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「自社らしさ」を追求するためのポイント

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1月20日のアメリカ大統領就任演説は、ニュースでも報道されている通り、抗議デモの一部が暴徒化して大混乱がおきました。

近代の法治国家としては前代未聞の出来事です。

2017年は混迷の時代の幕開けになりそうです。

そうした時代の象徴的な出来事として、ヘッジファンドの大物として知られるジョージ・ソロス氏が、トランプ大統領当選の相場を見誤り、10~20億ドル(1000億円~2000億円)もの損失をだしたそうです。

ジョージ・ソロス氏といえば、1992年のポンド危機の際にはポンドを売り浴びせ、10~20億ドルもの利益を手にしたといわれています。

彼は「イングランド銀行を負かした男」として世界に名をとどろかせ、いちやくヘッジファンドの世界ではカリスマの地位にのぼり詰めましたが、そんな彼でも先が見通せないほどの混迷の時代になった、ということなのです。

こうした混迷の時代に個人として、そして組織として取組むことは、

・自分らしさの追及

そして

・自社らしさの追及

なのです。一言でいえば「アイデンティティー(identity)」そして「コンセプト(concept)」が極めて大切な世の中になる、ということです。

 

極めてわかりやすい一例を挙げてみたいと思います。

あらゆる産業の中でも「外食産業」は可処分所得の減少からマーケットが縮小しピークの1997年で30兆円あった市場規模が、その後の20年間で23兆円にまで縮小しています。

例えばファミリーレストランのデニーズも、ここ10年間で200店舗もの不振店舗を閉鎖しました。

その中でほぼ同じ業態で、かつ客単価はデニーズよりも低いはずのコメダ珈琲は、売上高昨年対比116%で営業利益率は22%。

店舗数でもデニーズを抜いており、今年上場予定の成長企業の1つとなっています。

なぜ同じような業種・業態でここまで差がつくのでしょうか?

それはコメダ珈琲がどこまでも「自社らしさの追及」をしているのに対し、業績不振の会社はそれができていない、ということなのです。

例えばコメダ珈琲の看板メニューは「シロノワール」というパンケーキです。それに対して前述のデニーズの看板メニューを応えられる人はほぼいないと思います。

またコメダ珈琲の人気メニューの中に「コメチキ」というメニューがあります。様は“から揚げ”なのですが、ただ“から揚げ”とネーミングするのではなく、コメダのチキンだから「コメチキ」とネーミングして、味にも特徴を出していることがポイントです。

なぜならこれも「自社らしさの追及」だからです。

例えば三菱電機やソニーなど、なみいる大企業と並び日経優秀製品・サービス賞2016を受賞した有限会社スワニーの「デジタルモールド」も「自社らしさの追及」を具現化した技術だと思います。

スワニーの「デジタルモールド」は、3Dプリンタで製作した型を樹脂型として、小ロットの樹脂成形をローコストかつ短納期で実現する技術です。

3Dプリンタは画期的な技術ですが、最大の弱点は材料費用が高い、ということです。レンガ状のブロックくらいの大きさのもので、十数万円ものコストがかかります。

しかし、このコストはワークとしてみると高すぎるコストですが、金型としてみれば“しれている”コストです。

それどころか金型であれば十数万円であればローコストです。もちろん3Dプリンタでつくった金型ですから大ロットには対応できないでしょう。

しかし「小ロットの射出成形をしたい」というニーズに対しては、画期的な技術です。

3Dプリンタを「ワークをつくる」という視点ではなく、「金型をつくる」という視点で見るという、まさに画期的なコンセプトだと私は思います。

では、こうした「自分らしさ」「自社らしさ」というのはどうすれば見つけることができるのでしょうか?

まず個人レベルの話をすれば、「自分らしさ」を見つけるためには目の前の仕事に全力で取組むことです。

よく「給料が安い」とか「自分に向く仕事がわからない」という人がいます。「給料が安い」と嘆く前に、もらった給料の10倍分くらいの仕事をするべきです。

そうすれば相応の地位や待遇が与えられるでしょうし、何より何が「自分らしさ」なのかに気がつくでしょう。

また会社レベルの話をすれば、多くの「お客様」と対話をすることです。言い換えれば「新規開拓」に全力で取組むことです。

「お客様」との対話無しに、自社の強みはわかりませんし、従って「自社らしさ」を追及することもできません。

特に部品加工業の場合、ほとんどの市場において取引先が固まっていますから、そこに割って入る「新規開拓」は相応の難しさを伴います。

例えば新規開拓で見積りを出しても、多くの場合こちらの方が高いわけです。なぜなら、そのお客様には既に既存の取引先があって、その既存の取引先は「実績」があるからです。

