「製造業のバブル」が加速しています。
正確に言うと「有機EL」「スマホ」「TNGA」「排ガス規制エンジン」バブル、といった方が良いかもしれません。
これら複数のミニバブルが重なり、大きなバブルになっている様にみえます。
実際、今年は失速が予想された工作機械の受注見込みが、1兆5000億円強と、2007年の過去最高の受注水準に準ずる見通しとなりました。
そして某大手リニアガイドメーカーは、毎月の受注が毎月の生産キャパをはるかに超えているそうです。従ってLMガイドやボールねじの納期はどんどん伸びています。
LMガイドはタイプによっては納期400日、またクロスローラと呼ばれる高剛性タイプは何と納期2年(!)というモデルもでているといいます。
こうした実情に、某日本を代表する大手工作機械メーカーの社長は「その、リニアガイドメーカーの工場に直談判する!」と憤慨したそうですが、そのリニアガイドメーカーからは「そういった直談判の類は一切お断りしています」と、事務的に拒否された、と聞きました。
現在の時流は「人手不足」に加えて「供給力不足」が時流になっています。しかしながら賃金は上がらず、また物価も上がらないという不思議な状態に陥っています。
GDPという景気指標が拡大しながら、賃金が上がらず物価も上がらない現象を、アメリカFRBのイエレン議長は「ミステリーだ」と記者会見で語りました。
また、誰よりも時流を読んでいるはずのソフトバンクが、アリババ株のデリバティブ取引で、2500億円もの損失を出しています。
同社の動向は常に注目を集めますが、売上高8兆円に対して負債は15兆円にものぼります。
また前述の某大手リニアガイドメーカーは昨年ごろ、トップの判断で中国からの大量受注を受けたそうです。
現在の需給のひっ迫が予想されていれば、おそらくその大量受注は受けなかっただろう、とある関係筋は語っていました。
この様に、現在という時代は時流を読むことが非常に難しい時代になっています。ただし間違いがないことは、
①人手不足対策(採用力UP、定着力UP、自動化)
②デフレ対策(価値売り、研究開発)
③一番化(独占的シェア)
④高収益化(上記①~③の集大成)
を進めなければならない、ということです。
上記はいわば「グレートカンパニー化」ということです。
船井総研ではグレートカンパニーを次の5つで定義しています。
1)持続的成長企業であること
2)熱狂的なファンを持つロイヤリティの高い企業であること
3)社員とその家族が誇れる、社員満足度の高い企業であること
4)自社らしさを大切にしたいと思われる、個性的な企業であること
5)世の中に広く大切にしたいと思われる、社会的貢献企業であること
最近、研究会やセミナーの場で私が「今は製造業バブルだ」という話をすると、「いや、ウチはその恩恵を全く受けていない」「全然そんな実感はない」というご指摘を受けます。
それは、前述のアメリカFRBイエレン議長がいうところの、GDP(=物理的な実態)と、賃金・物価(=心理的な実態)が一致しないという現象、また「スマホ」あるいは「自動車」に関わっていなければその恩恵が受けられない、ということです。
しかし長期的な持続、成長を目指すならば、無理にバブルの恩恵を受けようとするのではなく、それよりも自社の強みを伸ばし、上記1)~5)に取組んだ方が良いのではないかと私は思います。
今年も10月8日から1週間、「アメリカ東海岸グレートカンパニー視察セミナー」に講師として参加します。100名を超える経営者の皆様と、アメリカのグレートカンパニーを視察してきます。
アメリカでは今、アマゾン・ショックと呼ばれる流通の大激変が起きています。その中でトイザらスが倒産し、わずか半年間で4000を超える商業施設が閉鎖に追いやられるなど、大変な過渡期にあります。
しかし、そうした中でオンラインSPAと呼ばれる業態は業績を伸ばしており、オムニチャネルの展開に成功した小売業は業績を伸ばしています。またノードストロームの様に、ロイヤリティの高い顧客を抱えたグレートカンパニーはネットの時代でも業績を伸ばし続けています。
こうした大激変の時代でも持続的成長を続ける本場のグレートカンパニーの取組みを、視察セミナー中はリアルタイムでフェイスブックにアップしていきます。
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ぜひご覧いただければと思います。
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