視察14社目:ハイネケン・エクスピリエンス
1)ハイネケン・エクスピリエンスについて
- アムステルダム市内にある、ハイネケン・エクスピリエンスに訪問。
- 元々はハイネケン社が所有するビール工場であったが、1988年に閉鎖。1991年に改装され同社の博物館となっている。
- 館内は同社の歴史やビール生産のプロセス、また同社が生産するビールを飲むことができる。
- ビール生産の工程を体感できるライドや、見学者の氏名をボトルやグラスにマーキングしてくれるサービス等、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を重視した施設である。
2)ハイネケンについて
- ハイネケンは1863年にヘラルド・A・ハイネケンにより創業された。同社4代目のフレディ・ハイネケンがマーケティングの手腕に長けており、シェアを伸ばした。
- 現在同社はアンハイザー・ブッシュ・インベブ(バドワイザーの親会社)、SABミラーに次ぎ世界第3位のシェアを持っている。
視察15社目: ザーンセスカンス
- かつては600もの風車が集積していた、世界最古の工業地帯と言われています。
- 約250年前、このエリアには木材板、絵の具、マスタード、油、紙などを風車の動力を活用して生産していました。
- 現在は観光名所として、木靴の製作実演、チーズの実演販売、風車内部の見学コース等が用意され
視察16社目:INGグループ(ING Group)
1)INGグループについて
- INGグループは、アムステルダムに本社を置く世界的な総合金融グループである。
- INGとは、”Internationale Nederlanden Groep”を意味し、1991年3月にオランダで1世紀半の伝統を誇る世界的な保険会社「ナショナーレ・ネーデルランデン」と、オランダの大手銀行「NMBポストバンク」との合併により、保険業と銀行業が融合された世界的な総合金融機関となった。
- 現在では、欧州、北米、中南米、アジア、豪州など世界の多くの国々で、個人・法人・機関投資家などの顧客に対して、銀行・資産運用・生命保険・年金事業を展開し、豊富な経験と専門知識を活かした卓越したサービスで多様なニーズに応えている。
- 今回はジャパンデスク 藤森氏と ソーシャルメディア責任者トム氏 よりご講演いただきました。
2)同社のソーシャルメディアへの取組み
- ソーシャルメディアにはお客様向けのものと、社員向けのものがありますが、いずれも重要とINGグループでは考えている。
- 実際、購入にあたってブランドに興味がある人は55%、またSNSでの活動を前向きに捉える人は75%、さらにブランド価値とSNSは深く関わっていると考える人は82%いる。
- 同社には50万人のフォロワーがおり、200万人とのつながりがある。
3)同社のソーシャルメディアを支える部門と目指すサービス
- 同社のソーシャルメディアは3つの部門により支えられている。
①Webcare(スタッフ14人)
②Conversation Management(スタッフ10人)
③External Comunication(スタッフ8人) - SNSへの書き込みに対して、「否定的」「中立」「前向き」に分類してモニタリングしている。否定的なコメントを少なくし、前向きなコメントを増やすアクションにつなげようとしている。
- 同社が目指すのは Proactive Service と呼ばれるサービスである。すなわち顧客からリクエストが来る前に、そのサービスを提供することである。
- 同社のSNSマーケティングに対する評価の指標は、1)どれだけページ見てくれているか 2)どれだけWeb上のツールを使っているか 3)どれだけ買ってくれたか 4)どれだけダウンロードしてくれたか ということである。
4)同社のソーシャルメディアによるマーケティングの成果
- 全顧客の4%をSNSによって獲得している。
- また「この会社を人に紹介したい」と思っている人がどれだけいるのか、という指標がNPSである。通常は金融機関のNPSは低くマイナスであったりするが、INGはプラス35と高い評価を獲得している。
- こうした一連の取組みの結果、2014年にはオランダで最もSNSを活用している会社と表彰された。