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“ググる”が当たり前になった時代に、製造業が取り組むべきWEBマーケティング

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1.より身近なものになったWEB

先日、高校生向け国語辞典「三省堂現代新国語辞典(第6版)」に「ググる」、「バズる」などのネットスラングが多く収録された。とニュースになっていました。

私が社会人になったばかりの頃(ほんの4~5年前ですが)、分からないことをグーグルで検索をするということはあまり、良いとはされず、モノを知らない若者という印象を与える行為でした。

しかし、ここ数年のスマートフォンの普及などに伴い、WEBが身近なものとなり、 まずはグーグル先生に聞きなさいということが日常的に言われるようになってきました。

また、製造業においても 「産業機械・工業資材の購買行動において70~80%強が、インターネットを用いて実際の購買の前に2社(2ブランド)以上の情報収集を行っていることが明らかになっています。」
先日の本メールマガジンVol.43 “「商談前に6割 商談が終わってしまう」時代のマーケティング”参照 といった時代となっています。

つまり、今の時代、我々製造業で顧客から「ググられる」ことを意識できていない企業は時代遅れであり、自ら機会損失を生み出していると言えるのです。

そこで、今回は船井総研がご提案している「製造業におけるマーケティング活動」について、改めてご説明をしたいと思います。

2.《船井総研が現在、提案している製造業マーケティング》

製造業のマーケティング活動というと、リアルの場で行われる ・JIMTOFをはじめとする大型の展示会出展

ネットの場で行われる ・WEBサイトを用いたマーケティング ・イプロス・NCネットワークなどのポータルサイトを掲載・メールマガジン

などがあります。

 これらの活動は、船井総研でも2010年ごろから提案を行っており、多くの企業様に導入していただきました。

その結果、展示会やネットを活かしたマーケティング活動を全く知らないという企業様・経営者様は、ここ2~3年でお会いすることが、まず、なくなりました。

これは、裏を返せば、展示会にでる、WEBを作るというのはどの企業でも取り組んでおり、それだけでは効果を出すことが難しくなったとも言えるのです。

その中で、船井総研が”現在”提案をしているのが、

・より自社の特徴を活かし、(差別化を図るために)
 ”何を作れるのか?”を明確にした、特注メーカー化サイト

・ネットとリアルをミックスさせ、より効率的な情報収集・新規開拓を実現する
 デジタルツールを活かしたデジタル営業

という2点です。

この2つは、別の2つの手法というわけではなく、これまで別々で考えられていたリアルとネットをつなげ、

(1)自社が何を作れるのか?という製品を軸とした考え方(コンセプト)を持ち、
(2)そのコンセプトをネット・リアル世界の両方で発信し、
(3)新規顧客・見込み顧客という生け簀を作り、そこから情報を集めていく

という手法となります。

実際に、この手法を導入することで下記のような現状が改善され、メリットを得ることができます。

【現状(1)】
・同業者からの特急品の対応依頼
・未来を見据えた情報ではない案件、ここ2~3か月の今すぐ案件ばかりが集まっていた状況

【導入後のメリット(1)】
ある特定の加工品の”メーカー“としてのポジションを確立し、その加工品を軸とした、有益な情報(未来への仕掛けを見定めることができる情報)の収集・有望な顧客と接点を持つことができる。

【現状(2)】
営業担当者が1件1件訪問、もしくは電話などリアルでの接点しか作れていなかった為、顧客数も限られ、情報も少ない。

【導入後のメリット(2)】
過去に接点のあった顧客すべてに対してメールマガジンやネットを駆使し、断続的に接点を持つことで収集し、より少ない工数(人手)でより多くの顧客と接点を持ち、有益な情報の収集ができる。

このマーケティング手法というのは、ここ2~3年で提案している内容となります。
実際にこの手法を取り入れ、その情報を基に投資判断を行い、成長マーケットに飛び込んでいる事例企業様も数多く存在しています。

メリット(1)はもちろん、忙しい今だからこそ、メリット(2)にあるように、これまで通りの工数・人の手のかけ方というのを考え直し、デジタルツールを導入した取り組みが大切であると言えるでしょう。

本章では、マーケティングの内容と大まかなメリットについてお伝えをしましたが、次章ではどのうに進めたのか?という事例のご紹介を致します。

3.WEBマーケティング導入事例

事例①~A社について~
A社は、東海エリアに本社をもつ装置メーカーで従業員数20名規模の企業様です。同社は、装置のOEM・ODM製造を行割れています。主に取引実績のある業界としては、工作機械業界が中心であり、ある装置メーカー1社に大きく依存した売上構造となっていました。

