ではこれから、中小企業経営者は何に取組むべきなのでしょうか。
これについて、日本電産の永守重信会長が興味深いことを言われていました。それは「3K経営」と「3T経営」です。
永守会長が目指すのは「3K経営」であり、3Kとは高収益・高成長・高株価という意味で、営業利益率で10%あるいは15%の会社のことです。
この「3K経営」でいう“高株価”の部分は、非上場の中小企業においては“高評価”あるいは“クチコミ・良い評判”と置き換えれば良いでしょう。
英語でいえばグッド・レピュテーション(good reputation)ということです。昨年視察したアメリカのグレートカンパニー経営者は、頻繁に「good reputation」という言葉を使っていました。現在のネット社会であるからこそ、高い評価はもとより、クチコミ・良い評判が不可欠なのです。
また、ここでいう“高成長”というのは、単なる売上の拡大といった量的成長だけを指しているのではありません。永守会長は「営業利益率10%は営業利益率5%の倍ではない」と言います。2倍ではなく、率の差は2乗で効くので、経営・ビジネスモデルの力は2の2乗で4倍の差だ、と言うのです。つまり質的成長無くして「3K経営」は有り得ないのです。
それに対して日本の平均的な会社は低収益・低成長・低株価の「3T経営」であり、営業利益率はせいぜい5%です。
この様に、自社ブランドを持つ大手メーカーであっても営業利益率10%を超えることは簡単なことではありません。
ところが船井総合研究所が主催する、ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会の会員企業様におかれては、下請型の部品加工業でありながら、営業利益率10%超えの事例が数多く出てきています。営業利益率10%どころか、営業利益率18%、さらには20%超という事例も出てきています。
では、こうした「3K経営」を実現している部品加工業は、いったいどの様なことに取組んでいるのでしょうか?
(次回に続く)
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