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100人の会社に負けない10人の町工場の秘密

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岐阜県美濃市にある有限会社シオン様は、全日本製造業コマ大戦で優勝したことで知られる、今注目の町工場です。

同社は従業員10名ながら、100名の製造業に負けない強みを持っています。それは独自の人材教育により、全社員が図面からプログラム、加工まで一貫して完遂できる多能工化を実現している、ということです。

普通の製造業に見られる、工程ごとに担当者を分け、分業で仕事をこなすやり方は量産には有利ですが、多品種少量生産では逆にリードタイムが長くなってしまうことが多々あります。

同社は少人数ながら、逆に少人数であるという強みを活かし、大手企業では真似ができない多能工化で、生産性の高い仕事をしているのです。

社員教育を第一に考える同社の山田社長ですが、ある時に若手社員の1人がモチベーションを落としていることに気がつきました。いつもふてくされている様に見受けられ、その若手社員は社内でも浮き気味になっていました。

山田社長はその若手社員を呼び出し、「キミは自分のことが好きか?」と聞くと、大嫌いだ、と応えたそうです。

自分のことが肯定できない間は良い仕事はできないと山田社長は考えています。

そして自分のことを肯定する第一歩は“自分で決めた小さな約束を守ること”からということで、山田社長は始業前に早く出勤して時間をつくり、その若手社員と小さな約束を決めてそれを守る、というミーティングを毎朝行いました。小さな約束とは「靴をそろえる」「あいさつをする」といった、誰でもできることです。

そして、その約束が守れる様になったら新たな約束を決め、約束の数を徐々に増やしていくのです。

このミーティングを始めて半年くらいたつと、この若手社員は人が変わった様にモチベーションが上がってイキイキと仕事をする様になったそうです。

さらに山田社長ご自身が驚いたのは、この若手社員のモチベーションが上がると、全社の生産性も驚くほど上がった、といいます。

結局のところ教育は、リーダーがどれだけ時間をかけるか、工数を投入するか、ということだと思います。

また末端だと思っていたメンバーの、全体への影響は実は大きいのだということを改めて感じました。

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