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中小製造企業の「ちょこっとデジタルシフト」のまとめ vol.1

中小企業のデジタルツールの活用
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今年船井総研にご相談が多いテーマのひとつとして「デジタルシフト」というテーマがあります。

従来アナログ、リアルで行っていた業務をデジタルツール等で処理することで効率化、差別化、機能付加を図ることが目的です。

しかし書店に並ぶ「デジタルシフト」「デジタルトランスフォーメーション」「デジタル経営」等々の本を見ても、多くがビジネスモデルの変革を扱ったものばかりで、勉強にはなるものの普段の業務をちょっとだけ変えるような漸進的改善のアイデアが少ないことも事実です。

今回のメルマガでは「ちょっとしたデジタルシフト」をテーマに、導入に1日と掛からないデジタルツールとその活用について、これまでのメルマガの内容も含めて解説します。

やっている会社はやっている、やってない会社はまだやっていないといった内容ですが、

業務改善の参考にしていただければ幸いです。

 

 

スケジュール管理

社内会議の日程や、打合せの日程を決めるのにどれくらいの時間が掛かっていますか。

「〇〇さんに予定を聞いてみないとわかりません」
「社長、次に夕方ご出社されている日はいつですか」
「出席予定者にメールで確認します」

こういった情報確認・調整のための時間は常に削減できるよう、スケジュール共有のインフラを整えておくことが重要です。でなければ予定を聞く方も、聞かれる方もストレスです。

「そんなの聞いたらすぐ分かる」と思った方は要注意です。
スケジュール調整以外にもいろんな箇所で他の人に手間とストレスを掛けている可能性があります。

大抵のグループウェアには予定共有の機能が付いていますし、
GoogleカレンダーやOutlookといったサービスでも社内で自分のカレンダーを簡単に他者と共有できます。
社外・社内予定や、イベント設定の際はその人のスケジュールを見るだけで、空いている時間を見て設定すればいいのです。

「自分の予定は手帳で管理したい」
この意見はもっともですが、一緒に働くメンバーのためにも共有できるスケジュール媒体も使用することが大事です。

 

会議・リモートワーク

「やっぱり顔を突き合わせて話さないと」という意見はもっともですが、2人以上の人間が1か所に集まらなければ何の話も進まない、というのは過去の話です。

旧来のコミュニケーションの手段としては、メール、SNS、電話、直接面談とありますが、誰もがデバイスを持ち、通信網も発達した現在ではビデオ通話もこの選択肢に加えることができるようになりました。

TV会議システムは何年も前からありましたが未だ導入にはそこそこの金額が掛かりますし、臨場感はやはり再現しにくいものがあります。
ただビデオ通話は簡易会議用と割り切れば、投資もほとんどかかりませんしすぐに取り組める事項かと思います。

 

船井総研でも昨年~今年からリモートワークを推進しており、子育て中のオフィス業務 スタッフは月1~2回の出社で、後は自宅で仕事をするといった働き方も出てきています。この場合は上司や関係が深い同僚とビデオ通話で常時接続し、疎外感を感じない環境構築に気を配っています。

各社員に端末を配布していない場合は、BYOD (Bring your own device:個人保有のデバイスを業務に持ち込んで使用すること)をどこまで認めるか等の課題が発生しますが、セキュリティソフトを個人端末に導入するのは端末を支給するよりも低コストで可能です。

 

現在はモバイルファースト、1人複数台デバイス保有が当たり前になっていますから、
「個人端末を排除してセキュリティを守る」時代から、「個人端末を使用することも選択肢に入れたうえで、どうセキュリティを確保するか」という時代に変わっています。

そういった視点に立つと、在宅ワークやリモートワークといった働き方への心理的障壁も下がるのではないでしょうか。

 

