生産財業界の市況が、かなり低調になってきました。
半導体や液晶の生産設備に関わる仕事が0になった、あるいはトヨタ系の大手自動車部品メーカーからの仕事が昨年秋の1/2になった、といったケースも散見されています。
一時期は、通常納期1~2ヶ月の直動ガイドが納期10ヶ月~1年といった状況になっていましたが、某大手直動ガイドメーカーT社も、6月には大半の製品が通常納期に戻る、と言われています。
では、これからの経済見通しはどうなっていくのか?
未来のことは誰にもわかりませんが、未来予測を行っている有名な国際機関にIMF(国際通貨基金)があります。
IMFによると2018年の経済見通し(GDPの前年比%)は下記の通りでした。
<IMFによる2018年の経済見通し>
全世界 3.2%
米国 2.9%
中国 6.6%
日本 1.1%
さらに今年2019年は下記の通りです。
<IMFによる2019年の経済見通し>
全世界 3.1%
米国 2.5%
中国 6.2%
日本 0.9%
2019年は2018年と比較して総じて下がっていることがわかります。
さらに2020年の予測は、
<IMFによる2020年の経済見通し>
全世界 2.9%
米国 1.8%
中国 6.2%
日本 0.3%
ちなみに、経済見通しで最も信頼性が高いのがIMFの経済見通しと言われています。
アメリカのFRBが年内の利上げを見送った背景には、上記の様な経済見通しがその背景にあったものと思われます。
しかしこの予測をみると、総じて世界経済が減速傾向にあることはわかるのですが、日本の後退ぶりが恐ろしく目立つ、ということです。今年10月から消費税が増税されますが、そうしたことも影響しているものと思われます。
こうした経済見通しから考えられることは、「さらに二極化が進む」ということです。
前述のIMFの見通しの通り、日本国内の内需は消費税増税もあり、またさらなる低所得化・デフレにより景気は厳しくなるものと思われます。
一方で情報通信における5Gの整備における特需、さらに世界中で増え続けるデータに対応する為のデータセンターの建設、そこで使用される膨大な半導体のニーズなど、伸びる産業は間違いなく伸びるわけです。
実際、2010年から2018年にかけて、1世帯あたりの消費支出は3万5000円も減少しています。ところが通信費だけは3600円増えています。低所得者であってもスマホにはお金をつぎこむ構造がそこに見えるわけですが、金銭的にも知識的にも本当の意味で二極化が進んでいることがよくわかります。
これらのことから総じて言えることは「力のあるグローバル大手企業はさらに伸びる」ということです。
中小企業の業績はお客で決まります。従って、自らがグローバル化するというよりも、既にグローバル化している強者である優良大企業との取引をいかに増やすか、ということが死活問題になると私は思っています。
つまり、自らリスクを取る必要はなく、リスクを進んで取りたい人、あるいはリスクを取るだけの力がある人を相手にビジネスを行った方がよい、ということです。
成功者は自らリスクをとりません。
例えば世界一のエネルギー会社であるエクソン・モービルの創業者、デビッド・ロックフェラー氏の場合。彼がリスクを取って油田をほったのは1回だけで、その様子は映画「ジャイアント」にもなっています。ロックフェラー氏はその油田であてた資金を元手に、石油の精製所をどんどんM&Aをしていきます。
石油は掘った状態では使えません。精製所で精製してはじめて使える燃料になります。
石油の精製は必需品ですが油田を掘り当てる様なリスクは0です。
また世界No2のエネルギー会社である、ロイヤル・ダッチ・シェルの創業者、マーカス・サミュエル氏も全く同様です。彼はもともとイギリス・ロンドンの雑貨商でした。
彼はイギリス海軍が燃料を石炭から石油に転換する、という話をききつけ、世界で初めてのタンカーを建造しました。
当時、石油は樽に入れて輸送されていたそうですが、この樽から石油が漏れ出す、また火災のリスクがあることから、どの船も輸送を断ったそうです。そこで同氏はタンカーをつくり、石油の輸送をかってでたわけです。
