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驚きのアメリカ版 第2弾 グレートカンパニー視察ツアー2012レポート:5日目

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驚きのアメリカ版 第2弾 グレートカンパニー視察ツアー2012レポート

■ 視察5日目(2012年10月11日 木曜日) ■

視察16社目:ファーマーズマーケット

1920年代の世界大恐慌の際、不況に苦しんだカリフォルニアの農民たちが「ならば自らの手で売ろう」と集まったのが、現在のファーマーズマーケットの原型である。
現在は百貨店、大手書店、ブランドショップも集積する一大ショッピングモールとなっている。

モールの様子 ノードストローム
ファーマーズマーケット モールの様子 ノードストローム

全米No1の書店 バーンズ&ノーブル アメリカン・ガールズ アメリカン・ガールズ店内の様子
全米No1の書店 バーンズ&ノーブル アメリカン・ガールズ アメリカン・ガールズ店内の様子

特に近年注目を集めているショップが、アメリカン・ガールズである。同社はオバマ大統領の娘が大ファンであることで有名。
店内に入ると数多くの人形が並べられている。人形は全て同サイズであり、衣装の着替えはもちろん同店に来れば美容(理髪・パーマなど)を受けさせることができる。
店内には人形博物館やカフェも併設されており、子供から大人までの女性が楽しめる設計となっている。また同店はWebを活用し、ネットからリアル店舗に誘導するプロモーションに長けている。

丘の上がスピルバーグの邸宅 ロスからディズニーのあるアナハイムへ
ハリウッドの看板 丘の上がスピルバーグの邸宅 ロスからディズニーのあるアナハイムへ

視察17社目:ディズニー インスティチュート(Disney Institute)

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勤続20年のベテランが説明 バックヤードから出てくる見学者の様子 内部は写真撮影厳禁 「汚いものを見せない」ポリシーのもとゴミ箱にも多くのこだわりがある
勤続20年のベテランが説明 バックヤードから出てくる見学者の様子
内部は写真撮影厳禁
「汚いものを見せない」ポリシーのもと
ゴミ箱にも多くのこだわりがある

 (1)ディズニー インスティチュートの概要
●「夢を売る」ことを理念とするディズニーは、決してバックヤードを客に見せることはない。また、同社社員はディズニーランドの裏側を語ることは硬く禁じられている。
●そうした中、本ツアーはディズニーランドのバックヤードを見学し、実際のキャスト(ディズニー従業員)にインタビューすることで、夢の世界ディズニーがいかにしてつくられているのかを理解するためのツアーである。

 (2)ディズニーがキャストに求めるもの
●ディズニーのキャストになると、キャストしか購入できないプレミアムグッズを購入できる。またキャスト専用のショップもある。同社のキャストになることのインセンティブの1つである。
●髪型、髭の生やし方、メガネ、身につけるアクセサリーまで、細かく「OK」と「NG」のパターンが張り出されている。きちんとした外観がまず第一歩であり、ディズニーとして絶対に譲れない点である。
●同社のトレーナーは「キャストにモノレールの乗り方は教えられるが、幸せへのなり方は教えられない」という。採用にあたってはスキルよりも本人の姿勢・考え方を重視する。
●ディズニーはリーダーシップを重視する。後輩を育てられるキャストはトレーナーになる。トレーナーになっても昇給はなく、ピンバッジが与えられるだけ。しかしこのピンバッジがキャストにとってのモチベーションとなる。
●また勤続年数を重ねると、記念のピンバッジや指輪が支給される。

 (3)自動化されたコスチュームの管理

●バックヤードには90万点の衣類が管理されており、点数として全米最大。2万3000人のキャストが使用するコスチュームには、全てバーコードが記載されており管理している。
●自宅に持ち帰って洗濯するか、あるいは同社でクリーニングをする。いずれにせよ毎日コスチュームはクリーニングを行うことがルール。

 (4)2000ドルのゴミ箱は2年で廃棄、新品に

●創業者ウォルト・ディズニーは「ゴミをお客に見せたくない」という強い希望があった。かつてのゴミ箱はバケツの様なデザインで、上からゴミが見える。そこでディズニーはミルズ社に依頼して、外からゴミが見えないデザインのゴミ箱をつくらせた。これが現在のゴミ箱の原型である。
●同社のゴミ箱は1つ2000ドル。90日ごとに塗装をしなおし、2年で廃棄処分にする。全てのゴミ箱は全ての場所から27歩以内の場所にある様、設置されている。
●また2万人を超えるキャストがいる中で、ゴミ拾い担当のキャストは8人しかいない。これはキャスト全員がゴミを拾うことがカルチャーとなっているからである。
●芝生も6ヶ月ごとに植え替えを行っており、「夢の世界」を維持するためには多くの支出がなされている。

ディズニーメインストリート キャンディーの香りが流れる排気口 完璧さを追及するシンボルの“半色”電球
ディズニーメインストリート キャンディーの香りが流れる排気口 完璧さを追及するシンボルの“半色”電球

 (5)完璧さの追求「我々は世界一のリゾートである」
●1番と2番の差は大きい。ディズニーは1番にこだわり、そのために細部にこだわる。
●メインストリートは視覚だけでなく音、匂いにもこだわる。キャンディーショップの下側にはキャンディーの香りが流れる排気口があり、匂いの面での演出がなされる。
●コカコーラショップの入口の上の電球を見ると、1つの電球が赤色・白色が半分ずつあわさったものになっている。これは赤・白・赤・・・と整列すべき電球が奇数数だと、どこかで同じ色の電球が並ぶ。それを防ぐためにこうした電球をつかっている。
●またこれは「我々はここまで細部にこだわる」というディズニーの1つの象徴である。

 (6)ローテクとハイテクが支えるバックヤード
●花火は360期の発射台から圧縮エアーで打ち上げ、全てコンピュータ制御である。花火は毎日打ち上げられており、ディズニーは世界一花火を消費している。
●かたや1902年製の蒸気機関車を現在でもメンテナンスしながら使用し続けている。ただし燃料はバイオディーゼルであり、ディズニー内で使用された食用油の廃油が使用されている。
●またバックヤードには馬が飼育されており、パレードで使用される。
●花火・機関車・馬、これらは全てディズニーのバリューを演出するものであり、オーケストラの様に毎日開催されるイベントである。

 (7)サービスに求めること:エモーショナルコネクト
●お客はディズニーの施設に感動して手紙を書いてくるのではない。キャストのサービスに感動して手紙を書いてくるのである。
●そうしたお客の共感を呼ぶサービスができた時、それは”エモーショナルコネクト”である。

 

以上

 

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