来月10月9日より毎年恒例のグレートカンパニー視察セミナーで、アメリカ西海岸を訪れます。グレートカンパニー視察セミナーとしてアメリカを訪れるのは今回で4回目です。アメリカのグレートカンパニーを理解する上で知っておくべきポイントとして、私は次の3つがあると思っています。
1.マニフェスト・デスティニー
アメリカが躍進した歴史的土壌として「明白なる天命」(manifest destiny)という考え方があります。「明白なる天命」とは、彼ら白人(欧州からの移民者)にとってアメリカ大陸は神からもたらされた恩恵であり、さらにその勢力(領土)をどこまでも拡大することが神の意思であるという、それが「明白なる天命」という考え方です。グーグルの理念は「世界中の全ての情報を検索できる様にする」、フェイスブックの理念は「世界中を全て透明にする」ということですが、アメリカ企業が往々にして壮大な理念を掲げる理由、また理念を重視する理由の根底がマニフェスト・デスティニーだと私は思います。
2.プラグマティズム
アメリカの思想を一言でいえば、プラグマティズムと言われます。欧州は「認識論(=哲学)」の国、アメリカは「プラグマティズム(=現実主義)」の国、と対比されます。前述の1.とは逆の特性を内包している点が、興味深いところです。例えばかつてのマンハッタン計画は、軍部が民間に委託した世界で初めての大型プロジェクトでした。スペースX社による宇宙開発など、本来であれば国が主導して行うべきプロジェクトを民間に委ねるなど、こうした思想の根底がプラグマティズムです。
3.寄付文化
アメリカ企業は寄付に熱心です。宗教的背景もありますが、それ以上に寄付金が全額損金参入される上、さらに寄付金の何割かが課税所得から差し引かれるという、寄付を後押しする税制によるところも多分にあります。
日本は1992年のバブル崩壊以降、GDPはほぼ横ばいです。それに対してアメリカは一貫して成長を続けており、1992年までアメリカのGDPは日本の2倍でしたが、現在では4倍もの差をつけられています。我々が彼らに学ぶべき点も多々あると感じます。
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