この度は船井総合研究所 第93回経営戦略セミナーにご来場された皆様、誠にありがとうございました。
今年も全国から延べ6700名を超える経営者の方がお集まりになられました。
心より御礼申し上げます。
さて、我々ファクトリービジネス研究会の分科会では、「日本で一番大切にしたい会社」大賞を受賞され、
23年間連続黒字、10年間離職者0、同業者から年収2倍のオファーがあっても社員が辞めない会社、
株式会社日本レーザー の 近藤宣之代表取締役にご講演いただきました。
いったい、どの様にすればこうしたモチベーションの高い、一体化した組織をつくることができるのでしょうか?
船井総合研究所の創業者であり、コンサルティング会社として世界で初めて株式公開をすることに成功した船井幸雄は次の様に述べています。
~ドイツ第三帝国のヒットラー総統がつくりあげ、心理学者フロイトが証明したという『ヒットラー・フロイトの定理』は、
『国家であれ、企業体であれ、宗教団体であれ、組織体はまず目的をつくり、そしてそれを使命感にまで高め、
さらにイデオロギー化し、そしてご神体、教典づくりをへて、はじめて確立する』~
と、いうことです。
では、ご神体とは何か?
例えば日本レーザー様も組織マネジメントの中心にすえている「クレド」。
クレドとは、その会社の行動指針を常に携帯できる様に紙にまとめたものです。
船井総合研究所にもクレドがあります。社員は常時携帯を義務付けられ、また毎朝行われる朝礼では各項目ごとに全員で唱和を行います。
全部で12項目ありますが、その中でいくつか抜粋をすると、
(1)力相応一番主義
自分のレベルを知り、そして日常生活の中で、一番や一流を目指しましょう。
以降略~
(8)前始末と後始末
前略~会議の際は5分前に集まり、最前列に座りましょう。
中略~乗り物に乗った時の座席のゴミ、コピー機を使った後など、後始末の癖付けを徹底します。
(11)儲け癖と節約癖
いまの仕事でまず「儲け癖」をつけましょう。儲け癖のない段階でいまの仕事がうまくいかないからと
いって新しいことをやっても失敗する可能性は高いです。以降略~
と、いった具合です。
船井総合研究所は今、グループで総従業員が1100名を超えていますが、コンサルティングという属人的な業務を行いながら、この規模で組織一体化が行われている背景には、クレドの存在は大きいものがあります。
この、クレドの運用を成功させるためには次の2つの大切なポイントがあります。
1つ目は、トップがつくったものを社員に押しつけるのではなく、あくまでも「社員全員でつくる」というスタンスを前提とすることです。
2つ目は、前述の朝礼での唱和の様に、あるいは評価制度の定性項目にクレドの項目を組み込むなど、日々の業務の中にクレドを落とし込むことです。
日本レーザー様にせよ、船井総合研究所にせよ、この2つのポイントは当然のことながら押さえています。
例えば前述の1つ目「社員全員でつくる」に関して言えば、現在は“Webアンケート”というデジタルツールがあります。
このデジタルツールをつかって、全社員に、
・仕事を行う上で一番大切にしていることは何ですか?
・お客様に対して一番大切にしていることは何ですか?
・・・
と、単なる愚痴や不平不満が上がってこない様な質問を投げかけ、そこから上がってくる回答を、さらにデジタルツールを活用して資料化します。
この資料には“頻出ワード”も頻度の高い順番に整理され、クレド作成の為の資料として使いやすい様にまとめてあります。
その上で、社員の中から5~7名前後(会社規模によっては10~12名前後)のメンバーを選抜し、クレド制作のためのプロジェクトチームを立ち上げます。
実際に、船井総合研究所のクレド制作・運用を中心とした社員教育・管理職教育プログラムの中で制作されたクレドの例として下記の様なものが挙げられます。
行動指針 *原価管理の徹底
私たちは適正な利益を確保するためにも、原価管理を徹底します。作業に着手する時は必ずBCRリーダーで作業着手入力をし、完了したら完了入力を行います。
行動指針 *気配りの徹底
私たちは気配りを大事にします。なぜなら気配りは社会人として、また仕事をする上で最も大切なことだからです。気配りの最低限の水準は「相手を不安にさせない」ことです。遅刻すること、茶髪やひげ、ピアスなど、お客様や同僚が不安に思う様なことはしません。
行動指針 *後始末の徹底
私たちは、後で使う人の立場にたって後始末を徹底します。例えば社用車を使った後はガソリンを満タンにして、社内もきれいに清掃します。治工具や備品なども、後から使う人の立場に立って、いつも定位置に保管すると同時に清潔・清掃に気を使います。
行動指針 *報連相の徹底
報告とは結果・進捗を知らせること、連絡とは事実を共有すること、相談とはアドバイスや指示をもらうことです。私たちは常に報連相を徹底します。そして特に、悪い情報ほど積極的に報連相をします。お客様からのクレームなど、悪い情報の報連相について罰することはありません。ただし、こうした悪い情報を報連相しないことについては、大きな問題として取り扱います。
いかがでしょうか。かなり具体的なことが書かれていると驚かれる方もおられるかもしれません。
しかし特に中小企業の場合、クレドの各項目は具体的であれば具体的であるほど良いです。
また、クレドの項目の数は必要に応じて増やします。有名な例としてはユニクロの行動指針の例があります。
