個人的な話で恐縮ですが、私は昭和48年生まれで今年40代半ばになります。
そんな私と全く同じ歳の部品加工業のモデル経営者の方が3人、京都にいらっしゃいます。3人とも私と同じく昭和48年生まれです。
お1人目は京都府宇治市に本社のある、株式会社名高精工所(従業員100名)専務取締役の名高新悟様です。
同社は機械加工の量産、という国内では難しい業態でありながら、アメーバ的に第1工場にはじまり、現在では第8工場まで事業を拡大されています。
そんな名高精工所のコンセプトは「国内で生き残る量産工場」です。同社は量産の仕事をしている会社としては珍しく、取引先はなんと120社以上にも及びます。
また同社の武器は「冶具力」と「ロボット力」による省力化・効率化技術です。
同社の設備の主体はマシニングセンタやCNC旋盤ですが、冶具を工夫することにより、最低限の段取り時間で高精度の加工を維持、またロボットと横形マシニングセンタを活用することにより、設備の無人夜間稼働で生産性をあげています。
その結果、人件費が高い国内においても海外と勝負ができる生産体制を構築、特に同社の「冶具力」は目を見張るものがあり、同じ京都の私の関係先も、同社の現場を見に行き勉強しているほどです。
そして同社は設備投資も戦略的に行っています。
万が一、今流れている仕事が切れてもその設備を他の仕事に流用できる様、特定の仕事にしか使えない専用機的な設備は導入しないことにしています。
まさに同社は国内で生き残る機械加工量産工場のモデル工場といえるでしょう。
そしてお2人目が京都市伏見区に本社をおく、株式会社クロスエフェクト(従業員30人)の代表取締役 竹田正俊様です。
同社は経済産業省主催 第5回ものづくり日本大賞で見事「内閣総理大臣賞」を受賞された日本トップクラスの試作加工・樹脂加工のモデル企業です。
同社が重視するのは何よりも「スピード」。例えば一般の製造業で使われているのは“日報”です。
しかし同社では“日報”は使いません。日単位の管理では遅すぎる、というのです。同社で使っているのはスマートフォンを活用した“秒報”です。
そんな竹田社長のお父様にあたる先代は、現在のクロスエフェクトとは全く真逆の製造業を経営されていました。
例えば現在のクロスエフェクトでは、何よりも特定顧客・特定業界依存を嫌います。ですから新規開拓に非常に熱心です。
しかし竹田社長のお父様にあたる先代は「よらば大樹のかげ」が口ぐせで、某大手家電メーカー1社のみと取引をしていました。
それで従業員は100名以上もいたわけです。
「特定顧客だけとの取引はリスクが高すぎる」と、竹田社長は意見しましたがお父様は聞く耳をもちません。
その後、この某大手家電メーカー自体が経営危機に陥り、結局お父様の会社は解散に追い込まれてしまいました。
こうした原体験のある竹田社長は、とにかく事業にエネルギッシュです。単なる試作加工・樹脂加工だけでなく、設計支援・開発支援まで行うため、現在シリコンバレーで盛んなハードウェアアクセラレーターにも参画。さらに最近では日本で唯一の「試作ファンド」を立ち上げるなど、今や製造業の枠にとらわれない活動をされています。
さらに同社の見逃せない点は、その本社工場そのものにあります。
クロスエフェクトの本社工場は、米国グーグル社の様なコンセプト・デザインであり、製造業というよりもクリエイターの様な環境を社員に、お客様に、さらには求職者(学生など)に提供しています。
同社の躍進の要因の1つは、この本社工場そのものにあります。
同社は間違いなく日本の製造業をリードしている1社でしょう。
さらに3人目が、京都市右京区に本社をおく、株式会社最上インクス(従業員95名)の代表取締役社長 鈴木 滋朗様です。
同社は日本を代表する有名な精密薄板試作、ならびに精密プレス加工業です。
最上インクスの競争力に秘訣は、市販の設備を活用しながらも、これはというコア部品については社内で内製した設備により、加工プロセスそのものを内製化している点にあります。
特に近年ではIoTの導入に積極的に取組み、付加価値率ならびに稼働率を従来の何と2倍にまで高めることに成功されています。
さらに同社の鈴木社長は「営業利益率20%を目標にしている」と語ります。
まさに同社はIoTを活用した、デジタルエンジニアリングによる生産性アップのモデル工場と言えるでしょう。
そして今回、何とこのモデル企業3社を1日でまわり、上記3名のモデル社長様からご講演いただく、部品加工業「社長の仕事視察セミナーin京都」を、来る7月7日(金曜日)9:30~17:30にて企画いたしました。
↓↓↓社長の仕事視察セミナーin京都の詳細はこちら!
こうした3社ものモデル企業の現場を目にし、かつそのモデル企業の社長の講演を聞ける機会は中々ないと思います。
社長・経営者の方のご参加はもちろん、これから事業承継を考えておられる次期経営者の方のご参加もお奨めしたいと思います。
本視察セミナーはバスや会場の関係もあり、先着35名様限定となっております。ぜひお早目のお申込みをお願い申し上げます。
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