米国西海岸グレートカンパニー視察セミナーレポート:1日目(2019年 9月17日 火曜日)
- ●9月16日 月曜日、成田空港よりJAL便とANA便でシアトルに出発。
- ●シアトル到着後、サウスセンター(ワシントン州最大のショッピングセンター)での昼食を経由して、視察先1社目のアマゾン・ドット・コムに向かいました。
【視察1社目】Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)
(1)アマゾン・ドット・コムの概要
- ●アマゾンは売上25兆円。うち10%がAWS事業であるが、利益の60%はAWSによってもたらされている。
- ●毎年2.3兆円の投資を行っている、テクノロジー企業である。
- ●アマゾンは長い間赤字であったが、これは利益を全てテクノロジーへの投資に充ててきたことが理由である。
(2)AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の概要
- ●同社AWSマネージャーより講演。AWSは当初、スタートアップ企業で多用されていた。
- ●その後、大企業に普及したが、中堅・中小企業マーケットは抜けている状態であった。
- ●現在は、中堅・中小企業マーケットを重視している。
- ●IoTにより、クラウド環境でスマートフォンからデータを集めることが容易になった。データを集めることにより予測ができる。
- ●例えばアマゾン自身も物流倉庫をIoT、AI化しており、よく買われる商品ほど前の棚に置いている。同時に人が動くのではなく、棚そのものを動かすことでリードタイムの最小化を図っている。
(3)アマゾンGOについて
- ●商品にタグはついていない。コンピュータビジョンにより商品が買われたかどうかを判別している
- ●店舗の天井には膨大な数のカメラが設置されており、入店したお客の性別や年齢の概算も識別している。
- ●POSでは把握できない、購買プロセスを把握して、新ビジネスにつなげることが同店の目的である。リアルワールドでの情報収集。
- ●最初はアマゾン社員向けであったが、現在ではシアトルに5店舗展開している。
(4)アレクサについて
- ●AI、IoTによるOPENプラットフォームである。
- ●日本でもロボットホームがアレクサを実装することにより、スマートホームを実現している。
- ●アメリカではアレクサを活用して、オフィスのIoT化、効率化を図っている。
(5)AWSの事例について
- ●過去10年間で70回もの値下げをしている。ソフトウェア会社の発想としては珍しい。アマゾンは小売りの発想なので、コスト削減はお客様に還元するという思想である。
- ●昨年1年間だけでも2000もの機能を追加している。165以上のサービスを展開。数百万ものユーザーが全世界にいる。
- ●回転すしのスシローは、AWSにより寿司ネタのタグ管理を行っている。その結果、15分後に売れるネタを予測して機会損失を無くしている。
- ●またアメリカではピザの自動販売機があるが、自動販売機内の部品の予防保全をIoTにより行っている。
- ●他にも灯油の宅配の最適化など(IoTにより灯油が減った家のみを回る)により、コストを大幅に下げている事例がある。
- ●近年では警察でも画像認識による犯罪捜査にも応用がされており、指名手配がかかっている人物の識別を、警察官が持っているカメラにより行える。
(6)アマゾンの組織文化について
- ●アマゾンの成長の原動力は、全てカスタマー・オブ・セッション(=顧客の視点)であり、カスタマー・フォーカスである。具体的に1)価格 2)選択肢 3)利便性 を重視している。
- ●さらにアマゾンが重視していることは ①カルチャー ②メカニズム ③アーキテクチャー ④組織 である。
①カルチャー
・リーダーシッププリンシパルには14の重要項目がある。
・最もリーダーシップで重視していることは「カスタマー・オブ・セッション」であり、
次に「オーナーシップ」である。
・長期にわたる誤解を厭わないリーダーシップを評価している。
例えば最初はキンドルも賛否両論のあるデバイスであるが、現在では成功をおさめている。
・ONE WAY DOOR なのか TWO WAY DOORなのか?
前者はやりなおしがきかないから時間をかけて決めるべきだが、後者なのであれば、まずはやってみる。
②メカニズム
・メカニズムとは、プロセスをさらに完全にしたもの。完全なプロセス。
・誰がやっても変わらないレベルに仕組み化されたものを指す。
・例えば商品開発は下記ステップ(=ワーキング・バックヤード)で行う。
・プレスリリースを書く(商品はまだできてもいないが、それがどの様に評価されているのかを規定する)
・FAQを練る(想定される顧客からの質問を洗い出す。
・ビジュアルでお客様体験を詰める。
③アーキテクチャー
・顧客が使いたいときに、それが用意されていること。例:AWSにおける165ものサービス。
④組織
・アマゾンが求めているのはビルダー(=実際に手を動かして完成させる人)。現場主義を重視。
・2ピザチーム(=2枚のピザでお腹がいっぱいになるレベルでの人数)で組織を構成して、適切な組織運営を行う。
・失敗を恐れない。例えば同社のスマホ Fireフォンは失敗に終わったが、その技術がアレクサに結び付いている。
【視察2社目】Amazon Spheres(アマゾン スフィアズ)
- ●アマゾン スフィアズは、シアトル市内のアマゾン本社キャンパスの一部です。
- ●内部には750種類の植物が植えられており、目的はアマゾン従業員のワークスペースであり、ラウンジでもあります。
- ●夜は社員がいないため、植物に最適な熱帯雨林とおなじ環境を人工的につくりだしている。また、植物専門のスタッフ(研究員)も在籍している。
- ●基本的にアマゾン社員でないと入れない。毎月第二土曜日、第四土曜日は抽選により内部の見学が可能となっている。
【視察3社目】パイク・プレイス・マーケット
- ●現存する全米のマーケットの中で最も古い、シアトルの台所といわれる市場が、シアトルのパイク・プレイス・マーケットです。
- ●スターバックスの1号店があり(上記写真)、観光名所となっています。
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