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海外視察レポート

オランダ先端企業視察セミナーレポート:3日目(2015年 6月10日 水曜日)

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視察10社目:デモクウェークライ(Demokwekerij)

(1)同社の概要

  • 同社は2001年に設立、従業員は14名であり、技術の提供者と農家との橋渡しを行う役割を担う。民間企業ではあるが、政府からの補助金を得ている。
  • 農業の技術革新を世界中に広げていく、というミッションを持っている。
  • 当初は6つの会社の技術を広げる役割を担っていたが、現在では28の会社とタイアップしている。中には気候を管理する会社も含まれている。
  • また同社そのものも11000㎡の広さの温室を持っており、ポッププラント(観葉植物)の栽培を手がけている。

(2)同社が所在するエリアの特徴

  • 同社が所在する Westland(ハーグ近郊)というエリアには2500の温室、800社の関連企業、6万人の関係者が働いている。オランダにおける関連産業の従事者は10万人のうち6割もの人材が集中している農業エリアである。

(3)同社の主な事業内容

  • 同社の事業内容は大きく3つであり、1)デモンストレーション 2)研究 3)知識の共有 である。
  • デモンストレーションについては、ショールームでの常設展示に加えて年に1回展示会を行っている。同施設には年に14000人、50カ国から視察団が来ている。また年間180回の視察ツアーを行っている。
  • 研究については、自社自らポッププラントの生産を行いながら ワーゲニンゲン大学とも共同研究を行っている。
  • 知識の共有については、自社自らトレーニングプログラムを持っており、学校などにトレーニングプログラムを提供している。またベトナムなど海外への同施設の展開も計画している。

(4)同社のビジネスモデル

  • 同社のビジネスモデルは、展示している28社からフィーを受け取っている。また製品販売の成約につなげることで、フィーを受け取る。また研修プログラムの提供を収益化している。
  • 毎年15%ずつ売上は上がっている。
  • 企業との共同研究(プロジェクト)に関しては、1年間に2万ユーロのコストからスタートさせている。あるいは数週間という短期間のプロジェクトを行うことができる。

(5)スマートアグリについて

  • スマートアグリの温室の建設コストは、1㎡あたり150ユーロかかる。
  • ドローンも活用している。温室の中を飛ばすことにより温室内の温度・湿度測定や昆虫の状況を把握することができる。
  • 現状のスマートアグリにおいて人件費は全コストの25%である。今後、スマートアグリをより大規模化・ロボットなどによる省力化を進めることにより、人件費率をより下げていきたいと考えている。

視察11社目:アムステルダム・スマートシティへの取組み:電気自動車

  • アムステルダム市内には、電気自動車用の充電装置が1860ヶ所に存在し、3000人の電気自動車ユーザーがいる。
  • 現在、オランダではガソリンが1リットル1.7ユーロと非常に高い。電気自動車のメリットが出易い。1kwあたりの充電コストは30セントである。
  • 充電装置は家庭でも購入できる。900~1500ユーロかかるが、購入すると市から500ユーロの補助金が出る。
  • アムステルダム市に本社のある、タクシーエレクトリック社は、世界で初めての電気自動車のみのタクシー会社である。2年前のスタート時は日産リーフ5台でスタート。現在はテスラも含めて25台のタクシーを保有している。
  • 同社が設立したきかっけは、タクシーが及ぼす環境問題が都市の大気に大きな影響を与えていることがわかったため。同社のミッションは 1)街の環境を良くする 2)大気汚染を無くす ということである。
  • 当初は同業のタクシー会社からの反発もあったが、徐々に顧客を増やしていった。日系企業のニコン、オムロン、KLM航空、大手金融機関などである。
  • 電気タクシーは通常のタクシーと比較してランニングコストが安い。特にメンテナンスが少なくてすむため、通常のタクシーの1/5程度のランニングコストである。導入後3年間で60%の投下費用を回収することができる。
  • イニシャルコストは割高である。日産リーフで4万ユーロ、テスラで9万ユーロである。電気チャージステーションのコストは50万ユーロかかった。

視察12社目:アムステルダム・スマートシティへの取組み:電気船

  • オランダには電気船を推進する国家プロジェクトがある。パークラインという会社が中心となり電気船の普及を推進している。
  • アムステルダムに44ヶ所、ロッテルダムに89ヶ所の電気船充電装置がある。

視察13社目:アムステルダム・スマートシティへの取組み:3Dプリンタ・ハウス

  • アムステルダムの3Dカナル・ハウス・プロジェクトでは、3Dプリンタを活用した家づくりの研究を行っている。同施設にはアメリカのオバマ大統領も訪れた。
  • 建築物を3Dプリンタで製作することのメリットは 1)経済的である 2)環境に優しい ということである。
  • 通常は建材を工事現場まで運ぶ必要があり、そこで無駄な輸送コストやCO2が発生する。3Dプリンタであれば工事現場で建材がつくられるので、無駄が少ない。
  • また通常は建築工事後に大量の廃棄物が出る。3Dプリンタは廃棄物が出にくく、出ても材料を再利用するなど環境に優しい。
  • 例えば、トウモロコシの粉からつくられたプラスチックによる3Dプリンティングも研究している。現状は強度不足で主要箇所では使用できないが、内装で使用することができる。
  • 大型の3Dプリンタも製作し、現在は建築の為の全工程において必要な研究を進めている。今後、実際の建築を進めていく予定である。
  • 本プロジェクトを進めているのは、現地民間の従業員13名の建築設計事務所(DUS&PARTNERS社)である。国からは多少の補助金が出ている。ただしオバマ大統領も訪問するなど、その宣伝効果で同社自体の新規受注も増えているという。
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