米国西海岸グレートカンパニー視察セミナーレポート:3日目(2019年 9月19日 木曜日)
- ●視察3日目は朝一番でシアトルからサンノゼに移動。
- ●サンノゼにてZoom社の視察からスタートします。
【視察8社目】ズーム(Zoom Video Communications, Inc.)
(1)同社の概要
- ●同社の創業者でありCEOのEric S.Yuan氏からの講演。
- ●現在創業8年目で今年4月にナスダックに上場したばかり。2300名の従業員を抱える。なお、昨年の今頃は従業員1300名であり、米国でも有数の急成長企業である。
- ●米国で最も使用されているビデオ会議システムである。次に使用されているのが日本。
(2)同社CEOエリック氏の理念
- ●創業者は1997年に技術者としてシスコに入社、バイスプレジデントまで昇進。その後同社を退職してZoomを一人で立ち上げた。
- ●CEOとして大切にしていることはCare(気にかける)であり、最も気にかけていることは従業員がハッピーかどうか。従業員がハッピーであればお客様もハッピーになれる。
- ●会社の価値は株価で判断されるものではない。株価は結果論である。
- ●自社のミッションはMeet Happyである。ビデオ会議の会社は従来たくさんあった。ただ、お客様をハッピーにするという価値観の会社はなかった。ユーザーフレンドリーで、質の高いサービスを生み出すことができた。
- ●朝起きたら今ハッピーかどうかを考える。また1日の終わりには、もしやりなおせるとしたら何をやり直すかを考える。会社の経営は長い旅であり、私生活との両立が大切である。
(3)Webビデオ会議システムZoomの概要
- ●ZoomはSaasであるので、高価なハードウェアやシステムが不要である。
- ●またZoomはNPSスコア(=人に進めたい商品であるかどうか)が70%であり、ソフトウェアとしては極めて高い。ソフトウェアの世界では50%あれば高いと言われている。
- ●Zoomは無料版と有料版がある。無料版から有料版に切り替えてもらえる確率は10%である。
(4)Zoomの企業文化と技術的優位性
- ●創業者が在籍していたシスコから優秀なエンジニアを引き抜き、技術開発を行ってきた。
- ●あらゆる機能を融合した統合型サービスを志向している。カスタマーファースト(顧客第一)を志向している。
- ●またミーティング、ウェビナー、コンファレンスと、機能と用途を広げてきている。
- ●Zoomはクラウドであるが、顧客から最も近いデータセンターからサービスを提供することができる。世界中のどこにいても、どんなデバイスでも接続することができる。
- ●ユーザーのレビューでは最も高い評価を受けている。
(5)同社のオフィスツアー
- ●同社のオフィスはZoomを活用した、いわゆるIoT会議室となっている。
- ●各会議室は“ヤンキース”など、野球チームなどの各種スポーツチームの名前がついている。
- ●例えば次の図の様に、ディスプレイ、駆動機能を有するカメラ、スピーカー、コントロール(カメラ駆動など)デバイスなど各種ハードは、どこのメーカーであっても対応ができる。これがクラウドによるオープン化のメリットである。これに対して、従来のポリコム等はハードもソフトもセットであり、その結果、拡張性が低く、かつ高価なものとなっていた。
- ●同社のオフィスの会議室では、ホワイトボードの代わりにタッチパネル機能を有する大きな(70型くらい?)のディスプレイが設置されている。
- ●ホワイトボードに書いた内容はその場で各自のスマホなどメールを有するデバイスに瞬時に議事録等として転送が可能である。会議室の外にはデバイスがあり、そこから、その会議室がいつ空いているかが確認でき、その場で予約ができる様になっている。
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