世の中の町工場の大半は自社商品を持たず、いわば「下請け」工場です。
「下請け」だと無理なコストダウンを要求されたり、無理な納期を要求されて社員が疲弊することも多々あります。全ての町工場にとって、自社商品を持ち、かつ自社商品で売上の柱をつくることは「夢」ではありますが、中々実現させるのは困難なことです。
しかし群馬県高崎市の町工場(従業員48名)の株式会社群協製作所の社長、遠山昇氏は「どんな町工場でもメーカーになれる」と断言します。実際、同社もかつては親会社からの仕事に依存する「下請け」でしたが、現在では売上の約7割を自社商品によりつくりだしています。
同社の遠山社長によると、町工場がメーカーになる方法は次の3ステップです。
ステップ1:とにかく客先を回る、遠山社長の場合はノーアポで1日20社まわったことも
ステップ2:全く違う2社の客から製作要望があったものは自社商品になる傾向
ステップ3:全く違う3社の客から製作要望があったものは自社商品になると確信
遠山社長の唱える3ステップは、やる気になればどんな会社でも実践できそうな内容です。同社ではこのやり方で“レーザー加工機用ノズルのアフターパーツ”“フィルター洗浄サービス”などの商品開発に成功しました。こうした自社商品のおかげで、同社の工場は月商4000万円のキャパしかないと思われていたのが、2016年3月は瞬間風速的に月商8000万円を実現しました。これもメーカー効果といえます。
さらに遠山社長は自社商品を開発する上で次の5つのポイントがある、といいます。
ポイント1:身の丈にあった製品であること
ポイント2:装置ものは付加価値も高いがリスクも高く、それとは裏腹に売りにくい
ポイント3:小さいもの、できれば手のひらサイズ
ポイント4:大企業が扱うと儲からないもの
ポイント5:市場規模が小さく、付加価値が高すぎないもの
つまり町工場がメーカーになるためには、「顧客ニーズ」をもとに「力相応一番」を実現すること、とまとめることができます。これはどの様なビジネスにも言えることではないでしょうか。
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