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驚きのアメリカ版 第2弾 グレートカンパニー視察ツアー2012レポート:1日目

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驚きのアメリカ版 第2弾 グレートカンパニー視察ツアー2012レポート

■ 視察1日目(2012年10月7日 日曜日) ■
■視察先企業データ
1)ダーデンレストラン(Darden Restaurants)
2)リクリエーションイクイップメント(Recerationl Equipment)
3)グーグル(Google)
4)インテル(Intel Corporation)
5)ジェネンテック(Genentech)
6)マリオットインターナショナル(Marriott International)
7)オートデスク(Autodesk)
8)セールスフォース・ドット・コム(SalesForce.com)
9)シスコシステムズ(Cisco Systems)
10)パタゴニア(Patagonia)
11)ディズニー インスティチュート(Disney Institute)
12)ホール フーズ マーケット(Whole Foods Market)
13)ノードストローム(Nordstrom)

視察1社目:ダーデンレストラン(Darden Restaurants)

従業員数 178,380人  売上135億ドル(約9500億円)  GPTW99位(2012年)

同社(レッドロブスター店舗)外観 同店内のロブスター 同店マネージャーのアンドレアさんの講演
同社(レッドロブスター店舗)外観 同店内のロブスター 同店マネージャーのアンドレアさんの講演

 (1)同社の概要
●ダーデンレストランツは1968年創業。レッドロブスター・オリーブガーデン(イタリアン)・ロングホール・キャピタルグリルなど傘下の米国内1900店舗で年間4億食を提供している。
●さらに2007年にステーキチェーンのロングホーンステーキとキャピタルグリルを持つレアーホスピタリティインターナショナルを買収。
●最近発表されたマーケットフォースインフォメーションの調査でテーブルサービス部門において最も消費者の評価が高いレストランチェーン。
●今回視察の店舗は、サンノゼ市のレッドロブスター。

 (2)ジョブ・サティスファクションを重視
●従業員の福利厚生に注力している。例えば大学生向け教育ローン援助。今回講演いただいたアンドレアさんも、同店の学生アルバイトからそのまま入社。
●少数民族や女性など、マイノリティに対するケアが厚い。
    >>いわゆるダイバーシティ(職場の多様性)を重視している。
●実際のところ、アンドレアさんの職場への評価は10点満点中8点。その理由は、働いている人は好きであるが仕事がハードであるからである。

 (3)サスティナビリティ(持続性)を重視
●ロブスターそのものは、絶滅危惧種に近い食材。そのリスクヘッジも兼ねてレストラン多角化を進めている。
●水・電気の使用量削減にも取組み、目標の15%削減を実現した。大気汚染防止にも注力。

 (4)明確なキャリアパス
●スキルとして「人を育てられるか」を重視している。
●キャリアパスとしては トレーナー→SV→システムマネージャー→マネジメント層 という流れである。
●同社の2/3が、パートタイムからの正規雇用。

 (5)総括
●労働集約型産業である飲食チェーンにおいて、優秀な人材をいかに確保するのかという視点で学ぶべきところが多い。

視察2社目:コンピューター・ヒストリー・ミュージアム

世界初の電子コンピューターENIACの模型 インテル創業者「ムーアの法則」説明パネル 創業期のグーグルサーバー
世界初の電子コンピューター
ENIACの模型
インテル創業者「ムーアの法則」説明パネル 創業期のグーグルサーバー
●シリコンバレー(サンタクララ市)に位置し、手回し式計算機や計算尺の時代から、近代コンピューターの時代を経て現在に至るコンピューターの歴史が展示されている。
●同ニュージアムはNPOにより運営されている。受付スタッフのボランティアである。
●入場料は150ドル。

視察3社目:リクリエーションイクイップメント(Recerationl Equipment)

従業員数 10,466人  売上18億9800万ドル(約1330億円)  GPTW8位(2012年)

講演するキシデラ店長とロバート店長 リクリエーションイクイップメント店舗外観(マウンテンビュー市店舗) リクリエーションイクイップメント店舗内部の様子
講演するキシデラ店長とロバート店長 同店外観(マウンテンビュー市店舗) 同店内部の様子

 (1)同社の概要とミッション・価値観
●1938年にシアトルで創業。創業者は登山家であり、当時良いピッケルが廉価で手に入らなかったことから、21名の登山家仲間と生活協同組合という形で同社を設立した。
●現在、キシデラ店長によると売上14億ドルで130店舗を展開。毎年5~6店舗の出店を行っている。無借金経営の優良企業であり、3億5000万ドルのキャッシュを持つ。
●同社の企業目的(ミッション)は、「お客様の生涯の冒険(アウトドア)を支援する」というものである。高品質なギア(商品)を提供すると同時に利益をお客(会員)に還元、より多くのアウトドダ愛好家を増やすことが目的である。
●そのミッションを遂行するために6つの価値観を持つ。
●6つの価値観とは、1)誰もがアウトドアに関われる 2)最高品質の提供 3)最高のサービス(専門知識と熱意) 4)尊重(リスペクト)、お互いに学ぶ 5)堅実(インテグリティ) 6)バランス、生活の全てを楽しむ というものである。

