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部品加工業は営業利益率10%を目指せ

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ようやく、「忙しいけど儲からない」から脱却する部品加工業が増えてきた様に思います。

船井総研が主宰する、ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会の会員企業様の中からも、営業利益率が10%を超える企業が多くでてきています。

↓↓↓部品加工業経営部会の様子

https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/event/

製造業の中でも、いわゆる自社ブランドを持つメーカーの営業利益率の1つの目安が10%です。受託型の部品加工業で営業利益率10%というのは、かなり立派な数字だと思います。

では、こうした営業利益率10%を達成した部品加工業はどの様な取り組みを行っているのでしょうか?

 

まず大切なことは、受注すべき仕事の選別です。

多くの部品加工業が、自社が得意な仕事ばかりでなく、不得手な仕事まで受注して採算を悪化させています。

ちなみにリーマン・ショック前は、エンドユーザーと1次取引さえできていれば、大半の仕事が収益を生んでいました。

ところが、リーマン・ショック以降はチャージが下がった上にロットが減り、短納期が求められる様になったため、1次取引していても利益が上がらなくなりました。

残業時間ばかりが増え、月に100時間を超える残業をしているにもかかわらず利益が残らない、いわゆる「忙しいけど儲からない」という状態です。

今、「忙しいけど儲からない」から脱却できている会社とは、きちんと自社の強みを自覚し、その強みを伸ばすことができている会社です。

例えば従業員40名の部品加工業某社の場合、旋盤からマシニング、さらに研削まで、一貫体制で受注できることを強みとしていました。

そしてやはり、リーマン・ショック後は低収益に苦しみましたが、現状分析をしてみると興味深いことがわかりました。

今まで得意だと考え、設備投資も積極的に行ってきたマシニング系の仕事が、実はそれほど競争力がありませんでした。

ところが創業事業の旋盤を主体とした、マシニング追加工・熱処理・研削加工の仕事は高収益をもたらしていました。

さらに、この高収益の仕事の中身をさらに「顧客軸」で見てみると、要するに“スピンドル部品”であることがわかりました。

スピンドルはあらゆる設備に使用されています。またシャフト・ハウジング・ブラケットなど多数の部品から構成され、その性質上精度と対磨耗性が求められ、また複雑形状です。そうした仕事がこの某社には向いていた訳です。

その後、この某社では意識してスピンドル部品系の仕事を取る様にした結果、営業利益率を10倍近くに上げることができました。

今、同社はスピンドル部品系の仕事をより強化する設備投資を積極的に進め、社員も現場リーダーを筆頭にかなりモチベーションが上がっています。

まとめると、受託型の部品加工業が営業利益率10%を実現する為には次の3つのステップが必要です。

ステップ1:優良ユーザーとの1次取引を増やす

ステップ2:自社の強みを「顧客軸」で見つける

ステップ3:その強みを伸ばす

船井総合研究所の創業者である船井幸雄は、マーケティングの定義を「自社が一番になれるセグメントを見つけること」と言いました。

受託型の部品加工業の場合も、やはりマーケティングを取り入れていくことで収益性を高め、競争力を高めることができるのです。

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