さらに、デビアスという会社をつくり、ダイヤモンド王といわれたセシル・ローズ氏も、当時ダイヤモンドラッシュで沸く南アフリカを訪れましたが、彼はダイヤモンド鉱山掘ろうとは全くしませんでした。
ダイヤモンドを掘ると大量の地下水が出てきます。その地下水を排出するためには高性能の水中ポンプが必要になるのですが、彼はその鉱山用水中ポンプの特許をおさえました。そして一手に鉱山用水中ポンプをダイヤモンド採掘業者に貸し出し、それで億万長者になったのです。
ジーンズで世界トップブランドのリーバイスや、世界的スープメーカーのキャンベルスープも、ゴールドラッシュでカリフォルニアを訪れた山師を相手にそれら商品を売り、財をなしたことは有名な話です。
従って、我々中小企業も、
・ICT
・IoT
・AI
・CASE
・Maas
・5G
・EV/HV/PHV/FCV
など、こうした巨大マーケットで自ら覇権を争うのではなく、覇権を争っているグローバル企業、あるいは勝ち組になりそうな大手企業と付き合った方がよい、ということなのです。
また、特に受託型製造業の場合、従来の価値観から新たな価値観に切り替えていく必要があります。
それは「近くのお客」「昔からのお客」が、意外と儲からない、という事実です。
例えば「近くのお客」。
近いが故に、色々な仕事をいってきます。その仕事の中には“儲かる仕事”もあれば“儲からない仕事”もあります。
今までは「いや、この儲からない仕事をやっているからこそ、儲かる仕事も回してもらえるんだ!」という考え方が王道でした。
しかしこれからはどうでしょうか?働き方改革、あるいは採用難・人手不足の中で“儲からない仕事”をやる様な時間的余裕や精神的余裕は無いはずです。
ですから逆に「遠くのお客」「伸びている新しいお客」から、本当に自社が得意な仕事を請ける収益構造に転換していった方が、当然のことながら会社は儲かり、良い会社となり、社員の働き甲斐もあがります。
では、どうすれば
・自社の本当の強みがわかり、
・これから伸びる勝ち組のお客を見つけ、
・いかに自社の仕事にしていく
ことができるのでしょうか?
そこで、船井総合研究所 ものづくりグループでは、下記の通り経営セミナーを企画いたしました。
【東京会場】2019年5月30日(木) 13時~16時30分(受付開始:12時30分)
【大阪会場】2019年6月20日(木) 13時~16時30分(受付開始:12時30分)
今回の経営セミナーは、「自動機・省力化機械メーカー」いわゆる「セットメーカー」の経営者の方が主な対象となります。
↓↓↓自動機・省力化機械メーカーの詳細はこちら!!
https://lpsec.funaisoken.co.jp/factory-business/039853_lp/index.html
いわゆるセットメーカーは、部品加工業以上に新規開拓が困難な業種です。なぜなら商品の単価が高く、かつ購買頻度が低いからです。
ところがそうした業界の中で、本セミナーの特別ゲスト講師である、愛知県半田市に本社・工場をおく自動機・省力化機械製造業の株式会社トライテクス(従業員19名)は、2018年からデジタルマーケティグをスタート。
毎月5~7社の新規顧客見積もり獲得や、新規優良顧客3社の開拓に成功しており、自社の強みをより訴求することにより、収益性を2倍に上げることに成功しました。
同社が実行したことも、前述の
・いかに自社の本当の強みを把握し、
・いかにこれから伸びる勝ち組のお客を見つけ、
・いかに自社の仕事にしていくか、
といったことです。詳細は本セミナーでお伝えしたいと思いますが、私、片山も本セミナーに登壇いたします。
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ぜひ、本セミナー会場で、皆様とお会いできればと思います。
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