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儲かる”はざま”ビジネス

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現在の様な成熟期・市場縮小期になると“はざま”のビジネスが儲かる、といいます。

例えば外食産業は構造不況といわれます。レストランや居酒屋も総じて苦戦しています。ところが居酒屋とレストランの中間業態である「居酒屋レストラン」を展開するハイデイ日高は、ここ3期増収増益であり、この第一四半期も昨対ベースで増収増益を果たしています。

また、ここ最近注目されている喫茶店チェーンのコメダ珈琲も、喫茶店の様に見えますが実際には食事メニューが100品目を超えており、いわば業態としては「喫茶店レストラン」と言えるでしょう。

この様に、従来のメイン業種の“はざま”が延びていることがよくわかります。

そしてこうした現象は消費者向けビジネスだけでなく、筆者が関わる製造業の町工場においても同じ現象が見られます。

例えば製造業の加工業においては、「試作」と「量産」が分かれているのが普通です。ところが昨今、業績を伸ばしている加工業は、この「試作」と「量産」のはざまである「工法転換」を手がけている会社です。

例えば埼玉県所沢市の金属加工業、株式会社井口一世は、わずか27名の従業員で71億円もの年商をたたき出しています。しかもここ数年は年10から15%の成長率で業績を伸ばしています。

同社は今まで「金型」で生産してきた部品を、「金型レス」に置き換えるという「工法転換」技術を売りにしています。金型は大量生産に適していますが、製作するのに多大なイニシャルコストがかかりますし、その金型の管理にもコストがかかります。同社は“ダイレスフォーミング”など、あらゆる技術を駆使して「金型レス」を実現しているのです。

こうした「工法転換」を行うためには、「試作」の段階から対応・実証した上で「量産」に持ち込む必要があります。そして生産が本格的に軌道に乗った「量産」部品は海外に出て行ってしまいますから、常に「工法転換」を行うことで、国内で仕事を維持・拡大しているわけです。

“はざまビジネス”が儲かるという成熟期・市場縮小期の特性は、BtoCビジネスであっても、受託型加工業の様なBtoBビジネスであっても変わらない様です。

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