以前からこのコラムで申し上げていますが、不況に強い会社あるいは高収益の会社というのは「新商品売上比率」あるいは「新規開拓売上比率」に力を入れています。
自社ブランド商品を持つメーカーの場合は「新商品売上比率」に力を入れるべきです。
「新商品売上比率」に力を入れ、高収益経営ならびに永続経営を持続しているのが米国3M社です。
同社は100年以上配当を続けており、1959年からは1回も途切れることなく増配し続けています。
また米国3M社の営業利益率は24%にものぼります。
同社は過去5年間に発売した新商品の販売比率が、全体の25%を上回ることを常に経営目標としています。
日本の3M社も同じで、私の知人の3Mの営業担当者は、いくら売り上げを伸ばしても評価はされず、あくまでも新商品を売らないと評価されない、と言っていました。
ちなみに日本のミツトヨも、過去3年間に発売された新商品の売上比率15%を経営目標としているそうです。
一方、自社商品を持たない卸売業や受託製造業の場合は「新規開拓売上比率」に力を入れるべきです。
これは過去1年間に取引がスタートした新規顧客の売上を“新規開拓売上”として、それを全体の売上高で割り算したものが「新規開拓売上比率」です。この「新規開拓売上比率」は毎月算出します。
そしてこの「新規開拓売上比率」は常に5%を目標とするべきです。
例えば、機械工具商社。
地域密着型の機械工具商社は、大手ネット通販や卸直需・メーカー直需に押されて業界的には厳しい業界と言われています。
しかし京都市に本社をおくK・マシン株式会社様は、従業員31名という典型的な地域密着型機械工具商社でありながら、この10年間で年商13億円から年商27億円と、売上は2倍となっています。
同社は工作機械をほとんど取り扱っていませんので、こうした売上の伸び方は業界の中では極めて異例だと思います。
そんなK・マシン様が業績を伸ばしたポイントは、やはり新規開拓にあります。同社はこの10年間で800社の顧客を新規開拓し、現在の売上の約半分がこの800社からもたらされています。
同社の場合は「過去1年間に取引開始した新規顧客の売上が、全体売上の5%以上となること」を経営目標に掲げて、組織的に新規開拓に取組んできました。
「ウチの会社は特に強みもないから、新規開拓なんてできないよ・・・」そう思われる経営者の方もおられるかもしれません。
しかし生産財業界の場合は企業規模に関わらず、経営者あるいは担当キーマンの情熱があれば、どんな会社でも新規開拓に取組んで成果を上げることができると私は考えています。
例えば大阪府岸和田市に本社をおく、株式会社藤浪様は従業員8名の機械工具商社です。
従業員8名の商社というと、とてもではないけども大企業の新規開拓などは無理、というふうに思いがちです。あるいは気合と根性で“飛び込み訪問”をするしかない、その様に思いがちです。
しかし今の時代“飛び込み訪問”など絶対にうまくいきませんし、また行うべきではありません。
実際、藤浪様の場合も“飛び込み訪問”など一切行っていません。
しかしWEBサイトと技術セミナーをうまく組み合わせることで、なんと半年間で5社、その後2年間で15社もの中堅・大手優良企業から取引口座を獲得することができました。この中には上場会社あるいは上場会社グループ会社も多く含まれています。
その結果、現在は同社も新規開拓売上比率が5%を超えています。
機械工具商社の世界は、かつては「スケールメリット」あるいは「特値」の世界があり、企業規模がものを言う時代でした。
しかしネット通販で誰でもどこからでも生産財を買うことができ、EDIなども含めて価格情報もクローズにできなくなった現在、少なくとも生産財の流通業界は企業規模がものを言う時代ではなくなりました。
この7月12日(水曜日)に大阪で開催する「機械工具商社のための外注とインターネット戦略を活用した新 工事・メンテナンスビジネスセミナー」で私がお伝えしたいことはそういうことです。
↓↓↓同セミナーの詳細はこちら!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/019665.html
上記セミナーには特別ゲスト講師として、株式会社藤浪様で実際に新規開拓を推進されている仲井取締役様をお招きして、実際の体験に基づく実践的なお話をしていただきたいと思っています。
もちろん、私 片山和也も登壇いたします。
ぜひお一人でも多くの機械工具商社経営者の方にお越しいただければと思っています。
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