皆様 新年明けましておめでとうございます。
さて、次の動画は1分50秒ほどの短い動画ですが、来年アメリカ・シアトルにOPEN予定の、アマゾンGOという無人コンビニの衝撃的な動画です。
↓↓↓アマゾンGO動画(1分50秒)
買い物客が棚から商品を手に取り、カゴに入れたとたんに自動的に課金されます。何に課金されるかというと、この買い物客が持っているアマゾンに登録してあるクレジットカードに対してです。
さらに、この買い物客が「やはり要らない」と、カゴに入れた商品を棚に戻すと、今度はお金が返金されます。
このアマゾンGOの店舗では、膨大な数のカメラや画像センサーが使われており、画像認識で購入有無の確認を行うのです。
日本でもユニクログループのGUでは、RFIDを使用したセルフレジが導入されていますが、コンセプトが従来のセルフレジとは全く異なることがわかります。
アマゾンはこの無人コンビニを、まずはアメリカで400店舗展開する計画を持っています。
現状はこのシステムは膨大なコストがかかっており、店舗システムの業界関係者の話だと、少なく見積っても1店舗2億円くらいかかるだろうと言っていました。
ただし今後は量産効果などにより、こうしたコストも劇的に下がることでしょう。
ちなみに昨年のグレートカンパニー視察セミナーでは、シアトルにあるアマゾンのリアル店舗1号店、アマゾン・ブックストアを視察しました。
ではなぜ、アマゾンはリアル店舗に注力しているのでしょうか?
1つはEC化率、という言葉がある通り、ネット(=EC イーコマース)だけでは全ての販路をカバーできないからです。
例えば化粧品のDHCなども当初は通販だけでしたが、現在はリアル店舗も持っています。その理由も同じです。
アマゾンも店舗を持つことで、従来のネットだけではカバーできなかった顧客まで顧客層を広げたい、という狙いがあります。
2つ目は顧客・購買データをさらに集めたい、ということです。こうしたビッグデータをアマゾン・フレッシュ(アマゾンの生鮮商品通販)に反映させ、より精度の高いビジネスを行いたい、という狙いがあるそうです。
3つ目は、初めからウォルマートを競合相手として意識していた、ということです。
今や日本では、流通業者としてイオンがダイエーを凌駕し、そしてセブン・イレブンなどコンビニがイオンを凌駕しています。
アマゾンの創業者、ジェフ・ベソス氏の自伝を読むと、アマゾン創業当初からウォルマートをライバル視していたことがよくわかります。
アマゾンはアメリカだけでなく、日本の流通業界にもこれからさらに大きな影響を与えるでしょう。
いずれにせよアマゾンGOは、AIとIoTを駆使した第4次産業革命の賜物といえます。
一般論としては、こうしたAIなどの登場により、多くの職業が失われます。例えば今後、アマゾンGO型の店舗が一般的になれば、レジの従業員は要らなくなります。
しかし歴史を振り返ると、新たな産業が古い産業を凌駕した時、そこにはさらに大きなマーケットが生まれています。
例えば馬車を凌駕した自動車は、当時世界No1馬車メーカーだったスチュード・ベーカー社を廃業においやり、観光地以外では馬車業者は壊滅しましたが、かつての馬車産業とは比較にならないほど大きな自動車産業となりました。
また最近の例でいえば、アメリカのシェアライドサービス、ウーバーは既存のタクシーから大半の客を奪いました。
ところがカリフォルニア州では、ウーバーのおかげでシェアライドも含めた旅客移動サービスそのものの市場規模は、ウーバーが普及する前の3倍にも膨らんだそうです。
例えば前述の無人コンビニの場合、失礼ながら低付加価値のレジ打ちアルバイトは不要になります。
ところが、無人システムを支えるカメラ、画像センサー、赤外線センサー、音声認識装置など付加価値の高い製品のマーケットは劇的に広がることになります。
当然のことながら、こうしたカメラやセンサー、さらにこうしたシステムの稼動を支える半導体やストレージなどのマーケットも広がり、半導体製造装置の需要や、ひいては工作機械の需要も増えるでしょう。
現在の第四次産業革命など、こうした時代の大きな岐路において、最も大切なことは「情報」です。
知っているか、知らないか、ということが致命的に大きな影響を自社のビジネスに与えることになります。
さらに 見たことがあるか、無いか あるいは 行ったことがあるか、無いか といったことも、これから大きな影響をビジネスに与えることになると思います。
私ども船井総合研究所ファクトリービジネスグループとしましても、経営者の皆様にとって事業の成長・成功につながる情報をご提供すると同時に、現在のチャンスをものにするためのセミナーや視察などの企画を、昨年よりも数多くご提供していきたいと考えております。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
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