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今の若者を戦力化するポイント

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前回のレポートでは、2015年は「教育の時代」だとお伝えしました。過去の歴史を振り返ると、「教育の時代」は若手が活躍する時代だといえます。実際、私の関係先を見ていても、採用に熱心な会社ほど社内の雰囲気も良く、業績も好調です。

しかし、ここ1年くらい採用が難しくなったと言われます。新聞などでの報道でも大手企業は業績が回復し、採用人数を増やしていると伝えられています。

中小企業の多くの経営者の方が「大手企業に人を取られて、ウチの様な中小企業では人が採れなくなった」言われています。

本当にそうでしょうか?

日本の場合、事業所数でいくと99.7%が中小企業であり、就業者の割合でみても78%が中小企業で働いています。

大手企業の採用が増えたとはいえ、それでも大半の人が中小企業に勤める事実は変わりません。

また私の顧問先を見てみると、大企業が多い大都市圏であるにも関わらず、従業員20名くらいの小さな会社が大卒の新卒者を4名できている事例が多々見られます。

小さな会社でも、きちんと採用が行えている会社には次の3つの共通点があります。

① 経営の様々なテーマの中で「採用」の優先順位が高く、事前準備に時間をかけている

② 社長が率先して採用活動を行っている

③ 応募者が自社で働く上での利点を訴求できている

例えば②について言えば、実際にやってみると大変です。しかし採用にそれだけのエネルギーをかける社長がいることも事実です。

私は中小企業の人材が大企業に取られているのではなく、エネルギー量の高い中小企業に取られているのだと思います。

また③について言えば、自社のことをお客様に売り込むのと同じです。つまり自社で働くことの利点を一言で応募者に伝えられることが大事です。

ちなみに船井総研の場合は「日本で一番成長できる会社」と伝えています。とにかく、成長したい人は船井総研の門を叩いてほしいと伝えているのです。

また当然のことながら、採用した後の教育も重要です。

今の若者は“ゆとり世代”と言われますが、その世代がおかれた時代背景を理解することは、その世代を理解する上で重要なことです。

戦後に生まれた「○○世代」を生まれ年で見てみると、

団塊世代????? ??????? 1945~1950年

しらけ世代??? ??????? 1951~1960年

新人類世代??? ??????? 1961~1970年

バブル世代??? ??????? 1965~1970年

団塊ジュニア世代????? 1971~1974年

就職氷河期世代??????? 1975~1979年

新人類ジュニア世代??? 1986~1999年

ゆとり世代??????????? 1988~2000年

と、なります。つまり世代ごとに価値観が微妙に異なるわけで、その価値観の違いを乗り越えて、若者を戦力化することを考えなければいけません。

ここ数年に入社してきた新卒若手は、いわゆる“ゆとり世代”です。私も上司として彼らと接する機会が非常に多いですが、彼らは我々と価値観が全く異なることは事実です。

例えば、

・謝らない

・本音が見えない

・確認や相談をせず間違ったままやる

・わかりました、と言うけどわかっていない

・即応や即答ができない

といったところなどは、我々の世代が違和感を覚えるところです。いわば今の世代の弱点とも言えるところでしょう。

しかし逆に良いところを探すと、

・知的レベルが高い

・情報処理が得意である

・融和を重んじる

・反抗的ではなく基本的に従順

・認められると力を発揮する

といったところなどは、今までの世代になく優秀なところでしょう。ポイントは「根拠」をとにかく明確にすることです。

実際、私の顧問先の機械工具商社を見ていても、今までは販売実績が無かった様な難しい商品・高額商品を受注してくるのは、得てして若手社員です。

例えば前述の“従業員20名くらいの小さな会社”というのは、ある機械工具商社のことなのですが、この会社は工作機械販売の実績がほとんど無いにもかかわらず、先日、入社2年目の若手営業マンが数百万円もする三次元測定器を新規で受注しました。

上司や先輩の誰もが「ひやかしの商談だ」「相見積りだから決まらない」と冷ややかに見ていたのですが、受注できたと聞いて誰もが驚いた様です。

話を戻すと、前述の「今の若者の弱点」を是正するだけの指導では若者を戦力化することはできません。

もちろん業務に致命的なマイナスを及ぼすことは、厳しく指導する必要がありますが、指導する側が「これは弱点だ」と意識して指導を行わないといけないでしょう。

世代や生まれ育った時代背景が異なれば、価値観が異なるのも当然のことです。

そこは我々指導する側が理解をして、「長所進展」で指導・教育を行っていく必要があるのです。

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