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トランプ大統領が与える影響

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資本論の著者、カールマルクスは「歴史は繰り返す。最初は悲劇だが二番目は茶番だ」と言いました。また鉄血宰相と言われたドイツのビスマルクは「賢者は歴史に学ぶ」といいました。

私見ですが、今回のトランプ大統領の一件はまさに「歴史は繰り返す」だと感じました。

予想だにしない人物が大国の指導者になった例として、ナチス・ドイツのヒトラーが挙げられます。あの時代、多くの市民はヒトラーを指導者に選びたかったわけではありません。当時勢力を伸ばしていた「共産党」が嫌であっただけであり、共産党と敵対姿勢を鮮明にしていたナチス・ドイツが消去法で政権を奪ったにすぎません。

その後、国会議事堂に放火があり、犯人は共産党とされてまず共産党が弾圧されました。その後、ヒトラーを警戒していた有力者であるヒンデンブルグ大統領が亡くなり、その後の「悲劇」は歴史が示す通りです。

今回も類似しています。民衆はトランプを選びたかった訳ではなく、現状にNOを突きつけただけです。

「歴史は繰り返す。最初は悲劇だが二番目は茶番だ」が事実なのであれば、これから起きることは「茶番」ということになりますが、仮に「茶番」であったとしても、それが経済に与える影響、特に輸出国である日本に与える影響は全く予想ができません。

例えば公約通りアメリカがNAFTA(北米自由貿易協定)から離脱する様なことがあれば、既にメキシコに進出している日本の完成車メーカーや部品メーカーは大打撃を受けます。

この様に全く「予想がつかない」という意味で、これから経営者は「非常時の経営法」で経営にあたる必要があります。

「非常時の経営法」とは「危機管理」を第一に行うことであり、「危機管理」の第一歩は、最悪に備えて「シナリオ」をつくることです。

メディアは無難なことしか言いません。フランス・パリに本部のあるNGO「国境無き記者団」が毎年発表する“報道の自由度ランキング”で、日本はボスニア・ヘルツェゴビナよりも下位の72位です。

ほとんどの大新聞が「トランプは意外と常識的」「ビジネス手腕に期待」との論調ですが、もしそうでなかったらどうするのか?ということです。

特に私が専門的にコンサルティングを行っている受託型製造業・生産財商社の場合の「不況対策」としては下記3つのことが挙げられます。

1.特定顧客はもちろん、特定業界に依存しない。

2.収益性を高める。営業利益率10%以上。商社の場合は3~5%以上

3.自社が「日本一」を目指せる分野を見つける。あるいは増やす。

例えばドイツの優良企業として、ボッシュという会社があります。

同社は10兆円近い売上でありながら非上場を貫き、120年以上の社歴を誇ります。同社は世界的な自動車部品メーカーとしても知られますが、同時に世界的な建設業向け作業工具メーカーでもあり、さらにあまり知られていませんが、医療機器も手がける多角化企業です。

また不況になると必ず売上が下がります。売上が下がった時に収益性が低ければ、すぐに赤字になります。

赤字になると人件費を減らすなど、リストラを考えざるをえなくなります。ですから普段から収益性の高いビジネスを行っておく必要があるのです。

また、さらにこれから「デフレ」が加速します。中国を始めとして世界中が生産力過剰です。さらに技術革命によりエネルギーコストが下がっていることが、より一層この「デフレ」に拍車をかけるでしょう。

「デフレ」に対抗する唯一の手段が「研究開発」です。では、何をテーマに「研究開発」するのかといえば、それは「自社が日本一を狙えるテーマ」に他なりません。

私ども船井総合研究所ファクトリービジネスグループでも、先ほど述べた3つのポイントについて、机上の空論ではなく実際の成功事例に基づく業界に直結したリアルな情報発信を、今まで以上に力を入れて行っていきたいと考えております。

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