メールとチャットツール

管理職ともなれば、1日数十通~数百通のメールが来ることも珍しくありません。

特に厄介なのがメールのcc:で、統一された社内のメールルールが無いと、

「とにかくどんなメールも安全策でcc:に入れる人」
「関係者をほぼ一切cc:に入れずに都度個別担当者宛にメールする人」
「マナーのつもりか、直接担当者以外をbcc:にする人」

等々、様々です。

またcc:の漏れや担当者間違い(他社の同姓の方等)も発生しやすく、
トラブルの原因ともなります。

メールが重要な媒体であることは変わりませんが、
メールでのやり取りを代替・補完するコミュニケーション媒体があることも知っておくべきです。

ChatworkやSlack,Talknote,Kintone,Linework,Stock,Team(Microsot)といったチャット、社内SNSソフトも無料、低額から利用可能ですので、小単位のチーム等から導入を始めてみることをお勧めします。

たとえば、「生産性向上プロジェクト」や「品質改善会議」、「WEBマーケティング会議」のように目的や会議別にグループを作ってしまうことで、情報の伝え漏れ防止や検索性の向上、スピードアップを図ることができます。

情報のやり取り形式は、掲示板形式やLineのようなメッセージベース等、ソフトによって様々ですが、特に社内についての情報のやり取りスピードは格段に上がります。

 

「どういうツールがおすすめ?」と聞かれることも多いですが、これについてはメインのユーザーが誰になるのか、どういう業務情報のやり取りをするのか、によって異なります。
携帯端末のユーザーが多いならスマホでの操作性、みんなPCに向かっているならPC画面の機能性等を目安に試されるのが良いと思います。

 

書類・図面

書類、図面についてはISO等の情報セキュリティの制限がないならば、クラウドストレージ化一択かと思います。1中小企業が、社内のPCやサーバーで情報を保管するということは現在ではリスクしかありません。

外部から本気の不正アクセスを受けた時に自社のデータを守るためのコストは、多くの中小企業にとって決して見合わない高コストとなります。
「クラウドストレージは検討したが、高い」という意見もありますが、セキュリティ込みで検討すれば決して高くはないと思います。

クラウドストレージについては過去のメルマガで触れていますので、詳しくはこちらをご覧ください

 

顧客・商談管理

デジタル化の威力が最も出るのは顧客管理、営業支援(CRM、SFA)の領域かもしれません。

過去の発注履歴や接触時の状況、顧客ステータス(業界、業態、部署、役職、生産品等々)はデジタルによる整理、蓄積、分析が威力を発揮する分野であり、新しいビジネスや商品を生み出す種に溢れているからです。

逆説的にCRMやSFAを導入していても、使いこなすためにはちゃんと求める情報が蓄積される設定、ルール作り、日々の運用管理が重要となります。

作っただけではダメなのがホームページやカタログであれば、導入しただけではダメなのがCRMやSFAです。
そういう意味で、「ちょっと簡単に取り組んでみる」テーマではありませんが、デジタル化の重要なテーマですので挙げさせていただきました。

余談ですが、普段船井総研がお付き合いさせていただく際にも、最初にご依頼したデータが揃うまで1カ月掛かってしまう会社さまもあれば、その場で瞬時にデータが揃う会社もあります。
ここで共通するのは、後者のケースはほぼ確実に、短期でマーケティングの結果が出ることです。
誰に、どういった商品を、どういうタイミング、伝え方で伝えればいいかがすぐに分かるからです。

顧客・商談管理についてはお伝えしたい内容がまだ数多くありますので、
今後 特集を組んでお伝えしたいと思います。

 


 

以上、簡単に取り組めるデジタル化の例について取り上げさせて頂きましたが、
次回は簡単な業務自動化について、RPAや各種プログラミングについて簡単に触れることにいたします。

プログラミングというと敷居が高そうですが、考えてみれば製造企業の現場のマシンオペレータの多くは、PC上のプログラミングよりもっとシリアスな案件について、高価な機械をNCプログラムで動かして行っているわけです。

やってみれば決して手に負えないほど難しくはないはずであると思います。

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