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新規開拓5%の法則

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前回のレポートにも書きましたが、今動いているのは「自動車」と「スマートフォン」の2分野です。

例えば私の関係先の取引先で、液晶検査装置のメーカーがあります。この会社は液晶バブルが弾けたあとの2~3年、非常に苦戦しました。

しかし今は業績が絶好調です。理由はカーナビのタッチパネルの検査装置を手がける様になったからです。

スマートフォンなど、通常使用されるタッチパネルの生産ラインは抜き取り検査です。

ところがカーナビのタッチパネルは、場合によっては人命に関わりますから全数検査が取られています。絶対に外せない分野だからこそ、日本製の検査装置にニーズが集中しているといいます。

この事例は自動車分野の話です。

また今はロボットや射出成型機、一部の工作機械が飛ぶように売れています。ボールネジや精密減速機など、周辺機器も納期が3ヶ月や半年、という声も聞かれる様になっています。

これは9月に発売される予定の、アップル・アイフォン6の影響によるものです。

さらに今、中国には400社ものスマートフォンメーカーが乱立しています。さらに、これらスマートフォン用の半導体メーカーも中国国内に増えており、こうした会社からの大きな受注も聞かれます。

では全ての会社の業績が上がり調子かというと、そうではありません。

アベノミクスと円安効果により製造業は好調と言われながらも、一部では“隠れ倒産”が増えるなど、業績の二極化が見られます。

そうした中で、いつの時代も業績が良い会社の共通点として常に「新規開拓」を重視している、ということが挙げられます。

例えば私の顧問先を見ても、過去1年間にできた新規顧客の売上を「新規顧客売上」とした時、全体の売上に占める新規顧客売上の比率が5%を超えている会社はリーマン・ショックの際も業績が落ちませんでした。

もちろん現在も業績は好調で、昨年対比で130%を超える顧問先もあります。

この5%という数字は何となくの数字ではありません。

例えば化学品メーカーとして名高い3M社の場合、過去3年間に発売された新商品を売上全体の15%以上とすることが営業に課せられています。3Mの営業はいかに売上を上げたとしても、新商品を売らないことには評価されないのです。3年間で15%ということは、1年で5%ということです。

またノギス・マイクロメータなどの工業用測定器で国内シェアの8割以上を取る優良企業、ミツトヨの場合も、過去5年間に発売された新商品を全体の25%以上を売ることが営業に課せられています。これも5年で25%ですから、1年だと5%となります。

常に好業績を維持するには、「新商品を売る」のか「新規開拓を行う」のかいずれかです。自社商品を持たない会社の場合は「新規開拓を行う」ほかありません。

ぜひ新規開拓5%の目標にチャレンジしていただきたいと思います。

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