景気が下降局面に入って1年以上が経過しました。
なかなか顧客からの受注は回復せず、一体どのような手を
打てばいいのか・・・と悩んでいる方もおられると思います。
我々船井総研では、多くの製造業・部品加工業の企業様と
お付き合いをさせて頂いておりますが、その中でも
「比較的」調子が良い、あるいはほぼ変わらない会社は、
・電装・センサー関連
・5G関連
・医療機器
・食品機械
などの顧客と取引しているケースが多くあります。
そして今、売上を確保するためには
こうした業界にどう参入するか、
あるいは深掘りするか? というのが
まずは一般的な戦術になり得ると思います。
しかし、世の中を見渡すと、
景気の良い業界とばかり付き合っている訳ではないが、
ほぼ売上は前年と変わらない、
あるいは、むしろ業績を伸ばしている企業も存在します。
その「違い」とは、一体何なのでしょうか?
それは、これから述べる、
大きな3つの要素
に対して、会社として取り組めているかどうかが
違いを生み出していると言えるでしょう。
本日は、そのうちの1つについて
お伝えしようと思います。
99%の会社が取り組めていない秘密その①
製造業の中でも、特に受託型の部品加工業は、
顧客から選ばれるために QCD をとことん追求し、
3Sやカイゼン、生産性向上などの活動を取ってきました。
しかし、これでよかったのは過去の話であることは
皆さまよくお分かりだと思いますが、
すぐ目の前に迫っている危機としては、
中国・台湾勢の台頭があります。
我々の顧客となるような国内企業では、
かなり前から中国の加工品を使っていますし、
部品加工業自身が海外調達を行い活用している、
という事も普通にあります。
顕著なのは、先日の大阪の機械要素展です。
前年度に比較すると中国企業の出展数が
圧倒的に増えました。
感覚的な数値ですが、部品加工系で言うと
全体の20%程度を占めていたように思います。
つまり、国内で生き残ると決めたとしても、
海外勢とも普通に戦って、
勝たなければならない状況になってきた、
ということなのです。
そして、追い打ちをかけるような、
この不景気です。
この状況を打破するためにすべきこととは?
そして、
99%の部品加工業が出来ていない、
今後成長し、生き残るための手段とは?
それが、新技術開発・新商品開発です。
もちろんこれは単体では成り立たず、
いかに売るか?という視点がとても重要になります。
これを聞いて、顧客から「この図面どおり作って欲しい」
と言われ、提供し続けてきている企業にとっては、
「技術開発って、そんなものいるの?」
と思うかも知れません。
しかし、営業・マーケティングを行う中で、
新たなニーズを見つけ、技術開発に着手し、
高粗利率商品に仕上げることで収益の柱としている
部品加工業は、少なからず存在しています。
・研削加工並みの高精度 ”切削” 加工で
コスト競争力と粗利率を高めた、機械加工業A社
・ナノレベルの研削技術確立で、
超高付加価値商品を生み出した機械加工業B社
・プレス加工の代替工法開発で、
金型レスでの小ロット・試作プレスを実現した、板金加工業C社
・他社の追随を許さない薄板溶接技術で、
粗利率90%以上の言い値で受注する板金加工業D社
いかがでしょうか。
これらの企業は、いずれも自社で技術開発を行い
発展させることで、高収益事業化に成功した事例です。
こうした開発への取り組みは、技術レベルの差こそあれど、
世の中のニーズを収集する仕組みを構築し、開発のPDCAを回せば
どんな会社にもできるなので、絶対に取り組むべき事なのです。
なお、部品加工業の中でも、いわゆるプレス加工業では
多くの企業は金型・プレス技術の開発・伝承に勤しんでいますが、
その他の部品加工業は?というと、ほぼ皆無の状態です。
99%の会社がやっていないことをやる、
実はこの状態こそが最大のチャンスと言えるのではないでしょうか。
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