「歴史は繰り返す」といいますが、新年が近づくと干支でその年の時流を考察する記事をよく目にします。
例えば今年、2015年は振り返ってみるとどの様な年だったでしょうか。
今年は干支でいうと「乙未」(きのと ひつじ)の年でした。この”乙”は草花の芽が曲がりくねっている象形文字からできているといいます。つまり「うまくいきそうだけど、なかなかそうならない」という意味だそうです。
また”未”は枝葉の繁殖を示す文字だそうですが、枝葉が茂ると暗くなります。つまり今年2015年「乙未」の年は、「うまくいきそうで、なかなかうまくいかない」「徐々に見通しが立ちにくくなる」様な年だ、と考察することができますが、結果、その通りになった様な気がします。
では、2016年はどの様な年になるのでしょうか?
2016年は「丙申」(ひのえ さる)の年だそうです。この”丙”という文字は「横に燃え広がる」という意味で、また”申”は「伸びる」という意味があるそうです。
従って、2016年は2015年に起きた問題が盛んに広がり発展する、言い換えればパワーバランスや貧富の差が益々広がる、主流派が優位になる年だと考察されます。
また干支は60年でひと回りします。従って60年前のこの年に何が起きたのか、あるいは120年前のこの年に何が起きたのかを調べることによっても、時流を推察することができるといいます。
2015年の60年前、1955年は朝鮮戦争の特需により、日本の産業界はバブル景気に沸いていました。いわゆる「神武景気」です。
そして2016年の60年前、1956年には日本経済が戦前を上回り「もはや戦後では無い」と言われた年でした。日本は国際連盟に加盟し、そしてソ連ではフルシチョフがスターリン批判を行い、東側の体制が大きく変化しました。このソ連の件は、現在の中国に置き換えることができるかもしれません。
また当時の朝鮮戦争の特需は、現在の「円安による輸出企業への追い風」と置き換えることができるかもしれません。
ちなみに60年前の「神武景気」はデフレ現象をよび、1957年からの「なべ底不況」につながっていきます。奇しくも1957年の60年後は2017年であり、2017年4月からは消費税引き上げによる不況が懸念されています。
まさに「歴史は繰り返す」ということです。
同時に、この2016年に企業経営者が打つべき手も、この「歴史は繰り返す」の中にヒントが含まれています。
(次回に続く)
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