注目のキーワード

値付けと利益について

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

先日ある受託型の製造メーカーの社員の方からこういった話を聞きました。

 

「設計や製造部門で標準化や改善を進め、コストが10%下がった時に、営業がその分見積もりを10%下げてしまう」

「営業に話を聞くと、『競合に勝つために価格を下げないといけない』という話ばかり」

「製造現場は回ってきた仕事が利益がほとんどないことを分かっているから、モチベーションも上がらない」

 

この話の実際の真偽はひとまず置いておいて、
受託型製造業の価格設定(特に値上げ)の話題がご関係先での話題に上がることが増えました。

 

「値上げ」について話題に出すと、多くの会社での反応は以下のようなものです。

「発注先を別の競合企業に変えられてしまう」

「重要顧客から何を言われるか・・・」

「いつも値下げ要求されているから、価格を上げれる余地は無いと思う」

「そもそもいつも高いと言われている・・・」

「値上げの口実がない・・・」

 

確かに「不当な」値上げはトラブルや混乱、売上減少を招くでしょう。

しかしながら、上記コメントは値上げ、ひいては適切な価格設定ができないこととは無関係です(そもそも材料や調達品の価格が上がっているのに、値上げができていない会社もかなり存在するというのが実感です)。

当然競争市場の中で我々はビジネスをしていますから、値上げをすれば一定数の顧客や仕事が離れることはあるでしょう。ですが、失われるものよりも得られるものが大きいならば、ぜひ検討していかなければいけません。

 

「10%値上げしたとき、10%以上売上が下がるか?」

 

こうご質問すると、多くの会社では、

「いや、そこまでは下がらないと思う」

「A社は無くなるかもしれないが、B社はほぼ変わらず仕事を頂けるのでは?」

「そもそもA社は赤字の仕事も多いし・・・」

「B社はいいけど、C社とD社は怪しいぞ」

「C社とD社は上げれても5%くらいでは」

 

といった具体的な社名やサンプル企業を挙げての話になります。

 

上記は仮の話ですが、値上げ分の5%は(もともとの仕事が赤字でなければ)

そのまま利益になりますから、値上げにより利益額は大きく積みあがることになります。

 

ここまでで申し上げたいのは、「値上げをしましょう」と言うことではなく、
数パーセントの利益までしっかり意識して値付けをしないといけない、ということです。

逆転ホームランのような大型案件に期待するのではなく、どんな仕事でちゃんと利益が出るように、受ける仕事と値付けをちゃんとしないといけないということです。

 

「この儲からない仕事があるから、あの儲かる仕事も請けられている」

「全部まるごと合わせた時に利益が出ていればいい」

 

現実にはこういった側面があることも事実ですが、上記の言葉を免罪符にしている会社が多いことも事実です。

10年前はそれで儲かっていたが、今ではまるごと合わせてもトントンといったケースも目立ちます。一旦ゼロベースで考える機会が重要であると思います。

 

ここ数年で値上げをする会社はどんどん値上げをしています。

 

それは自社の強みと案件の見定めができている、ということもありますが、それ以上に「ちゃんと利益を出す」ことにこだわっていることが理由だと思います。

 

1件1件の数パーセントの利益の差は、数百~数千万円の利益に変わり、投資の資金に変わっていきます。投資された資金は生産性の違いに反映され、より利益が出やすい会社に変わっていきます。

営業担当は売上管理しかしない(売上管理もしない)、というポリシーの会社もあるでしょうが、それとは別次元の話で案件ごとの利益管理を確実に進めていくことが必要です。

 

先日の片山の記事でもご案内した、下記のセミナーゲスト講師様の会社でも
売上、および利益、そして目標設定についてこだわりぬいた経営を進めておられます。

ぜひこちらもご参考としてください。

 


セミナーのお知らせ

※こちらのセミナーは終了いたしました※

 

部品加工業 社長の仕事

毎年2割成長を実現!儲かる工場をつくる方法

【東京会場】
7月5日(金)
13時~16時30分

【大阪会場】
7月11日(木)
13時~16時30分

 

↓↓↓本セミナーの詳細は、こちら!

https://lpsec.funaisoken.co.jp/factory-business/039852_lp/

 

愛知県西尾市に本社・工場を置く大野精工株式会社では、次の様な成果を上げ続けています。

・ここ10年間連続で、売上は毎年20%以上増加。

・創業20年で国内総従業員数230名超。

・グループ売上

・前期15億円
   ↓
 今期20億円弱

 

こうした同社のポリシーは次の通りです。

1)ピラミッド型組織の廃止

2)形だけの管理職は不要

3)期間社員・派遣社員は雇わない

4)「まだまだあと10年かかる」はNG。新入社員をすぐに戦力化する

5)「凄い技術」は不要。普通の技術で利益をあげる

 

こうした同社の取組みとは?
そして高収益・高成長を両立する部品加工業の多数の成功事例、共通点、普遍的なルールとは?

そうしたことを本セミナーではお伝えしたいと思います。

 

↓↓↓本セミナーの詳細は、こちら!

https://lpsec.funaisoken.co.jp/factory-business/039852_lp/

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

関連記事

アクセスランキング

製造業・工場経営.comを運営する船井総合研究所が提供する各種サービス

ものづくり経営研究会オンデマンド
ものづくりグロースクラウド

無料経営相談の
お問い合わせ