不況で業績が厳しくなってくると、多くの会社で“新規開拓”をするべきか、“過去客の掘り起こし”をするべきか、といった議論が起きます。
私の答えは迷わず前者、すなわち“新規開拓”です。よく「過去に名刺交換した先を再度まわります」といった差額対策を立てる営業マネージャーの方がおられますが、私の経験でいえば過去の名刺交換先をまわって成果があがるケースは、ほとんどありません。取引が無くなるには、取引が無くなるだけの理由があるからです。そこを覆すのは並大抵の営業力ではできません。
実際、神田昌則著「稼ぐ言葉の法則(ダイヤモンド社)」によると、新規客を獲得するコストは既存客からリピート購入していただくコストの6倍かかるが、現在取引していない過去客(=流出客)に再び戻ってきてもらうコストは、新規客のコストの2.5倍もかかるといいます。
同氏が自身のクライアントで計測したデータに基づくそうですが、私の経験則とも合致します。
ちなみに、本当は不況で業績が厳しくなってから慌てて“新規開拓”に取組んでも、本当は手遅れです。業績が堅調な普段から“新規開拓”に取組んでおき、イザという時に差額対策につなげることができる“見込み客”を常に持っておくことがビジネスの鉄則です。
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