ハーバード大学ビジネススクール教授、アニータ・エルバース氏は著書「ブロックバスター戦略」の中で興味深いことを述べています。
それは全ての商品に同じ様に投資をするよりも、ヒットが見込める商品に対して重点的に投資を行ったほうが、全体の収益は最大化する、というものです。
例えば映画会社として史上初の、10年連続10億ドルを超える興行収入を記録したワーナー・ブラザーズの場合、上位10%の作品で制作費の3分の1を使いましたが、興行収入の5分の2をそこから得ているといいます。
逆に多数の作品に少しずつ投資し、厳密なリスク管理を取るマネジメントに移行した全米テレビネットワークのNBCは、視聴率ナンバーワンの座から4位にまで滑り落ちたそうです。
同氏は映画産業や出版業界など、エンターテイメント業界における経営の専門家であり、同書もその分野の事例が中心ですが、私はこの法則はあらゆる分野に適用できるのではないかと思います。
実際、船井流経営法の代表的なものに「長所伸展」があります。これは伸びている、強みといえる、ツイている商品あるいは人材に力を入れさらに伸ばす、というものです。私自身、コンサルティングの現場で最も大切にしていることは、その企業、あるいは経営者の方の長所を探し、そこを伸ばしていただくことです。
同書から「長所伸展」の重要性を改めて認識することができました。
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