とにかく人がいなくて
営業も事務も、現場を手伝っている…
現場の主任が急に辞めてしまって
すぐに即戦力を採用したい…
ベトナムの研修生で
ギリギリなんとか繋いでいる…
古株が多いのでこれからは
新卒採用にチャレンジしたい…
日々、現場に伺っていると、
こうした声を毎日と言っていいほど
耳にします。
そして、これらへの対処として、
船井総研からはindeedを活用した
WEB採用ソリューションで
ご支援をさせて頂いています。
もちろんこれはこれで、製造業においては
現場を回さなければならない、という意味で
とても大事なことです。
実際、私も業績アップのご支援を行いながら
採用もお手伝いする、といったケースが
多くあります。
ただ、お気づきの方も多くいらっしゃると
思いますが、これだけでは、中長期的には
企業が持続し、そして成長していくための
解決にならないことも事実です。
対処でしかありません。
働き手、いわゆる生産年齢人口は、現在、
約6000万人のところ、年間100万人ペースで減少、
あるいは、今後50年で3分の1になる。
この減少ペースを
外国人研修生が在留資格を持ったところで
いくら移民を増やしたところで
解決できる筈がありません。
人財に関する経営上の重要性は
ますます高まるばかり。
日本の出生率から算出される、
これらの確定的未来に対して、
ただ採用だけを行うことは
経営リスク以外の何物でもないのです。
この人財クライシスとも呼ぶべき
人材不足時代に対して、我々は
抜本的な対応を講じる必要があります。
ではどうするのか?というと、
すぐに思いつくのは、ロボットとか、
IoTとか、RPAなどではないでしょうか。
もちろんこれらも効果的ですし、
働き方改革という側面も含めて
絶対取り組むべきことです。
実際、大手企業ではこれらを使って
大幅な生産性向上・人手の削減を
行っています。
しかし、これよりも重要なことが
あります。
それは、
マーケティングと同じように、
常に新しい人財から注目され、
「人財が流入する」会社づくりです。
たとえば部品加工業でいうと、
京都のヒルトップ。
ヒルトップはアルミの切削加工を行う
いわゆる機械加工業ですが、
ホームページを見て分かるとおり
イメージカラーはなんと、ピンク。
近未来的な社屋・工場に
若い人が多く働く環境であり、
会社説明会のときには、
面接する人の列が最寄りの駅まで
続くそうです。
24時間無人運転を行う工場で
3DCAD・CAMやロボットを駆使して
行うものづくりは、
もはやオペレーターではなく
プログラマーの世界です。
もし、こうした会社づくりが行えたら
あなたの会社はどうでしょうか?
人口が減少するという
日本の根本的な問題は
もちろん解決できませんが、
少なくとも、自社に優秀な人財を
取り込み続けることは
可能になるでしょう。
また別の業界の話になりますが、
8月22日から24日で開催された
船井総研の研究会全国大会の中で、
ある企業の代表取締役は、
こうおっしゃっていました。
「今後の人手不足を考えて、
まず旅館を憧れの職業にしたい。
旅館での仕事をやってみたいな、
という職業にし、業界を盛り上げたい。
憧れの職業にするためには、
・お客様に喜ばれる仕事である
・スタッフと家族が幸せである
・生産性が高い高収益の企業である
・世界一の何かを持っている
・夢を持ち続けられる
これらが重要と考えています」
製造業に関わる我々も、
このように、ものづくりを行う職業に
憧れをもってもらうように
しなければなりません。
ただ、これだけでは
人財クライシスを回避することは
できません。
より高い視点で、
もうひとつ考えておくべきこと。
それは、
自社のビジネスモデルを
超人手不足時代においても、
高収益を上げ、
企業として永続できる
ビジネスモデルに変革すること。
こうしたことを真剣に考え、
取り組んでいかなければ
なりません。
~次号につづく~
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