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連載:成熟産業が「営業のデジタル化」で、成長業態に生まれ変わる方法 ~第4回目~

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<第4回目:B2B営業必須のツール、マーケティング・オートメーションとは?>

 

では、このマーケティング・オートメーションとは何でしょうか?

 

マーケティング・オートメーションとは、近年大手企業を中心に導入が進んでいる「顧客獲得の自働化」を目的とした営業ツールです。

 

特にB2B分野での営業活動に有効とされるマーケティング・オートメーションは、実務的にはメールマガジンを中心に構成されます。

 

「毎日たくさんのメールマガジンが送られてくるが、本当にメールマガジンは効果があるのか?」と思われる方もおられるかもしれませんが、B2B分野の専門的な内容のメールマガジンは開封率が非常に高く、私のコンサルティング先のメールマガジンの開封率は平均で15%を超えており、高いケースだと20%を超えるケースもあります。

 

そうしたメールマガジンの内容はVA・VE技術情報など、ターゲットとするエンジニアの顧客価値を実現する内容のコンテンツをつくる必要があります。

 

そして、マーケティング・オートメーションを導入すると、メールマガジンの送り先の、誰がいつ開封したのかがわかります。

 

さらに、そのメールマガジンを開封した人が、自社のホームページのどこのページをどれくらいの時間閲覧したのか、そこまでわかります。

 

そこであらかじめ、自社のホームページの、このページをみたら何点、という風にポイントを決めておくことで、顧客ごとの自社に対しての関心を示すスコアリング(=可視化)が可能になります。

 

 

そのスコアリングの結果を見ると、

「あっ、この人はこういう情報に興味・関心があるのか!」

「この人のスコアは高いけども、営業が普段行けていないな!」

など、メールマガジンとWEBサイトへの閲覧結果を、通常の営業活動に反映することができるのです。

 

 

ちなみに、このマーケティング・オートメーションの世界的メーカーが、アメリカ・ボストンに本社を置くハブスポットという会社です。

 

同社は2009年12月期の売上が661万ドルだったのに対し、2016年12月期には2億7096万ドルにまで成長しています。

わずか7年間で50倍近い脅威の成長を遂げています。

 

同社の成長をみると、いかにマーケティング・オートメーションが、実は世界の会社で導入されているか、ということがよくわかります。

欧米のホワイトカラーの生産性の高さが、よく日本と比較されますが、彼らの生産性の高さには、こうしたシステムに裏付けられた仕組みが存在するのです。

 

 

ただし、今までのマーケティング・オートメーションには、いくつかの弱点がありました。

 

 

まず導入費用の高さです。世界的に有名なマーケティング・オートメーションとして、前述のハブスポットやマルケトと呼ばれるシステムがありますが、いずれも毎月のランニングコストが数十万円する様な高価なシステムです。

 

 

次に導入・運営の難しさです。ハブスポットもマルケトも、米国のシステムです。本場の米国では零細・中小企業も実は結構マーケティング・オートメーションを導入しているのですが、それを輸入して使いこなす立場の日本では、人的資源が豊富な大手企業でしか事実上導入が難しかったのです。

 

余談ですが、某大手通販会社のサイト、あるいは某大手センサー会社のサイトを閲覧していると電話がかかってきて、

「今ご関心のあるセンサーですがデモ機をご用意できますがいかがですか?」

とお誘いを受ける、といったご経験をされたことがある方もおられるかもしれませんが、これもマーケティング・オートメーションによる運用例です。

 

 

しかし、ここ数年、このマーケティング・オートメーションも、日本製のシステムがいくつかでてきました。

 

また、毎月のランニングコストが1~2万円、数万円程度のシステムも出てきています。

 

その結果、船井総合研究所のコンサルティング先である、中小製造業においても、マーケティング・オートメーションによる目に見える成果が出てきているのです。

 

~次回に続く~

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