昨年秋ごろから、明らかに国内の製造業は景気後退期に入りました。
半導体を筆頭に、工作機械・ロボット・自動車業界などの落ち込みで、我々の回りを見てみると、10~20%程度の売上減少となっているところが多いように感じます。一方で医療・食品などの安定業界と取引を行い、リスク分散を進めてきた企業は、その甲斐あって大きく影響を受けていないようです。
このように取引先によって大きく企業業績に差がでる中、新規引合の状況を見ていると、この傾向は一貫しています。
それはつまり、
・溢れた仕事を「どこかで作れないか」と探す傾向は激減。
どこでも出来るような加工品は特に顕著。
・その半面、本当に困っている、どこもできない、
あるいは 開発系といった案件は、これまでと変わらず活発。
こうした状況は、景気落ち込みによる影響が大きくあります。
しかし、理由はそれだけではない、と私は考えています。
今、部品加工業で起こっている「大きな潮流」が影響している可能性がとても大きいのです。
その大きな潮流というのは、例えばグーグル上で「精密板金」というキーワードで調べてみると見えてきます。
・Caddi
・Mitsuri
上記のような企業名あるいはサービス名が確認できると思いますが、これらは全て板金加工の受発注プラットフォームです。(因みに機械加工にも同様のものが存在します)
簡単にいうと、3Dデータさえアップロードすれば、自動で見積回答が行われ受発注が行われていく、というシステムです。
これまでは、アメリカのプロトラブズが製造工程(=バックエンド)から営業工程(=フロントエンド)までシームレスに繋ぐことで、WEB上で即時見積回答・納期回答・加工・納入までを行うというサービスを、日本でも展開してきました。
この流れが、AIやRPAなどの進展により、フロントエンド部分については国内企業でも手掛ける企業が、今年になって急激に増加したのです。
これは一般の部品加工業においては脅威です。WEBの世界では、真っ向勝負ではとても戦いづらくなりました。
ここで皆さんにお伝えしたいのは、景気後退期には特に顕著ですが、今後、ますます「どこでもできる仕事」は受注しにくくなること、また即見積サービスを提供する企業とどうやって戦うのか?という事を念頭に経営しなければならない、ということです。
普通の仕事でもどうやって顧客に入り込み、ビジネスを拡大するかについては下記を参照して頂きたいのですが、
https://lpsec.funaisoken.co.jp/factory-business/039852_lp/
こうした大きな潮流に乗るか、つまりうまく活用するのか、
あるいはその流れには取り込まれない分野を狙うか、しっかりと見極めた上で戦略を構築することが、とても重要になってきます。
そして、この流れに取り込まれない分野とは何なのか?
こちらについては、次回お伝えしたいと思います。