同社の行動指針は最初は12か条だったそうですが、現在は34か条もあるそうです。
必要に応じて少しずつ増やしていくことは十分にあり得ます。
なぜクレドが効果的なのかというと、それは「自分たちで決めた」ことだからです。
「自分たちで決めた」行動指針なのだから、それは守って当然。
さらに「自分たちで決めた」行動指針の項目を評価制度の定性項目とすれば、当然のことながら評価制度への納得性も上がりますし、
何よりも組織としての価値観・文化が、社員1人1人の行動レベルに落とし込まれることにもなります。
しかし、ここで注意しなければならない点もあります。
それは、このクレドにはきちんと
・自社の理念
・トップの価値観
が落し込まれていなければならない、ということです。
当然のことながら、ただ社員に議論させた内容をクレドとして運用することはあり得ません。
従って、クレド制作・運用の落とし込みの際には、何らかの形で外部のプロを使い、
事前にこの外部のプロに対して、自社の理念や自身の価値観をしっかりと伝え・共有し、
あるいは整理した上で一連のプロジェクトを進めていくことが大前提となるでしょう。
ではなぜ、今まではあえて明文化してこなかった様な「ご神体」や「教典」を明確にする必要がでてきたのでしょうか。
それは時流の変化です。現在は会社を辞めようと思ったらすぐに辞めて、次の転職先を瞬時に見つけることができる時代です。
こうした時代には、前述の日本レーザー様の様な何らかの理念経営が必須になってきます。
また、多くの会社が「創業者」ではなく、「二代目」「三代目」経営者によって運営される様になっています。
ここで気を付けなければならないことは、
「創業者」は無から有をつくりだした『神』であるのに対し、それを引き継いだ
「二代目」「三代目」経営者は、決して『神』では無い、ということです。
「二代目」「三代目」経営者は『教祖』です。神を祀る『教祖』でなければならないのです。
神と教祖は似ている様で異なります。
ご自身が創業者、あるいは中興の祖であれば『神』かもしれません。
『神』であれば自ら何かを明文化する必要はありません。
聖書や論語もキリストや孔子 本人が書いたものではなく、弟子(教祖)が中心になって明文化されたものです。
しかしご自身が「二代目」「三代目」なのであれば、前述の『ご神体』あるいは『教典』を明文化する必要がありますし、
それを組織に落とし込んでいく必要があります。
ちなみにここで言う『教典』とは、会社でいえば中期経営計画やビジョンにあたる、と考えればよいでしょう。
ビジネスが複雑化する現在、そして転職や退職が容易に行える現在だからこそ、体系的な組織の一体化が不可欠であり、
前述の『クレド』や『中期経営計画』『ビジョン』などのご神体や教典が必要になってくるのです。
さて、その中で来る2019年10月29日(火)13時~16時 東京会場にて、
船井総合研究所の令和元年特別企画として、
「クレド・中期経営計画のつくり方」無料セミナーを開催することになりました。
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https://www.funaisoken.co.jp/seminar/050597
本セミナーは平成から令和の時代に代わり、また東京オリンピックが開催される2020年以降を乗り切っていただくための特別企画で、
・ご参加無料
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の企画でございます。
ぜひ、せっかくの機会でございますのでご参加をご検討いただければと思います。
セミナー会場で皆様とお会いできますことを、心より楽しみにしております。
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<【ご参加無料!特別セミナー】経営者の皆様へ セミナーのお知らせ>
中期経営計画 ~年商100億円の設計図のつくり方~
【東京会場(船井総研五反田オフィス)】
2019年10月29日(火)13時~16時
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・経営者思考をもった次期社長の後継者を育成したい
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↓↓↓本セミナーの詳細・お申込みは、こちら!(別ページにジャンプします)
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/050597
2020年を境に、同じ業界なのに、伸び悩む会社とガンガン伸びる会社と企業間格差がさらに激化していきます。
現在、売上30億円未満で成長が止まる企業の共通点として、
(1)デジタルシフトが遅れている
(2)社長がいまだに全てを決めている
(3)組織における30人の壁、あるいは100人の壁を越えられていない
(4)採用力が弱い
(5)「昨対何割アップ」といった現在の延長線上の経営計画しかない
が挙げられます。1つでも当てはまる方は是非お聞きいただきたい内容です。
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