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2024年5月の時流とその対策(2): 新聞報道だけではわからない真実への理解

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新聞報道だけではわからない真実とは?

先日の日本経済新聞の報道によれば、米国の大手量販店であるウォルマートがこの2~4月期で6%の増収となり売上が約25兆円、純利益は前年同期比で3倍にもなったといいます。

その要因は高所得層の取り込みです。同紙によると「インフレが長引く米国で必需品を割安に取り込もうとする高所得層を取り込むことができた」と、あります。

しかしこれは「事実」かもしれませんが「真実」ではありません。

この報道だけをみると「なるほど、米国の高所得層ですら必需品を割安に取り込もうとしているのか」「やはり価格競争力だな」という理解になるのではないでしょうか。

実際に米国に行って、ウォルマートの取組みを目の当たりにすると、この報道では語られていない「真実」を知ることができます。

それは、ウォルマートが取組むDXです。

ウォルマートではアマゾンに対抗するため、10年ほど前から“カーブサイド・ピックアップ”というDX施策を導入しており、現在では全米の全店舗に導入されています。

カーブサイド・ピックアップとは、EC(ネット通販)とリアル店舗での買い物を融合したサービスです。

このサービスを活用すると、お客は店舗に行く前にパソコンあるいはスマートフォン等で商品の選定を行い、決済を事前に済ませることができます。

その後に車でウォルマートに行き、駐車場の指定エリアで待っていれば、ウォルマートの店員が事前に決済が終わった商品をデリバリーしてくれて、車のトランクに商品を入れてくれる、というサービスが“カーブサイド・ピックアップ”なのです。ちなみに“カーブサイド”とは“道ばた”という意味です。

一度でも米国のウォルマートに行けばよくわかりますが、同社はどちらかというと低所得層向けのスーパーマーケットです。従って客層も必ずしも品が良いわけではなく、駐車場にはボロボロの車がとまっていたり、トイレがよく故障していたり、そうしたイメージです。

その結果、従来はトラブルに巻き込まれることを警戒して、高所得者はウォルマートでは買い物をしない、というのが今までのパターンでした。

ところがウォルマートのDX施策である“カーブサイド・ピックアップ”を使用すれば、店舗に入ることなく、もっといえば車外に出ることなく買い物をすることができます。

こうした背景があり、従来はウォルマートを敬遠していた高所得者を取り込むことに成功して、その結果前述の通り増収増益に成功したわけなのです。

つまり“ウォルマートが高所得者の取り込みに成功した”“その理由はインフレだから”というのは「事実」です。しかし実際には“カーブサイド・ピックアップというDXによって、従来はウォルマートを敬遠していた高所得者が来店する様になった”というのが「真実」なのです。

よく「現場・現物」といいますが、「自分自身の目で現場をみる」というのは非常に重要なことです。

また関連した話でいえば、ネット通販の世界的大手であるアマゾンは、米国のホールフーズというオーガニック(有機食品)を売りにしている中堅スーパーチェーンを買収しました。

その理由はネットとリアル店舗の融合だといいます。

そしてなぜ、アマゾンがホールフーズを買収したのかというと、ホールフーズは比較的高所得者の顧客が多いからです。日本の報道だけみていると、“オーガニック”というと一部の健康志向の高い人たちばかりがお客の様に感じます。

しかし米国の場合は必ずしもそうではありません。

例えば前述のウォルマートの生鮮売り場に行って牛乳を手に取ると、なんと賞味期限が1ヶ月もあることに驚かされます。米国の場合は国土が広大なため、普通に物流のことを考慮すると防腐剤を大量に使用して、賞味期限を長くせざるを得ないわけです。

あるいは農業も機械化されているので、日本では考えられない様な農薬の使い方をしています。実際に米国ではラウンドアップという除草剤が発癌の可能性が高い、ということが社会問題になり大量訴訟も起きていましたが、こうしたこともその一端といえます。

従って必ずしも健康志向が高い人たちだけでなく、限りなく普通の感覚を持っている人たちもオーガニック(=農薬・防腐剤を使用していない)食品に関心を持つ、というのが米国の実態なのです。