 (2)同社の3つの成功要因
●同社が成功している理由は、第1に組織形態が生活協同組合であることである。短期の利益を求められることなく、顧客との一体化により持続的成長が図れる。また地域への寄付なども広く行える。
●第2に従業員に幸せに働いてもらうという考え方である。その為にGPTWにもチャレンジするし、ダイバーシティー(職場の多様性)にも力を入れる。福利厚生も小売業としては全米一であり、パートも含めて全員社会保険に入っている。
●第3にサービスに細心の注意を払っている。例えば品揃えと価格ではネット販売にかなわない。同社が付加価値を出すためにはサービスで勝負するしかない。その為にも採用に力を入れており、当社で本当に働きたい人間、前向きでポジティブな人間を採用する様にしている。

 (3)社員のモチベーションを上げる取組み
●社員の働く環境として 1)コミュニケーション 2)リーダーシップ 3)リスペクト を特に重視している。
店員のアウトドア実践の様子を掲示 アウトドア好きが集っている会社である 顔写真で社員の得意分野を紹介 毎週、優秀社員の表彰を行う
店員のアウトドア実践の様子を掲示
アウトドア好きが集っている会社である
顔写真で社員の得意分野を紹介 毎週、優秀社員の表彰を行う

●特にコミュニケーションを重視しており、どのレベルの誰もが経営トップと対話を行うことができる。年2~3会は社長が店舗に訪れる。
●前述6つの価値観に沿った生き方が最もできた社員に対して、アンダーソンアワードという表彰制度がある。毎年各店で1人選ばれ、該当社員はシアトル本社に招かれ、ヨットセーリングなど経営トップからの歓待を受けることができる。

 (4)同社のサービス:いかに価値を売るか(価格競争を回避するか)
●小売業における競争はアメリカにおいても相当厳しい。特にアマゾンやザッポスといった有力ネット通販企業は大きな脅威である。品揃え・価格では太刀打ちできない。
●社員の商品知識アップの為にも、同社では社員の商品購入を促しており(自分で使わなければわからない)社員割引の率も高い(30~50%引き)。お客からアドバイスを求められたら、同社の店員は3つの商品を提案してお客の判断にゆだねる。メーカーとしては同社店員に自社商品を知ってもらいたい為、社員割引のための値引きにも協力的である。
●今や小売業だけでは生き残れない。自社で旅行会社も運営しており、アウトドアのツアーを販売している。今後はよりこうしたことに力を入れていきたい。

リクリエーションイクイップメント社アウトドアツアーの告知
同社では「商品を売る」のではなく「体験を売る」との考え方のため、商品ポスター
は一切貼らず、あくまでも体験の様子を訴えかけている
同社アウトドアツアーの告知

● 同社の会員になることによって、顧客は最大のベネフィットを得ることができる。毎年商品定価の10%(1億ドル前後)を、会員顧客に対して「配当」という形で還元している。
●また100%サティスファクション・ギャランティーを行っており、商品に不満がある場合は無期限に返品をすることができ、支払った代金も返還される。

 (5)総括
●価格競争回避の鉄則は、モノを売るのではなく「体験を売る」ということである。同社では商品陳列から社員教育(自社商品購入促進による実践的な商品知識習得)、商品づくり(アウトドアツアー)にそれを反映している。
●生活協同組合という組織形態をとることにより、「売る側と買う側」という関係ではなく「アウトドア仲間」「アウトドア先輩と後輩」という、本当の意味での顧客との一体化を志向している。

視察4社目:ホール フーズ マーケット(Whole Foods Market)

従業員数 58,300人   売上90億ドル(約6300億円)  
GPTW32位(2012年)

オーガニックで圧倒的一番のホール フーズ マーケット
オーガニックで圧倒的一番の小売店
●Whole Foodsはオーガニック、健康食品に強みを持つスーパーマーケットです。例えば一般の食品スーパーの場合は、リンゴなど果実の表面もワックスで磨き上げている。しかし同社の果物は文字通り無添加であり、また無添加のレベルが標記で分けられています。
●例えば、同社では3代続けて無農薬の野菜・果物をオーガニックと称しています。またサプリメントやアロマなど、オーガニックとの関係性の深い商品も品揃えが豊富。
●「オーガニック」「健康」で衣食住の各分野において、圧倒的一番の小売業であり、グレートカンパニーの要件である「何かで一番」を満たす企業であると思われました。
●今回はレッドウッドシティ市の店舗を視察しました。駐車場の車は外車やキャデラックなど高級車が多く、比較的高い所得層の顧客が多いものと思われます。

 

以上

 

▼視察レポートがこちらからご覧いただけます。


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