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60年に1度の大変化

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今、生産財業界では産業構造の変化ともいえる、大変化が起きています。例えばミスミによる大手企業との直接取引です。

ミスミといえば通販で便利ではあるものの、大手ユーザーとは口座や支払い条件の関係で直接取引が難しい、というのが業界関係者の見方でした。

ところが今やミスミは営業マンを訪問させて営業を行うだけでなく、大手ユーザーの「指定伝票」を購入し、その指定伝票を使用して商取引を行っているのです。

しかも従来の人的販売をメインとしている機械工具商社の場合、その指定伝票への記入は“手書き”という労働集約的なやり方ですが、ミスミの場合は“プリンタでの自動書き込み”という生産性の高いやり方です。

従来型の機械工具商社は、大きくビジネスモデルを転換する必要があります。

私は20年以上、生産財ビジネスに携わっていますが、そこで明確に言えることは、生産財ビジネスには機械工具商社など流通機構が必ず必要、ということでした。

例えばアメリカの“ものづくり”が衰退した直接の理由は、アメリカの工作機械産業の衰退にありますが、アメリカの工作機械産業が衰退した要因は、アメリカの工作機械産業が「直取引」にはしったことにあります。

かつて60年代まで、工作機械業界は“汎用機”が主流でした。この時代は商社が工作機械の在庫を抱え、在庫機能という意味での商社機能を果たしていました。

ところが70年代になると“NC機”が主流となり、仕様が複雑になったことから受注生産がメインとなりました。つまり商社による在庫が不要となったのです。

その結果、アメリカの工作機械メーカーはこぞって「直取引」にはしりました。その結果、多くの機械商社が淘汰されていきました。

その中で、力のある商社は売るものが無くなったため、やむを得ず日本の工作機械を取り扱う様になりました。彼らは日本の工作機械メーカーに技術指導を行い、アメリカで売れる工作機械をつくらせることに成功しました。

これが、日本の工作機械産業が躍進した要因です。

その後、アメリカの工作機械産業は衰退をはじめます。なぜなら商社を敵に回した結果、引合情報が手に入らなくなったからです。

これは重要なポイントですが、生産財の特徴というのは「購買頻度」が著しく低い、ということです。つまり“滅多に買わない”ということです。購買頻度が低い、すなわち滅多に買わない、ということは、自前の営業部隊だけではマーケットのカバーが難しい、ということです。言い換えれば、引合情報が何よりも大切、ということなのです。

こうした生産財特有のマーケティングに失敗したアメリカの工作機械産業は、衰退に向かっていったのです。

しかし今は60年に1度の技術革新が起きています。それは「インターネット」であり「クラウド」です。

前述の「購買頻度が低い」特性を持つビジネスのことを、“ロングテール・ビジネス”といいます。そして“ロングテール・ビジネス”に最も向くのがインターネットであり、それを書籍の業界で証明したのがアマゾンです。

つまり今や、“ロングテール・ビジネス”である生産財ビジネスに最も最適な販売チャネルは“インターネット”になってしまったのです。

さらにこの動きを決定的にしたのが“クラウド”技術です。

今から10年ほど前までは、膨大な生産財の商品マスタをデータベースで整備するのは大変な苦労を伴いました。

それは各社ごとに膨大な商品データを入力する必要があったからです。

実際、今から10年ほど前のネット通販は、商品アイテムが50万を超えていたら、かなり品揃えのあるサイトでした。

ところが5年ほど前から一般化した“クラウド”技術は、各々の会社で商品マスタを入力する必要が無くなりました。

“クラウド”上の商品マスタを、各社が簡単に共有できる様になったためです。

その結果、今は小規模なネット通販会社でも簡単に100万アイテムを超える商品の品揃えが可能になっています。

ミスミVONAやモノタロウにいたっては、商品アイテムが1000万を超えています。

こうした生産財業界の現状に対して、流通機構である機械工具商社はどの様な手を打っていくべきなのか?そのヒントがアメリカの機械工具商社にあります。

私は2008年秋にアメリカ機械工具商社視察セミナーを企画しましたが、この際に訪れたミネソタ州の機械工具商社は非常にユニークな取組みをしていました。

まず、従来のナショナルブランド切削工具は、既に粗利率が10%も取れない状態となっていたので、ユーザーでの委託在庫販売など、顧客代行の売り方を取って20%近い粗利率を取っていました。

また工作機械に至っては、日本製も含め粗利率が3%くらいしか取れない状態になっていました。

そこで、そのミネソタ州の機械工具商社が力を入れていたのが「中古工作機械」です。「ナショナルブランドは全く儲からない、だから中古の工作機械に力を入れているんだ」と彼らは語っていました。

私が来る9月4日(金)東京会場にて、機械工具商社向けに「中古機械買取販売WEB立上げセミナー」を企画したことも、こうした背景があります。

詳細は下記セミナーご案内をご覧いただきたいですが、今や中古機械の買取あるいは販売はインターネットの時代です。

 

↓↓↓本セミナーの詳細ご案内

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/315647.html

 

今これから機械工具のネット通販に参入しても成功の可能性は極めて低いですが、インターネットによる中古の買取・販売はまだまだ成長期です。

しかも業界外の人間が参入しづらい「中古工作機械」のネット買取・販売に至っては、実質導入期とも言えるでしょう。

さらにこのビジネスモデルの良いところは、地域密着型という機械工具商社の強みが活きる点です。

ぜひこのセミナーをきかっけに、新しいビジネスモデルを考えていただきたいと思います。

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