先日、経済産業省に伺う機会がありました。国を挙げて生産性を上げなければならない、ということで我々、部品加工業界に近いところでも“製造基盤技術を活かした「稼ぐ力」研究会”というワーキンググループがあります。
そして、そのワーキンググループが出した結論は、中小製造業にとって「稼ぐ力」を高める上で最も大事なことは、自社の「強みの見える化」だというのです。
船井総研は10年以上の長きにわたり、部品加工業のコンサルティングを行っていますが、一つ明確に言い切れることがあります。
それは「どんな町工場にも必ず独自固有の強みがある!」ということです。
ただし問題は、それを自身が明確に把握できているかどうか。さらにそれを効果的に表現して伝えることができているかどうか。
前述の経済産業省の室長曰く、「サポインを取るレベルのかなりハイレベルな部品加工業でも、強みの見える化ができていないところが大多数」だとのことです。
どんな部品加工業にも必ず次の3つの強みがあります。
(1)価値訴求の強み
「価値訴求の強み」は次の3つに分類されます。
1)選定技術による提案力
最適な素材選定と表面処理の選定による部品の高寿命化提案など
2)VA・VE提案力
機械加工業でありながら溶接が得意であり、削り出しから切削+溶接のVA提案が行える、など
3)工法転換提案力
プレス加工からダイレスフォーミングに置き換え、金型レス加工を実現できる、など
(2)スペック訴求の強み
スペック訴求の強みとは、いわゆる「米粒より小さな歯車がつくれます」の様な、凄い技術のことを指します。
いわゆる「限界値の訴求」というやつです。
ただしスペック訴求とはそれだけではありません。自社製品のメニュー化もスペック訴求の強みになります。
例えば「当社で製造したノズルは穴径Φ0.05、アスペクト比20」あるいは「当社で製造した架台は長さ3mでありながら平面度は4/100以内」といったことです。
(3)機能訴求の強み
例えば「ISO9001を持っている」「こんな設備を持っている」「5Sに取組んでいる」「国家技能士が何人いる」といった強みが、機能訴求の強みです。
前述の3つの強み(1)(2)は製造技術面の強みといえます。(3)は生産プロセスの強みといえます。
ここで強調しておきたいことは、これら3つの強みを全てきちんと押さえることが必須だということです。
その理由は次の通りです。
まず「価値訴求」だけでは具体的な引合いにつながりにくい、という弱点があります。お客様から「なるほど、勉強になりました」となってしまい、それで終わってしまうことが多いのです。
また「スペック訴求」だけでは、訴求内容がニッチすぎてそもそも引合いの絶対量が確保できません。
ですから自社の強みが「価値訴求」主体なのであれば、「価値訴求の中にスペック訴求」を表現する必要があります。
また自社の強みが「スペック訴求」主体なのであれば、「スペック訴求の中に価値訴求」を表現する必要があるのです。
そして「価値訴求の強み」と「スペック訴求の強み」を“見える化”するのが「集客サイト(ソリューションサイト)」です。
また「機能訴求の強み」を“見える化”するのが「会社案内サイト」です。
昨年8月に付加価値率10ポイントアップの成功事例をセミナーでご講演いただいた会員企業様のプラスエンジニアリング様、また今年2月に同じくセミナーでご講演いただいた木村製作所様、城陽富士工業様も全て同じ考え方で、ホームページがつくられています。
なお「自社の強み」の見つけ方と「見える化」について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ下記の無料動画をご覧ください。
↓↓↓無料動画:部品加工業社長のための自社の強みを見つけて自社を高収益化させるマーケティングの進め方(約18分)
また、ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会7月度のテーマは「自社の強みを発見して、その技術を確実にビジネスに結び付ける方法!」です。
今回は特別ゲスト講師として、京都で100年続く老舗部品加工業の二九精密機械工業株式会社 代表取締役社長 二九良三様をお招きしています。同社はこの8年間で売上を16億円から32億円に倍増させ、TBS「夢の扉」でも大きな注目を集める町工場です。
なお、本定例会は1社1回限定で無料お試し参加が可能です。
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