7月のファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会での特別ゲスト講師でお呼びした、二九精密機械工業の二九社長様は、この8年間で同社の売上を16億円から32億円に大躍進させた敏腕経営者です。
その二九社長が言われていましたが、「社内で管理職を0から育成しようと思ってもうまくいかない」。
研修だの何だの、いろいろやったけどもうまくいかない。結局外部から管理職の経験がある人を中途採用した方が圧倒的に早道である、と二九社長は言われていました。
また、別の私の関係先の話ですが、ここの会社は従業員100名ほどの商社です。当初は中途社員の採用が中心でしたが、2000年代になってからは業績も安定してきたこともあり、新卒採用に切り替えました。
そして当初採用した新卒は確かに優秀でした。それまでベテランが敬遠してきた新商品や新規開拓にも積極的に取組み、社内は当初活性化していきました。
ところが7~8年ほどして問題が起き始めました。
いわゆる組織マネジメントができないのです。肩書は課長なのに会議よりも営業を優先する、会議中でもお客からの電話に平気で出る、部下の指導・育成ができないなど、弊害が目につく様になりました。
その結果、若手社員が大量に離職するなど様々な問題が起きました。
新卒採用された彼ら自身の上役も、管理職としてほぼ機能していなかった為、彼ら自身も「管理職とはどの様なものか」ということをほとんど理解しないまま、管理職になってしまったことがその原因でした。
その後、この商社でも方針を変更して新卒採用の比率を半分に抑え、抑えた分の半分は、中途のベテラン管理職を採用しました。
現在、この商社はリーマン・ショック前の過去最高売上を更新し、今期は悲願の年商100億を達成する見込みです。
結局のところ、「海を見たことが無い人」に海の説明をしても理解されないのと同様に、本当の意味でのプロ管理職を見たことが無い人、指導されたことが無い人に、プロの管理職になれ!と言っても、それは非常に難しい、というのが実情ではないでしょうか。
既に存在するビジネスモデルを定着させるには新卒採用が有効です。
あるいは既存のビジネスモデルを拡大していく為の計画的な組織拡大の為には新卒採用が必須と言えるでしょう。
ただし、新たなビジネスモデルを取り入れなければならない、新たなシステムを導入しなければならない、ということになると経験者である中途採用が必須になります。
組織を回すための管理職も、いわば新たなシステムの導入と同じことです。
従って、現在の様に新たなイノベーションを取り入れなければ時代の変化に取り残されてしまう様な時代は、新卒採用と並行して中途採用が必要になります。
これは言い換えれば、大企業が新たなノウハウを手に入れるためにM&Aに注力しているのに対して、小企業・中小企業は成功する中途採用を行うべき、ということです。
船井総合研究所も、コンサルティング会社としては珍しく、中途採用を重視している会社です。船井総合研究所のIR資料の冒頭に、「新卒200名採用」を謳うほど、新卒採用に注力している会社です。
しかし同時に、中途採用にも力を入れています。
実際、全く新しいコンサルティング分野は、ほぼ中途社員が切り拓いています。その後、その分野を定着させ、拡大させる段階になると新卒社員が有効に機能します。
逆に中途社員だけが中心のコンサルティング会社というのは、ある段階でバラバラになってしまうケースが多いです。
要は新卒採用と中途採用のバランスが大事であり、現在は時流的にいって、優秀な中途採用をいかに行うかということが非常に大事な様に見えます。
今の時代、中途採用を行う上で最も大事なのが「自社採用サイト」によるダイレクトリクルーティングです。
なぜ“ダイレクト”なのかというと、従来は中途採用を行うにはリクナビネクストやマイナビ、あるいはアイデムなど、採用媒体を使用して中途採用を行っていました。あるいはハローワークを利用して中途採用を行っていました。
現在はインターネットの検索エンジンに、自らキーワードを入力して就職先を探す求職者が劇的に増えています。
例えば自分自身がマシニングセンタのオペレータで、神奈川県内で仕事を探しているのであれば、
「マシニングセンタ オペレータ 神奈川 求人」
などと検索するわけです。
あるいは自分自身が、機械工具のルートセールスをしている営業マンで、福岡県内で仕事を探しているのであれば、
「ルートセールス 機械工具 福岡 求人」
などと検索するわけです。
例えば神奈川県のプレス加工会社、深沢製作所(従業員数41名)の場合、この10ヶ月強で138名の中途採用の応募を受け付け、うち3名の大手企業出身・即戦力人材も含めた優秀な人材の採用に成功しました。
同社の採用サイトには現在でも毎月10名以上の求職者から応募が来続けています。その中で、有望そうな人のみを選んで面接を行っていますので、いわゆる補充採用ではなく、優秀な人がいたら採用するというスタイルをとっています。
また、福岡県にある地域密着型の商社(従業員25名)の場合も、自社採用サイトを立ち上げ、約4ヶ月間で52名の応募を獲得、うち28歳の男性1名と、32歳の男性1名、計2名の採用に成功しました。
こうした、「自社採用サイト」によるダイレクトリクルーティングのメリットは下記の通りです。
1)ハローワークからの求職と比べて、断然にレベルが高い。
2)リクナビネクストなどの求職媒体の場合は、採用のたびにコストが発生するが、自社採用サイトであれば一度立ち上げればほとんどコストが発生しない。
3)地元エリアからの求職応募獲得に有利である。
4)業界・業種を狙い撃ちしやすい。
5)何よりも確実に求職者が確保できる。求職媒体の様に、多額のコストをかけながら空振りに終わる、といったリスクが無い。
私ども船井総合研究所 ファクトリービジネスグループでも、部品加工業向け、また機械工具商社向けに、こうしたダイレクトリクルーティングの成功事例がでてきましたので、それぞれの業界向けに人手不足対策セミナーを企画いたしました。
↓↓↓部品加工業向け 人手不足対策セミナー
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/022468.html
↓↓↓機械工具商社向け 人手不足対策セミナー
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/022467.html
インターネットの世界は、マーケティング同様に先行者利益が享受される業界です。先ほど述べた自社採用サイトによるダイレクトリクルーティングについても、ライバルが本格的に行っていない現在がチャンスだと思います。
ぜひセミナーへのご参加をご検討ください。
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