●同社は惣菜を得意とする食品スーパーであり、本拠地はニューヨーク州郊外のロチェスター市、現在ニューヨークを中心に約80店舗を東海岸に展開している。
●創業は1916年とまもなく100年を迎える老舗企業であり、創業者のウエッグマン兄弟が、野菜や果物のカート販売からスタートしました。
●そして同社は今年のGPTWランキングベスト100位の中で12位であり、日本でも名は知られているホールフーズマーケットの44位、ノードストロームの89位を大きく上回り、小売業の中ではトップクラスの”働きがいのある職場”を実現している。
ボストン郊外にある同店舗の外観 |
●ウェグマンズフードマーケットの大きな特徴として、店内の惣菜(デリ)を購入した後に店内の広い清潔なスペースで、食事ができるという点があります。
●デリをその場で食べてもらう環境を提供することにより、地域のコミュニティ・公民館的な役割を担うことを狙っている。
●ショッピングモール内にはユニクロを始めとするアパレル店舗や飲食店、またデリ(惣菜)の店舗や雑貨店などが入居している。
●マサチューセッツ州ケンブリッジ市に本部を置く私立大学。ノーベル賞受賞者を多数輩出している(2013年まで80名。この数はコロンビア大学、ケンブリッジ大学、シカゴ大学に次ぐ)。全米指折りのエリート名門校の1つとされます。
●その名の通り基本は工科大学ですが、技術とともに芸術も重視するなど学際的な取り組みに力を入れていることで知られる。
●同大学は、ボストン所在の他大学(ハーバード大学、ウェルズリー大学、マサチューセッツ大学)との間で、学生や研究者同士の交流も推進しています。近年、大学の全授業をweb上で公開する試み(オープンコースウェア)がなされており、遠隔教育関係者や教育関係者一般から広く注目を集めています。
MITの外観 | MITの日本人学生によるレクチャー | キャンパスツアーの様子 |
フランクゲーリー設計による校舎 | MITミュージアムの様子 | ミュージアムに展示されるロボット |
●現在MITに留学している日本人学生からMITの特徴についてお話いただきました。
●1つは”クロスファンクショナル”であること。工学だけでなく芸術と結びつけて間口を広げることで、工科大学でありながら女子学生が多い。
●2つ目は”実践的”であること。もっと具体的に言えば、すぐに手を動かすという文化がある。
●キャンパス内に併設されたMITミュージアムでは、インターネットなど複雑な技術をわかり易く伝える取り組みがされている。
●同社はインバウンドマーケティングを武器に、”マーケティングの世界を変える”という理念で事業を展開する急成長企業である。
●時代の移り変わりと共にコミュニケーション手段が大きく変わっている。例えば1990年代はインターネットが無かった。ところが2000年代にメールが登場、さらに2010年代には全ての人がインターネットを使う様になった。
●そして従来のマーケティング手法もそのままでは通用しなくなった。例えば86%の人がテレビ広告をスキップする。また91%の人が売り込み目的のメールを見ない。
●さらに全ての場所からオンラインを利用できる時代になったことを、マーケティングを進める上で考慮しなければならない。
●こうした時代の新たなマーケティングとして、ハブスポットでは4つのプロセスでマーケティングを考えている。
シニアマーケティングディレクター デビー氏 |
急成長する同社の業績と顧客数 |
●最初のプロセスはATTRACT(引き付ける)であり、手法として 1)ブログ・SNSの活用 2)キーワードへの最適化 が挙げられる。
●最初のプロセスに関してはキーワーズアップというソフトウェアにより、狙うキーワードにおいて自社のホームページが検索エンジンの中で何位なのかを簡単に知ることができる。
●2番目のプロセスはCONVERT(転換)であり、これは見込み客から顧客に転換するプロセスである。
●CONVERTを促す要素として 1)CTA(Calls to action) 2)LP(ランディングページ) 3)フォーム がある。
●3番目のプロセスはCLOSE(クローズ)であり、”CONVERT(転換)”された顧客に対してメールや電話などのクロージングを行う。
●3番目のプロセスについてはContact time lineというソフトウェアがあり、誰が何をいつ見たのか、いつどこのCTAを押したのかなどを集約して管理することができる。
同社の提唱するマーケティングプロセス | 同社の提供するソフトウェアの画面 |
●同社のシステムを導入した結果、平均してWebサイトへのアクセスが1年間で3.5倍に増大する。
●また平均して見込み客への転換が1年間で6倍になり、69%の会社が売上増大につながっている。
●Thermo Fisher社ではインターネットからの引き合いが182%も増えた。You Earnedit社では同じく250%増え、主要キーワードが全てグーグルで1位に表示された。
●日本ではパナソニック、東芝が自社のブログ運用でハブスポットを活用している。
(4)ハブスポットの沿革
●2006年にMITの学生2人で創業した。現在では世界中で11,000社の顧客がある。
●今年は同社主催のイベントINBOUND2014を開催し、既存顧客・パートナー企業・アナリストなど1万人以上を動員した。
●同社の新商品としてHubSpot CRMとSidekickがある。これらは販売管理・営業管理ソフトであるが、セールスフォースドットコムとパートナー契約を行い、これらを販売していく。
(5)働きがいのある職場としてのハブスポット
●ボストンビジネスジャーナルでボストンにおける就職したい企業の第1位にも選ばれたことがある。
●同社の特筆すべき特徴として、透明性が挙げられます。誰もがCEOと対等に話をすることができ、また同社の取締役はCEOも含めて自室を持っていない(フリーアドレス)。
●さらに同社には”無料のビール””ゲームルール”といった、働きがいのある職場を実現するための様々な仕掛けがある。
●マリオット・インターナショナルは、世界的なホテル 経営・フランチャイズ会社。
●各種商標を用いて、宿泊施設やバケーション・タイムシェアリング・リゾート施設をフランチャイズ化し展開しており、世界73の国や地域で、17ブランドを有し、約3,700軒の施設を運営している。
●展開するブランドは、ザ・リッツ・カールトン、JWマリオット・ホテル&リゾート、オートグラフ コレクション、ACホテル・バイ・マリオット、コートヤード・バイ・マリオット、スプリングヒル・スイート・バイ・マリオットなどがある。
マリオットホテルスタッフによる講演の様子 |
●創業者マリオット氏はまだ健在で、毎年200もの自社グループのホテルを周っている。
●創業者の考え方は、社員を大切にすれば社員もお客様を大切にする、というものである。従って同社の組織風土には社員を大切にする、という文化が行き渡っている。
●例えば上司が部下のファーストネームを覚える、入院したら見舞いに行くといったことである。また社員は1週間に3日、15~30%の特別料金で同グループのホテルに宿泊できるという特典がある。勤続年数の長い社員は、生涯その権利を持ち続けることができる。
●こうした取り組みの結果、同グループは毎年GPTWにもランクインしている。
●近年、航空業界はコモディティになっており、その結果激しい価格競争になっている。同グループとしてはホテル業界をコモディティにしたくない。ホテルは特別な体験と環境を提供する場だと考えている。その為にも社員の働きがいが非常に大切だと考えている。
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