片山和也の生産財マーケティングの視点【IQとEQ】
営業マンには次の3つのタイプの人がいます。
1)提案営業ができる営業マン
2)御用聞きならできる営業マン
3)御用聞きもできない営業マン
もちろん理想は1)です。提案営業ができる営業マンが揃っている会
社は、どんな不況期でも業績が良いものです。
ところが多くの場合、提案営業ができる営業マンは、営業マンが10
人いたとして、そのうち2~3人くらいでしょう。
4~5人は御用聞きならできる営業マンで、2人くらいは御用聞きも
できない営業マンです。
御用聞きもできない営業マン、というのは配送でもトラブルを起こす
人のことです。決められた時間にこない、荷物を間違える、あいさつ
ができない、相手の感情を損なう、というタイプの人です。
こういう人は客先から「あいつは配送にもこさせるな!」となります
から、御用聞きもできない営業マンなのです。
何がこうした能力を分けるのかというと、それはIQよりもEQです。
IQというのは知能指数のことで、いわゆる頭の良さを計るものです
が、EQというのは“心の知能指数”という概念です。
言い換えれば、「どれだけ相手から共感されるか」「どれだけ気配り
ができるか」という能力がEQです。ちなみにEQのEはエモーショ
ナル(=共感)のEです。
営業現場では、このEQのことを“センス”といっています。「あい
センスが有る」「あいつはセンスが無い」 全てEQが高いか、低い
か、ということなのです。
営業の場合、IQというのはそれほど関係ありません。
それよりも大切なのはEQです。営業に限らず、IQは非常に高いの
に社会的には全く成功していない人がいて、その人のEQを調べると
著しく低かった、という心理学の実験データも数多くあります。
提案営業ができる人、というのは実はEQが高い人です。相手が何を
望んでいるのか、何を求めているのかがわかるから、提案営業ができ
るのです。
逆にEQが低い人は、例えば「報連相」が全くできません。また「報
連相をしなさい!」といくら言っても改善しません。それまで20数
十年の間に、親と家庭環境で培われた“育ち”というものは、そう簡
単に変えられるものではないのです。
では何が大切なのかというと、それは「採用」です。
また短時間の採用面接の中で、本人を見極めることは困難です。なの
でその本人の親のこと、あるいは親との関係性を探るほうが、より本
人のことを理解することができます。
そして何事にも例外はありますが、親が商売人の子供は、多くの場合
EQが高いです。特に飲食店や旅館など、日銭を稼ぐような商売の場
合、その傾向が強いといえます。
あるいは職人、農家の子供というのは良く働く傾向にあります。
また親が教師の場合も、説得力・共感力に長けるケースが多くありま
す。船井総研のリーダークラスでも、親が学校の先生、という人が結
構います。
あるいは社会に出て「良い上司」に恵まれたかどうか、ということも
重要なポイントです。要は上司が親以上の影響を本人に与えることが
できれば、その人の行動パターンや考え方も変わります。
また本人の成長というのは、連続的な成長ではありません。非連続の
成長です。ですから、ある時にパッと成長するタイミングがあるわけ
で、教育は粘り強く続けていくことが必要です。
いずれにせよ、人間の行動パターンは置かれた環境で決まります。本
人にとって最大の環境とは、その人の上司であり、中小企業であれば
社長なのです。
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