こうしたことも現地に行かなければわからない「真実」です。

ちなみにホールフーズの場合はオーガニックということを売りにしているだけでなく、サラダのはかり売りやスープのはかり売りなど、また手切りのローストビーフや様々な料理など、いわゆる「総菜」を全面的に売りにしています。そしてこうした「総菜」にあったワインの品揃えも豊富で、家に持ち帰れることはもちろん、店内のイートスペースで食べることもできます。

価格勝負で「機能」を売るウォルマートに対して、オーガニックや総菜、あるいはワインの品揃えといった「価値」を売ることで価格競争を回避するホールフーズの戦略は、小売業のみならずあらゆる業種の経営者が示唆を得ることができるのではないでしょうか。

シリコンバレーの最新情報からAIテック技術の最新動向を知る方法

今年も2024年9月8日(日曜日)~14日(土曜日)の1週間、恒例の船井総合研究所の米国視察セミナーが開催されます。今回はシリコンバレーの最新情報と、AIテック企業などを学びに行くことが大きな主旨となりますが、この視察セミナーは毎回100名を超える経営者の方が参加されています。

私の関係先のお客様も毎回多数参加されていますが、この視察セミナーに参加される経営者の共通点として、

・既に成功している
・参加した後、大きく成功している

ということです。

海外から、普段は絶対に見ることができない視察先から大きな示唆を得ることができるのはもちろんですが、全国のモチベーションの高い100名を超える経営者仲間との出会いも大きな示唆・気づきになっています。また、やはり、普段は中々話をする機会がない、船井総合研究所のトップコンサルタントとにも、この視察セミナーに参加すれば日々話をすることができます。それも大きな示唆・気づきになるのではないでしょうか。

なお、過去の米国視察セミナーの様子(2019年秋・シアトル・サンフランシスコ・サンノゼ)の様子も、下記URLからご覧いただけますので、本視察セミナーへのイメージを持っていただければと思います。

【1日目】2019年9月 米国グレートカンパニー視察セミナーの様子
https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/uncategorized/9203/

【2日目】2019年9月 米国グレートカンパニー視察セミナーの様子
https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/uncategorized/9240/

【3日目】2019年9月 米国グレートカンパニー視察セミナーの様子
https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/uncategorized/9262/

【4日目】2019年9月 米国グレートカンパニー視察セミナーの様子
https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/uncategorized/9279/

【5日目】2019年9月 米国グレートカンパニー視察セミナーの様子
https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/uncategorized/9300/

前述の通り、今年2024年 9月8日(日曜日)~14日(土曜日)にシリコンバレーで開催される視察セミナーも、今、続々とお申込みが入ってきております。
(定員100名のところ、現時点で41名のお申込み)

今回のお申込みペースをみておりますと、今年の視察セミナーも間違いなく満席になることが予想されます。

今年開催のシリコンバレー視察セミナーも、下記URLから詳細の確認・お申込みができますので、ぜひお早めにお申し込みをお願いできればと思います。

もちろん、本視察セミナーには私、片山和也も講師として参加予定ですので、ぜひ皆様とも米国でお会いしたいと思います。詳細は下記URLをご覧ください。

※なお今回は、シリコンバレーだけでなくロサンゼルスも視察します。そしてオプションとはなりますが、
夜はロサンゼルス・ロジャース(=大谷翔平選手が在籍するチーム)と、シカゴ・カブスの試合観戦も
企画しております。これも貴重な機会だと思いますので、合わせてご検討ください。

↓↓↓2024年秋・驚きの米国シリコンバレー視察セミナーの詳細・お申込みはこちら!!


https://global.funaisoken.co.jp/in_session/in_session-626-2-4

【概要】
日程:2024年9月8日(日)~9月14日(土)<7日間>
視察地:米国カリフォルニア州・シリコンバレー(サンフランシスコ・サンノゼ)・ロサンゼルス

主な視察先:
・グーグル(アルファベット) 新社屋
・Juniper(先端AIテック企業)
・ZOOM(サンノゼ本社) リモート会議システムだけでなくオフィスの自動化ソリューションの数々
・ZOHO(シリコンバレー・Pleasantonオフィス)
・ロサンゼルス・ドジャース(本拠地の視察と講演、希望者には試合観戦もご用意)
・その他 先端AIテック企業 等 の視察を予定
※現在、視察先のアポを実施中です。

↓↓↓2024年秋・驚きの米国シリコンバレー視察セミナーのお申込み・詳細はこちら!!

https://global.funaisoken.co.jp/in_session/in_session-626-2-4

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