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GEのファストワークス

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前回のコラムで、仕事を「速くこなす」ことが利益に直結すると申し上げました。

今、世界中の企業の中で、この「速くこなす」ことに世界一力を入れている会社が、おそらく米国GEでしょう。

次の様なデータがあります。

日本を代表する製造業である三菱重工は売上高4兆4855億円、従業員は8万3932人です。

そして三菱重工の営業利益率は6.9%です。

これに対して米国GEの売上高は約12兆3700億円、全世界に30万7000人の従業員がいます。

日本の三菱重工の実に3倍の企業規模です。

ところがGEの営業利益率は11.4%にも及びます。

三菱重工の約2倍です。

企業規模が大きくなると、得てして利益率は低下します。その要因は生産性の向上以上に、管理コストが高くつくからです。

ところがGEは三菱重工の3倍もの企業規模にもかかわらず、収益性は三菱重工を大幅に上回っています。

その理由は何でしょうか?

実はGEは、現在のCEOであるジェフ・イメルト氏が就任してから、「ファストワークス・エブリデイ」をキーワードとして、とにかく「速くこなす」ことに力を入れているのです。

またジェフ・イメルト氏は次の様にも語っています。

「100%を目指すよりも、いち早く製品を市場に投入して修正を重ねる方が結果的に顧客の利益にかなう。泰然と構えた大企業であっては、この時代を生き残れない」

我々も大いに見習うべきでしょう。

ちなみにGEは15年前、「シックスシグマ」という取組を全世界で行っていました。

これは「Right First Time(最初から適切に行う)」というプロセスであり、日本でいうとIE(インダストリアル・エンジニアリング)7つ道具やカイゼン活動に相当するものです。

つまり現在の「ファストワークス」とは真逆の概念です。

実際、この「シックスシグマ」の教育を受けた幹部の中には、現在の「ファストワークス」に対して大いに違和感を持つ人も大勢いたといいます。

しかし時代の変化とともに「やり方」を変えるのは経営トップとして当然のことです。

ちなみにGEは創業120年以上の老舗企業です。

変化をいとわない組織だけが生き残る、現在のGEの変化を見ているとそう感じます。

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