事例②~A社の課題~
同社の課題は2つありました。1つ目は先に上げた通りある装置メーカー1社に大きく依存した売上構造を持っている点です。BtoBの業界においては皆様がご存知の通り、1社に大きく依存するということは生産性が高まるという点で、決して悪いことではありません。しかし、景気悪化局面においては、デメリットの面が大きく影響してきます。例えば、リーマンショック時において売上を大きく落とし、売上が上がったとしても月次ベースでの山谷が大きく、不安定な経営となってしまいます。

同社の課題は2つありました。1つ目は先に上げた通りある装置メーカー1社に大きく依存した売上構造を持っている点です。BtoBの業界においては皆様がご存知の通り、1社に大きく依存するということは生産性が高まるという点で、決して悪いことではありません。しかし、景気悪化局面においては、デメリットの面が大きく影響してきます。例えば、リーマンショック時において売上を大きく落とし、売上が上がったとしても月次ベースでの山谷が大きく、不安定な経営となってしまいます。

2つ目の課題は、営業専任者がいないということです。設計者が商談を行っており、見込案件や構想段階から受注率の低い案件は追うことができず、ある程度見込のある案件・相談案件を設計者が受注する必要がありました。

そこで、船井総研では上記2点の課題を踏まえ、デジタルマーケティングのご提案をいたしました。

事例③~WEBを用いた課題解決策~
同社にて行ったデジタルマーケティングの施策は以下の2つです。

1:集客専門のWebサイト(ソリューションサイト)の構築
2:商談名簿の整理・メールマガジンの配信

まず、1つ目に行ったソリューションサイト構築についてお話します。ソリューションサイトというのは、自社が何をできるのか?について明示したもので、自社の戦略を落とし込み、集客に注力するためのWebサイトとなります。

受託型製造業の場合、設備でできる製品は”何でも来い”という企業が多いですが、これでは特徴が出ず、情報化の時代にあってはただただ埋もれてしまいます。ですので、”なにを得意としているのか?”という点も踏まえて、コンテンツを作成しなければなりません。

以前より、船井総研では”何でも受託製造する”ではなく、”特定の製品を製作(設計)できる”メーカー戦略(=特注メーカー化戦略)を提案しており、同社もその一つの事例企業となっています。

次に、2つ目に取り組んだ商談名簿の整理・メールマガジンの配信は、ソリューションサイト経由で発生した引合い先に対してメールマガジンを送り、その閲覧分析をするというものです。

ソリューションサイトから引合いが来る場合、大手製造業のご担当者がほとんどとなりますが、この方々はお問合せが発生した際に相談したい案件を持っていることはもちろん、その後もタイミングによっては相談事を抱えていることがあります。このタイミングを逸すると、新規は取れませんし、そのタイミングを的確に把握し、対応できれば新規顧客の開拓は可能となります。

そこで同社では、引合い情報を有効活用する為に、名簿(=リード)の精査を行い、”これは!”というお客様に限定してメールマガジンを送付しています。

これは、課題の2つ目にあった営業専任者がいないという課題も解決することができ、「タイミングを計る為の訪問営業」から「デジタルツールでタイミングを計り、見込商談を発生させた後に設計者が訪問する」という営業スタイルの移行に成功しました。

事例④~結果~
同社がどのような成果を上げたかというと、新規顧客から初年度で3,000万円近い受注に成功し、現在も継続的な取引に繋がっています。また、その後においても1年に1~2社ほど大口顧客の開拓に成功しており、現在はそのマーケティング活動の中から見えてきた自社ブランド装置(=自社商品)の開発に取り組まれています。今後は新たな顧客開拓を進めつつ、自社ブランド装置の拡販を行い、より高い生産性を実現する高収益企業を目指されています。

4.WEBマーケティング成功のためのポイント

デジタルマーケティング成功のポイントは、まずは自社が何を売るべきか?PRすべきかという戦略面を十分に練り上げることができたという点が挙げられます。

我々、受託型製造業においては、仕事をしている市場・お付き合いのある市場で売上・利益が決まります。だからこそ、自社装置がどの市場に売れてきたのか?今後売れる可能性があるのか?という点を十分に考慮し、その市場の求めるニーズにあったコンテンツを用意することがポイントと言えるでしょう。

また、さらに言うと、その後のメールマガジン(マーケティングオートメーション)というものを用いて、見込顧客への情報発信と、その顧客の興味の先がどこか閲覧分析をかけることで、顧客が求める製品(=装置)を明確化し、提案に結びつけることを行っている点もポイントと言えます。

5.まとめ

我々、受託型製造業にとって、安定した売上・利益の確保は取引先により左右されます。特定業界・特定企業に依存することはハイリスクであり、如何に業界・企業という点で分散を行うかが重要と言えます。

その為にも、デジタルを活用したマーケティング活動は1社1社が自社独自ですべきですし、それは営業専任者0という企業ほど、新たな顧客開拓を実現するデジタルマーケティングに取り組むべきであると言えます。

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