次の様な興味深い中小製造業があります。
・ここ10年間連続で、売上は毎年20%以上増加。
・創業20年で国内総従業員数230名超。
・グループ売上 前期15億円 ⇒ 今期20億円弱。
驚くほどのスピードで成長を遂げていますが、同社はれっきとした部品加工業です。 しかも日本国内は人口減で超人手不足の中、若く優秀な社員をドンドン採用することに成功し、業績を右肩上がりで伸ばしているのです。
それが、愛知県西尾市に本社工場を置く部品加工業、大野精工株式会社です。
同社の創業者で代表取締役社長である 大野 孝久 氏 は、福岡県の出身。株式会社デンソーを経て現在の大野精工を創業しました。
大野精工は次の様なユニークな工場の組織づくりを行っています。
1)ピラミッド型組織の廃止
2)形だけの管理職は不要
3)期間社員・派遣社員は雇わない
4)「まだまだあと10年かかる」はNG。新入社員をすぐに戦力化する
5)「凄い技術」は不要。普通の技術で利益をあげる
例えば同社では「マスクの着用」は原則禁止です。 風邪をひいてしまい、どうしてもマスクを着用しなければならない時は、マスク使用願いを出して社長決裁を取る必要があります。
なぜか?
マスクは顔を隠すのでコミュニケーションを阻害するから、というのがその理由です。風邪をひいたら周りにうつさない様にマスクをするのは常識ですが、マスクをしたからといって予防効果はほぼ無いと言われています。なのに不必要にマスクを着用している人が多く、確かにそれはコミュニケ―ションは疎外されます。
また同社では「派遣社員・期間社員」は雇いません。
それはなぜか?
それは同社が「社員を幸せにする」という理念を掲げているからです。派遣社員や期間社員では生活が不安定で、家庭を持つことも持ち家を持つこともできません。 社員を雇用する以上、最低限家庭を持つことができる、持ち家を持つことができる、社員を幸せにすることが経営の目的だと明言されています。
「幸せ」の定義は極めて哲学的です。何をもって「幸せ」なのか、ただお金を多くもらうことが必ずしも本人にとっての幸せにはつながりません。社員の幸せを追求する、そこには極めて哲学的なテーマがあります。
また大野社長は「職人、という言葉は嫌いだ」と言われます。
それはなぜですか?とお聞きすると「自分に酔っているから」と言われていました。
「凄い技術」「他社にはできない技術」を持っているから儲かるとは限りません。 逆に「凄い技術」「他社にはできない技術」というのは所詮ニッチであり、そこを追求しても需要が限られている。それよりも「普通の人材」で「普通の技術」を追求した方がはるかに利益につながる、というのが同社の考え方です。
確かに、「凄い技術」が儲かるとは限りませんし、「普通の技術」で超高収益を実現しているケースは多々あります。
例えばキーエンスです。
先日の日経新聞でも特集されていましたが、先期、同社の従業員の平均年収は2088万円になったそうです。7期連続で過去最高益を更新、売上高5870億円に対して営業利益は3178億円と、営業利益率は何と54%にもなります。 日経新聞では「他社の追随を許さない独自技術は持たないが、競合と比べて利ざやが大きい」と書かれていました。独自技術の有無よりも、顧客価値を訴求するビジネスモデルの有無が利益をもたらすことは明白です。
例えば大野精工では自社での部品加工だけでなく、表面処理メーカーは50社以上、熱処理メーカーは10社以上と常時取引。なんと300種類以上の表面処理、熱処理に対応することが可能です。
言い換えれば顧客である設計者・開発者からの、
「この部品の耐久性を上げたいのだけど、どんな材料・表面処理がベストか?」 といった質問に対応できることはもちろん、
「大野精工なら加工だけでなくトータルで頼めるから楽だ、安心だ」 というイメージ、そしてブランドにつながっています。 同社ではこうしたノウハウを集約したWebサイト「機械部品VA・VEドットコム」を立上げ、顧客価値につながる情報をデジタルで発信しています。
また同社では新品の部品をつくるだけにとどまりません。 同業他社はまず保有していない肉盛りが可能なレーザー溶接機を保有しており、損傷した機械部品を短時間で再生することが可能です。 レーザー肉盛りによる部品再生は新品製作と比較してコストは60%の削減が可能、納期は95%も短縮が可能です。
顧客の側の立場に立つと、「加工だけでなく材料や表面処理、熱処理にも詳しく、相談にのってもらえる」「新品の部品製作だけでなく部品再生も対応してもらえる」「それなら大野精工と取引しておいた方がメリットありそうだな」ということになります。
キーエンスは顧客ニーズに対応した商品を短期間に数多く開発することで、高収益を実現しています。 大野精工も顧客ニーズに対応した新サービスを繰り出すことで、顧客からの支持を集めているのです。
つまり、大切なことは自社しかできない「凄い技術」を持つことではなく、それよりもお客様の困りごとである「顧客ニーズ」を常につかみ、それに対応する新商品・新サービスを生み出すことなのです。
そして来る2019年 7月 5日(金)東京会場にて、また 7月11日(木)大阪会場にて、大野精工 大野社長を特別ゲスト講師(動画によるご講演となります)として、部品加工業向け「儲かる工場をつくる方法」経営セミナーを企画いたしました。
「儲かる工場をつくる方法」経営セミナーの詳細・お申込みはこちら!
https://lpsec.funaisoken.co.jp/factory-business/039852_lp/index.html
大野精工 大野社長は原則、講演をお受けになりません。今回はご無理をお願いし、インタビュー動画によるご出演ということでご了承をいただきました。
本経営セミナーでは私、片山も講師として登壇いたします。
また船井総合研究所の部品加工業向け経営勉強会 ファクトリービジネス研究会(全国108社の会員企業様)における、高収益化の成功事例につきましても、詳しくお伝えしたいと思います。
大野精工様に限らず、現在 高収益・高成長を両立されている部品加工業には、ある一定の普遍的なルールがあります。そうしたことを今回の経営セミナーではお伝えしたいと思っています。
本セミナーの詳細は上記URL、または下記をご参照ください。 本セミナーの会場で、皆様とお会いできることを心より楽しみにしております。
船井総合研究所 ものづくり・エネルギー支援部 上席コンサルタント 片山 和也
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経営者の皆様へ セミナーのお知らせ
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毎年2割成長を実現!儲かる工場をつくる方法 部品加工業
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東京会場 7月 5日(金)13時~16時30分
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愛知県西尾市に本社・工場を置く大野精工株式会社では、次の様な成果を上げ続けています。
・ここ10年間連続で、売上は毎年20%以上増加。
・創業20年で国内総従業員数230名超。
・グループ売上 前期15億円 ⇒ 今期20億円弱。
こうした同社のポリシーは次の通りです。
1)ピラミッド型組織の廃止
2)形だけの管理職は不要
3)期間社員・派遣社員は雇わない
4)「まだまだあと10年かかる」はNG。新入社員をすぐに戦力化する
5)「凄い技術」は不要。普通の技術で利益をあげる
こうした同社の取組みとは?そして高収益・高成長を両立する部品加工業の多数の成功事例、共通点、普遍的なルールとは? そうしたことを本セミナーではお伝えしたいと思います。
本セミナーの詳細・お申込みは下記URLからご覧いただけます。
ぜひセミナー会場で、皆様とお目にかかれることを楽しみにしています。
↓↓↓本セミナーの詳細は、こちら!
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