視します」「困った時に相談ができる技術的なパートナーが欲しい」という基準で取引先を決める会社もあります。

当然のことながら「安ければ何でもよい」という価値観の会社とお付き合いすると、価格競争に巻き込まれます。
特に価格競争の回避が必須の中小企業としては、後者の「品質」「信頼関係」「提案能力」を重視してくれるお客とお付き合いしなければなりません。

多くの場合、後者の価値観を持っている会社には下記の特性があります。

1)成長産業あるいは好不況に左右されにくい業界である
2)業界の中で高いシェアを有している
3)新商品開発に熱心である
言わば、客先自身が好調でかつ前向きな会社と付き合わないと、いつまでも価格競争から抜け出せない状況に陥るということなのです。

こうした好調な業界というのは現在では「医療機器業界」「三品産業(食品・医薬品・化粧品)」「エネルギー業界」「環境インフラ業界」等を挙げることができます。
そしてこれらの業界には従業員が数百人から数千人の中堅優良企業が多数存在します。

例えば従業員が数万人から数十万人もいる様な超大手企業だと、ほとんどの問題に対して社内で自己完結が可能です。
ところが従業員が数百人から数千人の中堅企業のレベルだと、いかに優良企業であったとしても、外部パートナーの手を借りないと自己完結できないテーマが多数あります。
その代表格がVA・VE提案です。

例えば先日の話ですが、私のコンサルティング先(機械加工業:社員35名)が、中国地方のある中堅企業A社(社員600人)と新規取引を始めることになりました。
A社の購買担当者からは「御社の様な相談できるパートナーを探していました」と高く評価され、取引開始から数ヶ月で月500万円を超えるベースになりつつあります。
この中堅企業A社は世間にはほとんど知られていませんが、ここ数年は毎年2割成長する様な優良メーカーです。

円安や国内人口減少などの背景もあって多くの製造業が国外に目を向けている様です。
しかし国内でやるべきことも、まだまだたくさん残っているのです。

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