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2018年6月の全国の市況

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 前回のメルマガで生産財業界においてもこの4月以降、少し景況感に鈍りが出てきている、とお伝えしましたが、ここ1ヶ月くらいで、さらにそうしたことを象徴するニュースがいくつか入ってきました。   台湾・中国のEMS・スマホメーカーに小型工作機械を供給するF社ですが、中国から1000台規模のキャンセルが入ったといいます。同社は5-9月で3000台の生産計画を組んでいたそうですが、この計画を50%に引き下げる、といいます。   また昨年の秋頃からLMガイド、ボールねじの供給がひっ迫してきました。こうした動きもあり、エンドユーザーはかなり余分目の発注をしてきましたが、ここにきて実需と発注量との間に乖離がではじめ、一部ではキャンセルの動きも出てきています。   さらに有機ELの生産装置で唯一ともいえる新潟県のメーカーC社でも、今年お盆の納期であった案件が、今年年末に納期がずれる、といった事案もでてきているそうです。

 また一方で興味深い話を最近聞きました。それは現在「実は人手不足ではない」という話です。   財務省の所管で各エリアに財務局がありますが、この財務局では各エリアの景況感や人手不足の状態を地元企業の経営者にヒアリングして景況感をまとめています。そして東海財務局のある関係者の話によると、実は今は人手不足に見えて人手不足ではない、と。   ニュースを見ていると人手不足な気分に陥りますが、ニュースで言う求人倍率は、多くの場合ハローワークでの求人と、それに対しての求職者の割合で有効求人倍率を出します。しかし、この関係者曰く「冷静に考えてみてください、今どきハローワークに仕事を探しに行きますか?」と。   確かに、今どきハローワークに仕事を探しにいく人はいません。今どき大半の人はネットで求人情報をあたります。このご時世でハローワークに行く人は、よほどコンピューターが苦手な人、あるいは持っていない人、あるいは高齢者の人でしょう。   そして、このネットでの求人状況、求職者状況については当局もほとんど把握ができていない、といいます。

 そして前述の東海財務局の関係者が企業経営者に聞き取り調査をしたところ、実はそれほど人手不足ではないのだと。   その要因はロボット・あるいは自動化・合理化投資です。   例えばロボットについて言うと、今年の生産額見込みは1兆円ですが、ほんの5年ほど前まではロボットは5000億円産業でした。ところが5年で2倍。もちろん輸出されている分もありますが、それだけロボットが国内の市場に行き渡っている、ということなのです。   さらに加工機も複合機やパレット仕様のものが以前より売れており、イニシャルコストは高くとも、賢明な経営者は人がつかなくてもキャッシュを生み続ける、高付加価値の設備を導入しています。   また事務所業務においても、近年はやりのRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)が中小企業でも入れられる様になり、人がやらなければできない業務は減っています。   その中で今人手不足なのは、そもそも付加価値がそれほど高くないため、自動化・省力化を行っても効果が乏しいサービス業・飲食業に限られてきている、しかも正規社員ではなく非正規社員が求められている、というのです。  

 確かに以前、船井総研の専務取締役である唐土が「かつて土地神話が崩壊した様に、人が採れなくなるという人材神話も崩壊する可能性がある、その兆候が出ている」という話をしていました。 世の中に「絶対」ということはない、ということなのです。   「経営は人だ」確かにそうですが、人は仕事がなくなるとモチベーションが下がりますし、先行きが見えないと会社を辞めてしまいます。従業員は、あるいは社員は経営者ほど心が強くないのです。 従業員の、社員のレベルを上げ続ける、人のレベルを上げ続ける施策・教育は経営にとって必須ですが、ここ10年~20年の様々な会社の実情をみていると、「経営は人だ」という以前に、「経営はビジネスモデル」なのではないでしょうか。   不況期でも赤字にならない、仕事がなくならないビジネスモデルをきちんとつくることこそ、「経営は人」を持続するためにも大切なことではないでしょうか。

  執筆:㈱船井総合研究所 上席コンサルタント 片山和也

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