注目のキーワード

景気は良いのか?悪いのか?

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

今の時代は、市況を語るには非常に難しい時代だと思います。

例えば先日の日経新聞には、「非製造業の景況感改善」という見出しが躍っていましたが、中身は中国人の“爆買い”の話でした。

実態は、非製造業の景況は、製造業以上に厳しいものがあります。

例えば今の国内景気が振るわない最大の要因は、世帯あたりの可処分所得の減少にあります。

世帯あたりの可処分所得は、2000年と比較すると毎月2万円近くも減少しています。

そして可処分所得が減少した最大の要因は、製造業の雇用が減少したことにあります。

1990年以降、製造業の雇用は400万人も減少しています。そして、この製造業で失われた雇用の受け皿が非製造業、すなわちサービス業です。ところがサービス業の平均年収は、製造業の平均年収と比べると180万円も安いのです。

これが日本の景気が悪くなった要因です。

私は経営コンサルタントをやっているのでよくわかりますが、従業員10名くらいの町工場でも、製造業は社員に結構な給料を払っています。しかも専門的な技術・技能も身につきます。

そう考えると、我々製造業が雇用を増やせば増やすほど、世の中は良くなっていく、ということになります。

話を景況に戻すと、世帯あたり可処分所得が月に2万円も減少したことにより、一般消費市況は落ち込んだままです。

2万円減少した可処分所得のあおりを最も受けているのが、サラリーマンの小遣いです。日経新聞の調査によると、サラリーマンの小遣いはここ15年で1万5000円も減らされているそうです。

居酒屋や外食・小売業が苦戦している要因はここにあります。

その点、製造業はかなり恵まれています。

なぜなら今は「円安」だからです。輸出企業は明らかに有利ですし、グローバル展開している大手企業の多くは儲かっています。

さらに「原油安」の結果、北米はバブルを思わせる景気回復が続いています。

本来はアメリカの景気が回復すれば、世界の工場たる中国も景気が良くなるはずなのですが、中国の人件費が上がった結果、中国生産の優位性が上がらず、苦戦しているというのが実態の様です。

こうした背景があり、今の時代は同じ業界であってもその業界全ての会社の業績が良いわけでなく、その会社の取る戦略によって業績が大きく二極化しているのです。

そして以前にもお話しましたが、例えば今年の中小企業白書を見ると、そうした傾向がはっきりと出ています。

まず、経常利益率で上位25%の会社と、下位25%の会社との差を比較すると、年を追うごとにその差が拡大していることがわかります。

小規模企業(製造業の場合で従業員20名未満)の場合、1980年代は19.7ポイントであった差が2000年代には34.7ポイントに、さらに2010年以降は36.8ポイントにまで拡大しています。90年代の実に倍近くです。

また、この差は小規模企業よりも中規模企業、さらに大企業になると縮まります。小規模企業ほど社長個人の影響が出やすいからでしょう。

さらに興味深いのは、製造業において2000年以降、前述の上位25%の小規模企業の平均経常利益率が、大企業のそれを上回っているのです。

2010年以降をみると、上位25%の小規模企業の平均経常利益率が15.1%なのに対し、大企業の平均経常利益率は13.2%です。

ここから言えることは、企業間格差が広がっているとはいえ、それが企業規模とは不一致である、という事実です。

新聞などでは「中小企業は苦戦」と報道されていますが、この中小企業白書のデータからは違う事実が見えてきます。小が大に勝つ、ことは工夫次第で十分に可能、ということなのです。

例えば来る11月13日(金)に開催される“先端「町工場」視察セミナー2015年秋in長野”で訪問する、株式会社西山精密板金様と有限会社スワニー様などは、まさに前述の優良な小規模企業の代表格です。

また、前回のこのレポートでもお話した、営業利益率10%超えの3K企業の要件も満たすモデル企業です。

二極化する現在の時期に、業績を伸ばすモデル企業がどの様なことに取組んでいるのか、ぜひご自身の目で見ていただきたいと思います。

 

〔製造業 経営者向け視察セミナーのお知らせ〕

先端「町工場」視察セミナー2015年秋in長野

■日時・会場

2015年11月13日(金)JR「松本駅」集合

集合 9:15 出発 9:30 解散 17:00

↓↓↓本視察セミナーの詳しいご案内はこちら!

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/515253.html#_ga=1.258064386.982272451.1430474122

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

関連記事

アクセスランキング

製造業・工場経営.comを運営する船井総合研究所が提供する各種サービス

ものづくり経営研究会オンデマンド
ものづくりグロースクラウド

無料経営相談の
お問い合わせ