つまり治具もプログラムも設備も、その仕事に向いた内容のものを既に持っているわけで、新規開拓というのはこちらが圧倒的に不利なわけです。

ところが「新規開拓」も場数を重ねていくと、なぜか見積りがスッと通ることがあります。

あるいは最初は「高い!」と言われても、なぜかそのお客がまたこちらに戻ってくることがあります。

そうした仕事こそが自社の強みであり、「自社らしさ」を追及するためのテーマでもあったりします。

例えば私の顧問先の部品加工業A社の場合も、ある新規開拓の大手優良ユーザーに見積りを出したところ、大半の部品で、

「既存取引先の2倍の価格ですね」

と言われました。ところが中には

「この部品は既存取引と変わりませんね!むしろ安くなりそうです」

と言われた部品がありました。

「既存取引先の2倍の価格ですね」と言われた部品は高精度・複雑形状ながら、熱処理・研削を伴わないマシニングの仕事でした。

ところが旋盤+マシニング+熱処理+研削+表面処理といった、多工程の熱処理・研削を伴う仕事は、そこの既存取引先と同等以上の競争力があったのです。

その大手優良ユーザーからは「実は既存の外注を活性化させるためにも、VA・VE提案をしてくれるポテンシャルサプライヤーを探していました。ぜひ取引してください」とトントン拍子に取引口座もでき、今では月次数百万円のリピート受注が来る様になりました。

この様に、部品加工業界も含む、生産財マーケットというのは「市場ニーズ」がビジネスの全てです。

なぜ新規開拓が必要なのかと言うと、それは市場ニーズをつかむためなのです。

さらに部品加工業界における新規開拓では、次の3要素を押さえておく必要があります。それは、

1.マッチング

2.タイミング

3.コネクション

です。

まず前述のケースでもそうですが、相手が自社のことを見つけてくれないと話は始まりません。それが「マッチング」ということです。

さらに「タイミング」も大事です。例えば某大手優良企業の資材担当者は、常に新規サプライヤーを探して展示会や商談会を回っています。

その理由を聞くと、「いえ、既に既存の取引先もあってかなり安く買っている自信もあるのですが、もっと安いところもあるかもしれないので常に探しているのです」とのことでした。

この話だけ聞くと「そんな先には見積りも出したくない!」と思われる方も多いかもしれません。

しかし、その資材担当者はさらに続けます。「あとですね、新製品開発の時には既存の取引先ではできないことがあるんです」「その時に、新しいサプライヤーを設計開発に紹介できる様に、あらかじめ決まったテーマでポテンシャルサプライヤーを探しておくんです」

これこそが「タイミング」です。

この「マッチング」と「タイミング」に対して、最も効果的に対応できる販促手段がホームページです。

特に「マッチング」を目的とするホームページのことを、ソリューションサイトといいます。

大半の会社がコーポレートサイト(=目的:会社案内)は持っていますが、ソリューションサイト(=目的:マッチング)は持っていません。

また、昨年10月からグーグルが検索エンジンの検索ルールの変更を発表しました。端的に言えば、モバイル対応しているサイトあるいはW3Cと言われるホームページ制作基準の最新バージョンに適応しているかどうかで検索順位が大きく変わります。

お客様の「タイミング」が合致して検索された際、自社のホームページが少なくとも1ページ以内に表示されなければ、クリックされる確率は劇的に下がります。つまり「マッチング」に至りません。

なお、船井総研では無料ホームページ診断を行っています。

先着10名様にはなりますが、下記URLからお申込みいただくと、現状の自社サイトがグーグルの新基準に適合しているかどうか、また改善点などを無料にてご提案させていただきます。

↓↓↓無料ホームページ診断はこちら!

https://factory-business.com/lp/seizougyou-web/

 

また部品加工業の新規開拓には「コネクション」も大事です。

例えば展示会や商談会で一度でも顔を合わせた上でWebを見るのと、ただWebだけを見て引合いを出すのとでは、相手の心証は全く違います.

実際、私の関係先でも、大手ユーザーと月次数百万円を超えるリピート受注になるケースは、Web+展示会 あるいは 展示会+Webの合わせ技です。

しかし展示会は費用と時間がかかる割には成果が乏しいことから、数回は展示会に出したものの、その後は出展を見合わせるケースがよく聞かれます。

そこで船井総研では「ものづくりVA・VE技術マッチングフェア」という独自の商談会を、昨年から東京・名古屋・大阪3会場で開催しています。

↓↓↓船井総研のマッチングフェアの様子

 

ぜひ「自社らしさ」を追及すると同時に、伸ばすべき強みを知るためにも、

1.マッチング

2.タイミング

3.コネクション

に対応した新規開拓マーケティングに、2017年は本格的に取組んでいただきたいと思います。

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